例え空が落ちようとも。「007 スカイフォール」

さすがに50周年。ここに007が真に帰還したという、上手いことやったなという脚本だが、さらにもう一つ仕掛けがあった。
さすがにそれには驚いたがネタバレになるので後述する。

で真の帰還って、じゃあ今までのボンドはなんやねんという話になるけれど、そこらへんはコネリー時代にということ。なるほどコネリーにもオファーを出すという話があったのも頷ける。
そういう意味でも今までも007をそこに戻ったかという感じで感慨深い。トムのMIや ボーンの味も取り込みつつ、そこへ落とし込むのかと。なるほど007最高傑作というのも頷けるがいろいろそこが楽しめない人にはちょっとキツイか。だが英国らしい映画だった。
でも純粋なエスピオナージュ映画としては「裏切りのサーカス」の方が上だと思った。でも実は両方ともよく似た構造もってる。と思います。ちなみにタイトルにもいろいろかかってたのは凄い。
タイトルのスカイフォールはラテン語の『"天が落ちても、正義が行われるようにしよう。"』という格言にかかっており、それはすなわち今回ボンドが置かれた状況であり、MI6の立場をも含む。
またその上で、ボンドの生家である、スコットランド・グレンコウにある館の名前でクライマックスの舞台というダブルニーミングになっている。
Fiat justitia ruat caelum
クラシックスタイルを今のスタイルに仕立て直したというべき映画だったね。007はここに原点に戻ってきたということをつくづく感じた1本。
でもこの作品はおいらの好きな007は『ロシアより愛を込めて』なんだなと今更ながらに感じる。でもスカイフォールを楽しむにはゴールドフィンガーを観るのがいいって映画評論家の町山さんがおっしゃってて、それはかなり的確だよなとも。
冒険小説によく使われる主人公が困難に遭い、それに立ち向かい、時には何かを喪失するかもしれないが、困難を克服し、成長するというべたなお話をちゃんとやった映画でした。

余談とかネタバレとか
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by tonbori-dr | 2013-03-09 22:23 | Movie

3本目にして既に職人の風合い。「アルゴ」

ということで新年始めの映画エントリは「アルゴ」から。
惜しくもオスカーノミニーは監督賞は逃してしまったがベン・アフレック。3作目にしてこれかいなと。
なんというか職人の技だよねという撮り口は既にベテラン。まあこの人最初にオスカー執ったのは脚本賞(マット・デイモンとともに)、もっともこの人割りと仕事選んでるようで選んでなかったりするからラジーもとってんだけどね(ヲイ

で、この映画、面白いといわれるのがよく分かった。CIA万歳な部分がある一定の人たちに反発買うかもしれないが、これは現場の人たちがでもやるんだよ!で成功確立の薄い作戦に臨むという冒険譚である。
それにアメリカだけが正義とはいっていない。まあ突入したイラン人の描き方がアレだという人もいるかもしんないけど、興奮状態の民兵はどこでも同じもの。日本でも、アメリカでも、さほど変わらない。
あとちょっと苦い部分もちゃんと見せたりとか。そういう背景もしっかり描き込んでいる。そして演出も盛り上げどころとオチもきちんと2時間半とかにせず120分に収めているのは立派。

この映画ですごくあっと思ったシーンはいくつもあるが、中でも主人公のトニーがこの困難な作戦を思いつくのが電話先で息子が観ていた「最後の猿の惑星」というのもすごく頷かせてくれる。(映画の内容を知らなくともその背景を観れば納得できる)そういう映画制作のディティールがすごく効いていてるし、またイラクではカナダ大使の私邸での生活を中心に描くことにより彼らの焦燥感を上手く積み重ねていっていた。そういう細部に気が届いていた。

よくCIAは成功例は永遠に隠される。知られてしまうのは失敗例だけというが、中にはこんな成功例もあるのだなと。いや面白い映画でした。

余談だけど、実際のトニー・メンデスはベン・アフとはちと違うおっちゃんでしたwだがベン・アフ、監督としてキャリア着実に積んでると思わせる1本だったね。(俳優としてもそろそろいいのにめぐり合うといいねとは…まあいいかw)

余談ついでに、軍による救出作戦イーグルクロウでこのアルゴ作戦が一時、あぼーんされそうになったけど、そのイーグルクロウが特殊部隊の作戦としては失敗事例として今でも語り草になってるのがまた色々深い。
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by tonbori-dr | 2013-01-17 22:54 | Movie

ベガマンはもぐらを見つけた。「裏切りのサーカス」

「裏切りのサーカス」の感想を書いた気になっていたが、実はツイッターでつぶやいていただけだったので挙げておこうと思う。

今年はスパイ映画が面白い年かもしれない。邦画の「外事警察」、洋画の「アルゴ」。
まだ未見だけど老舗の007最新作「スカイフォール」

もともとスパイ物は作品としていろんなテーマを落とし込みやすい。

ル・カレ御大のこの作品も古びないテーマが内包されてる。
まあ今のエスピオナージュはボーントリロジーとかに代表されるようなアクションも必須みたいなところもあるけど、ここまで冷徹に描ききることが出来るってのはまだまだやれば出来るじゃないとも思う。

もちろん時代設定込みの話になるけれど。そう東西冷戦下のKGBとMI6、CIAが人知れず活動していた頃だ。いや、今ももちろんそうだけど、すくなくともヒューミント(対人情報収集)が頼りの時代ではなく、シギント(通信などを中心とした情報収集)が中心の時代とは違う、人間くささがそこにはある。

特筆しとくべきはタイトルバック。なんというかタイトルは映画の顔。あのタイトルの出方はちょっとぞくっと来たよ。それでもこの作品を観た後だと、このクルーで、「スクールボーイ閣下」や「スマイリーと仲間たち」を映像化して欲しいとも思った。いろいろ説明不足というか性急さもあったけどかなりのレベルのエスピオナージュ。イギリス映画はほんとこういうのが上手い。暗い、しかも救いが無い(事も無いけども)重い話は独壇場。でもジョンブルは武士なみに誇り高き人種なのよね。

ただあの原作をよくぞここまで映像化!という部分と、え?そこはそうするのか?とかという部分があったことも事実。だがキャスト陣の醸す雰囲気や映像は非常にすばらしい出来であった。また追加改変されたシーンも映画的なエモーショナルをおいらは感じた。

とはいえこの作品の原作小説も冷戦下のスパイを活写しているということと、キム・フィルビー事件(実際にあった戦後最大の2重スパイ事件、イギリスの情報部幹部がソビエトのスパイだった)を下敷きにした小説は幾つかあるけど、その中でもスパイ小説の大家、ジョン・ル・カレの解釈をベースとし、さらには自身の創造したキャラクター、スマイリーを語り部にした3部作の端緒としても興味があるなら是非、読んで欲しい1作である。(原題名「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」)変わったタイトルだがそれが劇中で分かるので。ブログタイトルにしたベガマンも同様。

それと、まあ原作しってる人なら知ってるだろうけど、スマイリーの容姿はオールドマンとは違う。だけどスクリーンに登場したとき確かに彼はスマイリーだった。にしてもアレリンは原作で想像してたちよりかなりディフォルメされてるっぽいwそしてギラムは若造っぽいw
ゲイリー・オールドマンの演技は「レオン」や「フィフィス・エレメント」などのテンション高めではなく「ダークナイト」のゴードン警部をより抑制した感じで原作の姿形はともかく雰囲気とか振る舞いはああ、こんな感じだと。最初、ゲイリーのスマイリーで奥さん、ああなるかなあと思ったが、ああそうなるわと思わせてくれる演技はさすがでござった(笑)
出色は情報部の前任部長、コントロールを演じた、ジョン・ハート。彼も想像とは違うんだけど、やっぱりコントロールなんだよね。そこはただただ名優の演技に驚嘆です。

あと古いイギリス車好きにはたまらん画がバンバン出るので英車好きもいくと吉かもしれない。(これはマジ。ギラムのクルマが古いローバーとかたまりませんわ)

先にも書いたけど続編の映像化、実は動き出しているようなんでそこらへんも期待しつつオススメの1本
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by tonbori-dr | 2012-12-25 22:08 | Movie

ボーンの尻尾「ボーン・レガシー」

ボーン・レガシーは実は期待してたんですわ、予告編を観て。
あの「アルティメイタム」の裏側で同時進行でこーゆう事が起こっていたみたいな煽りに(苦笑)そう予告編で今まで何度もやられているというのに(^^;

でもまあ、公開後すぐにツイッターでの噂も聞いてたし、分かっていたけど。なんか、こうトホホ…みたいなね。

でもダメじゃないとは思うんですよネタは。別のサイドからこういうことが!ってのは上手くすれば面白いはず…なんですけどね。アルティメイタムのウラの動きをもっと見せてくれればねえ。なんかあっさり関西うす味かよ!みたいな。いやまあ予告編マジックにやられてしまいましたねw
とはいえアクションの一定水準とか話の運び方はやっぱりちゃんとしているとは思います。

そらよく考えると?だが少なくとも観ている間はふんふんと観せてくれるわけですだよ。そこがすげえ。まあいろいろネタバレになるんでほーって思った設定があったんですが、そこは人によっては突っ込むだろうなあw
いやこの主人公アーロン(ジェレミー・レナー)が被験者となって受けていたアウトカム計画の実験は、うわーこれ漫画チックでハリウッド大作なのにすげーなーと。しかもこれが重要なお話の核になってるとことかがね。これ日本でやったら漫画やんけとなるけど、少なくとも画面観てる間はすげえなというのはセットデザインとリアリティをもたせるための設定の作り込みはお金をかけてるよなと。言い換えるとそこだけなんですが(ヲイ)

主演のジェレミー・レナーはよくやってると思うけど、脇のCIAより上部?の国家調査研究所?NSAよりもこれ上位組織なんだろか?の指揮官バイヤーの位置が分かりにくかったですねえ。そこらへんは結構思惑ありげにCIA長官クレイマー(スコット・グレン)がいわくありげなおっさん(ステーシー・キーチ)を尋ねてのあたりはもう続編への色気にしか。

ヒロインはこのアウトカム計画にかかわっていた研究所のマルタ・シェアリング、演じるはレイチェル・ワイズ。今の007のリアル嫁wwそうダニエル・クレイグの嫁さんなんですがちょっとエキゾチックな感じでイギリス人なんですが東欧系?らしいです。巻き込まれヒロインを熱演。マニラでのシーンが妙にエロチックとおいらの周りではもっぱらの評判です(笑)でもいい女優さんですよねえ。

でもこの作品、もともとデイモンのボーンの続編がグリーングラス降板で流れたからつなぎという話もあったけど、今後どうなるか。つなぎのための伏線も張られたし。まあどっちにしてもデイモンとグリーングラス次第ですが。

とはいえアーロンとボーンという二人が立つには難しいし、なんでしょうねえ、やっぱり無いかなあ。まあこのクロスで続編始動とかいうニュースはありましたけどね、ハリウッドはしょっちゅうそういうニュースがとびかってますんでね(苦笑)
あと物語の基本構造としては「アイデンティティ」の本家取りでもあってやっぱり評価そんなに高くなさそうだし、でも二人だとアメリカを敵に回してもなんか大丈夫じゃね?とか思うので是非、共闘していただきたいということでこのエントリを締めたいと思います(笑)
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by tonbori-dr | 2012-12-09 01:00 | Movie

SOTOGOTO 「外事警察 その男に騙されるな」

『外事警察 その男に騙されるな』を鑑賞。
いやね、あまり興行がはかばしくなくて、もっと多くの人に観て欲しいわけなんでとり急ぎ感想を。

そんなわけでネタバレは避けるけど納得の出来上がり。
TVドラマ時の緊張感はそのままに今回は隣国も巻き込んでの大事に「公安の魔物」と言われている住本があたる。

まずタイトルにソトゴトの文字を観た時にニヤリ。
今回ドラマ時にツイッターでのハッシュにも使われた隠語、外事をさすソトゴトはやはりこのストーリーの根幹を成す。
ストーリーも、今そこにある危機をフィクションならではの味付けでディテールアップ。
登場人物は住本(渡部篤郎)以下外事の面々も、そして陽菜(尾野真千子)も時間経過を感じさせながらもドラマ時のあの対峙関係をちゃんと持ってきて、ストーリーのガイドラインも分かりやすくしている。

『外事警察』日本ではエスピオナージュは難しいかと思っていたがドラマ版はそれをモノにした。そしてその続編がスクリーンに。ここまで来たかと。もちろんまだまだ磨いて欲しいところもあるがその志は買いたい。

音楽は元EXの梅林さんが手がけたサントラもコヤで聴くとまた格別。

渡部篤郎は当り役だと思う。慇懃無礼に、時には人懐っこい笑みを浮かべ、時には悪い顔し、何を考えているのか?入魂の役だ。もっともこれもうテレビドラマ時からそうだった。
真木よう子は事件に関わる主婦、果織役。ドラマ版の石田ゆり子演じる愛子とはまたちがった意味で巻き込まれていく女を好演。ちょっと眼力強すぎか?と思ったが映画の限られた時間には上手く作用。

ヒナちゃんこと尾野真千子。いやヒナ”ちゃん”は失礼か。ドラマでのひよっこから一端の公安刑事の面を見せてくれる。しかもちゃんと「あの後」を感じさせる演技は嬉しい限り。

だがなんといってもこの作品の一番は徐博士を演じた、田中泯さんだろう。
その眼光、言葉、どれをとっても鋭く、また重く放たれ、観る者を圧倒する。この演技は劇場で堪能して欲しい。

追記・
韓国側キャストもなかなかに曲者。
安民鉄役、キム・ガンウや果織の夫役イム・ヒョンジュンもそうだけど石橋凌さん演じる内閣情報調査室情報官有賀と対峙するNISの代表者役の方も(すみません、名前が分からないっす)すごく「らしい」んですよねえ。通訳を入れながらも日本語で返すあたり分かっているんだぞというメッセージのようで。そういう細部にまで眼を凝らし耳を澄ましてでないと味わいつくせない深い映画でした。
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by tonbori-dr | 2012-06-12 00:01 | Movie

殺しの国のアリス「ハンナ」

そんなわけで美少女キリングマシーンな「ハンナ」観てきたよ。
ちょっと微バレというか観てきた印象で語るのでそこは皆様、よしなに。

物語はフィンランドの原野で、サバイバル技術、格闘、射撃などキラーエリートとしての技術を叩き込まれた少女ハンナが外界に飛び出て自らの宿命に向き合うお話だよ。以上。
と、ざっくり語ればそういうお話なんだけれど彼女の父で元CIA工作員エリックにそういう技術を叩き込まれ、外界に飛び出るんだけどなんだか、パンフのあらすじだと彼女は父にミッション(任務)を与えられているという書き方に。
でもよくよく観れば、エリックは出て行くためのトリガー(ビーコンのスイッチ)はハンナに渡しているし、出て行って欲しくないとさえに見える。だから後々のエリックが放つ台詞につながるんだけれど気がついていないのかな?

ハンナの一般教養は1冊の百科事典と母の形見のグリム童話。そのため外界で触れるものは珍しいものばかり。ここらへんはフィンランドの原野と彼女が連れて行かれたCIAのモロッコにある秘密基地から抜け出した後の光景の多様な音の重なり合いが「音楽とは音の集合体で感情を表現するもの」と急速にリンクしていく。特にモロッコでの安ホテルで家電製品の不協和音にマシーンのごとく行動できるハンナが狼狽する様は調和がとれないことに実は弱い繊細なか細い糸のような部分を垣間見せるシーン。ただちょっと過剰に感じたけどね(笑)
ただそのモロッコであったツーリストの親子と特に娘とハンナの交流で、彼女に歳相応の表情をつけていくことになる様は良かったし、彼女を追うCIAのマリッサ(ケイト・ブランシェット、快(怪?)演)と追跡者たちの醸す不協和音とあいまってなかなか見せるなと思った。

アクションシークエンスはコレオグラファーがいいのだろう、ちゃんとしているけども演出として?な部分は無きにしも非ず。そこが残念。いや非常に残念(苦笑)ただ全部アウトではないので微妙な感じでござる。

それと音(音楽)の話で言えばケミカル・ブラザース。結構ファンも多いみたいだし、だいたいの人が高評価だったけど…、すまん何故かあんまりケミカル、ピンとこない?なんでだ?いやまあこれは個人的な趣向の向きなんで。でもBGMとの後半のシンクロ具合とかは半端なかったからわるくなかったですよ、ええ(笑)個人的にケミカルがピンとこないだけで(^^;

シアーシャ・ローナン、なんかこう無垢で透明なイメージが上手く作用してるなって気がしたけど、やっぱりマリッサ・ウィーグラーakaケイト・ブランシェットでしょうな。病的までに潔癖症できちっとそろえられたデンタルケア用品に歯を磨く描写、ありきたりではあるが貫禄のある人がやればこんだけ説得力を持たせれるのか!いやまさに貫禄の怪演。

で父と娘、母と娘という部分が織り込まれた少女の成長譚にみせつつも、そこに大人の童話というオチをつけるという。ライト監督の作品は正直これが初めてだけど、彼のフィルモグラフィー的にいっても古典文芸が多いそうでそっから考えてもなるほどな作風だった。

そうだなあ実は「崖の下のポニョ」もこういうお話になる可能性をはらんでたよみたいな。
そういうダークファンタジーでござった。

蛇足として冒頭にハンナが使用している拳銃がルガーP08。後半で普通の拳銃も出ているんだけどあのシーンだけは時代がよく分からなくなる。どこか御伽噺めいたファーストシーンにはぴったりな拳銃だった。
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「ハンナ」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
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by tonbori-dr | 2011-09-25 14:35 | Movie

危険な年金生活者『RED』

映画の日に『RED』を観てきた。

高年齢エクスペンタブルズといわれているが、スタローンよかブルースのほうが歳若いんだゼみたいな(苦笑)。でもちょうと『エクスペンダブルス』の上映前にトレーラー入ったもんで、あのCIAの男がフランクであると自分の中では決定している(笑)

物語の骨子は所謂、ハーレクインロマンスにあるような、巻き込まれ型アクションロマコメだけど、主人公がリタイアしたヴェテラン工作員ということで、そこにブルースを持ってきて目玉はそこにアンサンブルキャストを盛り込んだってこと。
とにかく爺さんが元気みたいなキャッチコピーだが、マルコヴィッチやブルースが爺さんってのはどうだろう?先にも書いたけどスタローンは還暦越えだがブルースにマルコヴィッチはまだ50代(といっても後半だけど)なんだよー。でも結構20年だが25年勤続していたら年金貰ってみたいなのはよくアメリカのドラマや映画で出てくる設定なんでブルース演じるフランクが年金生活者でもおかしくはない。(「リーサルウェポンのダニー・グローヴァー演じるマータフはあとちょっとで年金貰えるからそれになったらリタイアするなんていう設定だった。定年とは別のようだ)ただまあ普通の年金生活者ではなくその頭にはいろいろヤバいネタがつまってるというお約束の設定だけど。

でも先にも書いたようにこういうハーレクイン系ロマンスアクションなら「ナイト&デイ」とかそういう選択もあったが、あくまで原作のDCのグラフィックノベルがリタイアしたヴェテランに主眼をおいてるということで、ならではのストーリーになっている。そしてそれは嫌いじゃない。相手がリタイアした、しかも組織のバックアップも無しにと舐めてかかった刺客を返り討ち。そこでCIAは若く有能な係官を差し向けるというのも対比になってていい。

この手の作品はテンポとキャラクターが勝負なのでそういう意味では合格点。きっちり元取れるオモシロさ。こういう小気味よさってボーンシリーズには無いんだよなあ。まあアレはアレで好きだけど(^^;でもコレを観たら「ナイト&デイ」も見とけばよかったなとちょっとだけ思いました(苦笑)

マルコヴィッチの演技力は安定してて出演シーンでは必ず場をさらってたwwMI6のスナイパー、ヘレン・ミレンもいい味だしてて射撃シーンで瞬きしないでマシンガンを撃つっていうのは痺れる。そこがヴェテランという事を印象付ける。
そしてモーガン・フリーマンは導師の役割。スターウォーズでいうところのオビワンですな。声が無駄に渋いので彼が出てくると何かありそうだなという気になる(笑)
ほかにジェームズ・レマーやブライアン・コックス、リチャード・ドレイファスが出演でコレはもうヴェテラン大集結みたいな事になってる(笑)
特にジェームズ・レマーなんか若い頃には「48時間」のいかれた強盗犯ギャンツで印象を残した人で最近はTVドラマなんかに出てるらしいけどスクリーンで観たのひさびさだったから、おー懐かしいーと思った。ここらへんのキャストはトレーラーには(ドレイファスは一瞬だけ出たけど)あまりきちんと出てないのでサプライズで良かったですな。
そして御大、アーネスト・ボーグナイン。齢、90を越えたとは思えない元気なお姿にはいや恐れ入りました。若手ではフランクを追うCIA工作員にカール・アーバン。ボーン・スプレマシーでマット・デイモンを苦しめたロシアの刑事にして殺し屋の役だったが今回はマイホームパパな殺し屋ってどんだけーww。ヒロインは…、すみませんよく知りませんメアリ・ルイーズ・パーカー。でもそれがかえって自分には良かった、有名女優だとそっちに気を取られるし(^^;

アクションも徹底しているし銃撃戦もあるしアクション映画好きなら観ても損なしのオススメ1本。

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by tonbori-dr | 2011-02-06 19:02 | Movie

*スパイアクションのスタンダード『007-慰めの報酬-』

007という看板はとりもなおさずスパイアクションの金看板でありイアン・フレミングの記した小説を基にしながらもその後のシリーズはアクション映画のスタンダードとして半世紀ちかく数多くのジェームズ・ボンドを送り出してきた訳だけど、ここにきて新時代のスパイアクションとしての『ジェイソン・ボーン』という男が現れた事により大きくそちらへ舵を切ることになった。

まあそれは前回にも散々書いたことであるのだが、今回この『慰めの報酬』を観ると、まだ『カジノロワイヤル』は元のシリーズへのリスペクトがきっちりあったなという事も言える。だからこそのセンチメンタルな一面をもってしての結末や、少々冗長な描写もそこにつきるんだろうけど、今回の監督(前回のマーティン・キャンベルはイギリスでの仕事が長くかの『特捜班CI★5』の演出も手がけている。)マーク・フォースターはハル・ベリーがオスカーを獲った『チョコレート』や『主人公は僕だった』、この作品の前はアフガニスタンを舞台にした『君のためなら千回でも』の監督。どう考えても007のようなアクション映画の監督とつながらない。だが今回きまじめとも言える演出でまとめている。

先にも書いたが今回のアクションはボーンシリーズの延長線上にあり、もちろん旧作への目配せがあるとは言いながらも『ジェイソン・ボーン』シリーズがスパイアクションを変革したというのを今回ひしひしと感じたけれど、そこからスパイアクションの本家はオレだぜという007の決意表明でもあるなと見えた。

冒頭アバンタイトルのカーチェイスシークエンス、南米での身体を使ったチェイスシーンだけでは確かにボーンだが、きっちり飛行機vs飛行機のエアチェイスやお約束の大爆発。そういう部分をきっちり入れてまとめている。

そつなく、テンポ良く運ぶ様も合格点と思うのだが…、案外そうでもない意見を目にする。
まあ大手ではココとか。
007/慰めの報酬 : 新作映画評論 - 映画のことならeiga.com
おっしゃることはよく分かる。007の則には多分外れている部分も多い。だけど今回の作品は『カジノロワイヤル』という前振りを最大限に利用し、その上でタイトでスピード感のあるスパイアクション映画として生まれ変わった007シリーズとして考えれば面白い。

もちろん別の見方をすればこの1作だけで言えば、『ボーンシリーズ』の系譜を次ぐスピーディなスパイアクションでもあるのだが、やはり半世紀近くになる歴史を持つシリーズ。お約束なボンドというのは外せないのかもしれない。(全然無かったわけじゃないけど)そこで最後のバレルロールシークエンスが今後どういうストーリーを暗示するのか?という楽しみも出来たと思うのだが。

余談として
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by tonbori-dr | 2009-02-05 23:58 | Movie

*暑い国へ帰ったスパイ『ワールド・オブ・ライズ』

まだ公開中なのではあるがいささかネタバレに抵触しそうなのでこの先を読む方にはご了解頂きたい。といってもあらかさまにネタを書かないけれど。


で、映像派リドリーが前回は70年代のアメリカを舞台に黒人ギャングのドラッグディーラー一代記を描いたのだけれど、今回は今のアメリカにおける立場を切り取って見せた。
テロリズムとの最前線を現場で動くエージェント、フェリス(レオナルド・ディカプリオ)そして彼の上司でありコントローラー(統制官)のホフマン(ラッセル・クロウ)。いわば一心同体のコンビ『相棒』(バディ)であったが後方から現場の状況を無視したホフマンの無理難題にフェリスは嫌気がさしていた。そんな中イラクでの任務中に現地徴募のエージェントが死んでしまった傷がいえることなくヨルダンへ、欧州各地で起こっている自爆テロを指揮しているアルカイーダの指導者の一人を捕捉する任務を命じられる。ヨルダンで情報部(GID)の長官、ハニ・サラームと接触し協力を仰ぐことに。
アラブに詳しいフェリスはサラームといい関係を築き捜索を開始するが、統制官のホフマンはハニに重要な情報を渡さず、さらには一足飛びに重要証人を抑えようとする。そんな中、フェリスはある計画を発案しアルカイーダの指導者アル・サリームをおびき寄せる事になったが、作戦はフェリスがヨルダンで知り合った看護師アイシャを巻き込んで意外な展開を見せる。

お話は国際的テロリストを追う諜報部員という新味の無い題材ではあるが、今なお世界で進行している出来事でもある。2009年を迎えイスラエルがガザに侵攻した今、現在だけに重い話でもあるが、スパイモノとしては虚実ない交ぜの話は枚挙に暇が無いほど。だけど流石にリドリー。序盤のイラクでのフェリスの仕事ぶりと本国での指揮官ホフマンとの対比はスピーディで迫力がある。ちょっとストップがかかるのは舞台がヨルダンに移ってから、ただハニ(マーク・ストロング)の迫力がシーンを引き締めている。事実中盤からは出ずっぱりではないモノのその存在感は大きい。

だがこういうモノを観慣れた、いや読みなれた人ならそのカラクリは案外容易く見破ってしまうかもしれない。だがこれはスパイ小説の大御所、ジョン・ル・カレが『寒い国から帰ってきたスパイ』から描き続けたエスピオナージュの王道とも言える。
まさにこの映画はまさに世知辛い世の中にピッタリな物語。ある意味、寓話的すらさえある。

個人的には後半の失速がちょっと残念だったし、結末が少々綺麗なオチをつけたなあという感じだけど、クロウやレオの演技と迫力、そして脇のキャストも魅力的な1本ではあると思う。


だけど、ちょっと腑にも落ちない部分が多くて何故フェリスは、そこまでアラブに詳しく、また流儀を知っているのかとか、ホフマンとの関係など、一度原作を読んでみようかと思っている。

「ワールド・オブ・ライズ」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

余談ながらネタバレです。
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by tonbori-dr | 2009-01-13 22:58 | Movie

*『ボーン・アルティメイタム』雑感

やっと上映終了前になんとか劇場で観れた。
前2作も劇場で観たのでなんとしても観たかったが滑り込みセーフ(笑)
で今更ながらだが感想を書いてみようと思う。

まずは画面の印象。
あいかわらず揺れる画面。そして頻繁に変わる視点。
多くのアクション映画に影響を与えたグリーングラスの手腕はさらに磨きがかかっている。

これ見よがしなライティングは無いし、ほぼロケで構成されたシーンがリアリティを高める。

最近揺れる画面に食傷気味な方もおられようが、グリーングラスは画面に圧倒的な情報量を詰め込み観る人間を圧倒させる。

ホン自体はそれほど目新しいものはないが定石をきっちり踏まえた上で過度にセンチメンタルにならないように気をつけている。それがまた画作り、雰囲気にいい影響を与えている。

こっからはネタバレなんでまあ。

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by tonbori-dr | 2007-12-20 23:34 | Movie