宇宙戦艦ヤマトの明日はどっちだ?
華麗にというには加齢にという感じで復活を遂げた
宇宙戦艦ヤマト復活篇
一時は豪腕で鳴らした西崎義展プロデューサー(以下西崎P)が、
脚本から現場の指揮、そしてかつてのツテを使って作り上げた、
氏の出世作にして代表作、「宇宙戦艦ヤマト」の新作である。
正直観た直後は、分かっていた事だがとんでもねえもんを観たなと思った。
そのトンデモぶりにもぶっとんだが、演出的にも多々難があるし、話は単純なのになにかがおかしい(苦笑)
トンデモな映画でもトンデモなりによくよく考えたら愛すべき点もある場合もあるけれど、
今回の「ヤマト」復活篇は、そのなんというかあまりにも厚みの無い構成、
そして後のシーンへと続くちょっとおかしな演出とか、諸々の事を考えると、
凄く嫌な部分が透けて見えるんだよね。
もうこれは一発キメてもうノリノリでト書きと台詞を書いたとしか思えないし、(注1)
細かいことは後でというその考え方。半端にビジネスを意識しているのもどうかと思うし、
なにより同じような事を言っても(旧作と違って)圧倒的に薄っぺらく聞こえてくる。
そこがなにより悲しい。
いちおうの仁義として超ネタバレになるのは避けたいので、詳しいことは畳んでおく、
が、ざっと雑感として、今度のヤマトは乗組員とかヘンな人の集まりで、
山ちゃんとかがちゃんお芝居をやればやるほど、いやその台詞おかしいだろのオンパレ。
石原慎太郎の原案がどういうものかしらないけれど、それが反映されているのか?
それとも西崎Pの思いとか考え方がホンに反映されているのであれば
ハルキさん同様映画から離れて欲しいです。いやマジで。(注2)
あなたの仕事はお金を集めて、制作体制を整えまともな脚本家を雇って、
きちんとした演出家で現場をまとめ、設定を考証し、しかるべき物語を描いて、
この世界に真の決着をつけることだと思うよ!(苦笑)
で、その後でオーディンでもブルーノアでもの続編を作ればイイと思うよ!(注3)
でもおいらはもう観ないけど(爆)ということをシネコンから出て考えた(笑)
お話もこれまでのヤマトのストーリーラインをなぞった(というか毎回同じような話をしている)
ヤマトフォーマットって大体以下の流れで構成されてて、
1.地球に未曾有の危機が訪れる。
2.主人公たちが召集されて、決戦のため秘匿されたヤマトへ集められる。
3.で目的地に向かう道中である試練を乗り越え、
4.最終目的地で敵の真のボスと対峙する。
5.で敵を倒すが、実はその後にまた危機が襲う。で犠牲を出しつつもそれを乗り越えエンド。
このバリエーションで展開され、今回もこのラインから大きく外れていない。
でもあなたがもしヤマトをリアルタイムで見ていたならば、もしかするとこのヤマトの残滓を観たほうがいいかもしれない。
そして時代と決別する足がかりにしても良いだろうし、このまま毒を喰らわば皿までとするか、選択するのも一興。
なんとなくあの70年代からとうとう21世紀を迎えた現代に甦った(黄泉がえった?)
この物語?の行く末は沖縄へ向かいながら途中で矢折れ力尽きた、
ほんとうの大和が最後がそれを示唆しているようにしか思えない。
せめて安らかに大和には眠りについてもらいたいものだ。
注1:西崎Pの来歴をぐぐってください。
注2:ハルキちゃんこと角川春樹氏は監督作「笑う警官」が100万人突破できなければ映画をやめると宣言。
ちなみに『男たちのYAMATO』という映画を映画界復帰とし、ヒットさせたのでヤマトと因縁あり。
注3:「ブルーノア」「オーディン」は西崎Pが「ヤマト」とは別に製作したアニメ。
ブルーノアは宇宙空母でTVシリーズ。「オーディン」は光子帆船スターライト号が活躍するというもので細かい話は忘れた。確か映画だったはず。
まあそれだけだとなんなので、ここからは超ネタバレしつつ(笑)
実は序盤は羽佐間さんの渋いナレから入るので、そこだけはなんとなく盛り上がる(笑)で黒地に白文字ヌキでタイトルバック。
そしてマクロスFよろしく船団がCGで描かれる。
ここで登場する小林誠デザインの宇宙艦とメカは、嫌いじゃない。氏の著したムック「ハイパーウェポン」に所載のナイトファイターの意匠にコスモタイガーを合わせた、コスモパルサーや、ネーミングは正直どうよ?って感じだがのブルーノアは超ド級宇宙戦艦っぽくて好きだ。
ヤマト艦首に内臓された特務艦信濃とかも秘密兵器然としていてかっこいい。
でも信濃の使われ方は最低だったが。これはある兵器を思い出すが、それを念頭においているんだろうけどいくらなんでもあんまりすぎるシーンでそこでもガックリときた。
ではmori2さんの指摘している点をからちょっとお借りして色々書いておく。
観る気無い人、ネタバレOKな人はどうぞ。あとコレを観てから本編を観ると、そうでもないじゃんといういう人が…いるかな?まあいるかもしれないな(笑)
①何で、ヤマトがあの形(=元の形)で復活したのか?何ら説明がない!
②何故に雪は行方不明になる直前、ブリッジで半裸になっちゃったのか?意味不明!
③真田さんだけが、恐ろしく老けてしまった…(泣)&徳川太助、若過ぎ!
④移民受け入れ先の星から『君等がいると、迷惑…出て行ってくれ!』みたいなこと言われてましたが、ひょっとして地球人類は、先住民族の許可も得ず、勝手にやって来たのだろうか(だとしたら、スッゲ~大迷惑!)?
⑤エトス星の軍人さん!『人間、最期の死に方は…』みたいなこと言ってましたね。あなた人間?
⑥オイオイ古代!救命艇には娘(美雪)以外にも、いっぱい人が乗ってたぞ!放置プレイか(^^;?
⑦土壇場になって『あのブラックホールは、人が作った物…』って、そんなんもっと早くに気付くやろうに!地球の総力を挙げた科学力って、そんなもんかい??
シネマ親父の“日々是妄言” : 「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」まだだ、まだ終わらんよ!
以上はmori2さんのエントリでの指摘なんだけど、ちょっと解説含め書いてみるよ(笑)
① はね、劇中でわざわざ完結篇のシーンを挿入してるのよ(しかも当時の)で初見で観てる人も?ってなるよね(笑)なんせどう見ても真っ二つ。でアクエリアスにどんぶらこと沈んだわけで。まあそれは真田さんのこんなこともあろうかとの超技術でつないだとしてもねえ。無理がありすぎる。
②はサービス、サービスですがな(笑)センスが古いけど(爆)でもサービスというにはサービスでもなかったり(爆)
③ はキャラデが湖川さんになったのもあるからなあ。、デスラー伊武さんがあてたゴルイ提督なんてもろ湖川キャラ。イデオンの登場人物ですといっても通る(笑)でも別にキャラデ変更って、ある意味なんてない話なんだけど、それさえもつっこまれるのはすでにデススパイラルに陥ってるからか。ガンダムだって安彦さんのキャラから今は北爪さんやらその後宇宙世紀を外れたらもうやりたい放題になってるし、コスチュームとか記号でなんとかなるものなのに。
④ これ、上でも書いてる嫌な感じの一部分で、その星の住民(なんとなくではなく完全に中東アラブ系、ほかにエジプトの意匠が濃い)との交渉の経緯がはぶられているので、星についてから事情を聞くシーンが?だし、mori2さんのようにどうなってんのよ?という疑問も生まれる。その辺りかなりやっつけ感が漂ってしまっている。
⑤は確かに古武士の風格でありがちな演出だし、その星の人なら自分のことを人間ってまあ言うわなという事もあるが、ただ映画の尺に納めるにはそれなりの手順とかあるのにそれ無しじゃあ。かろうじて補完できるけど台詞が一部ちょっと疑問に思って素直に入り込めない。ドメル将軍のような渋いキャラになるはずが…。
⑥はかなり最悪なシーンでその前のシーンからの振りもあいまって屈指の迷シーン。はっきりいって印象を悪くするために挟んだとしか思えない。あのキャビンには少なくとも10名以上の佐渡先生の動物園のスタッフが乗っていたはず。娘だけが助かっているというなら、そのご都合主義をそれらしく見えるような演出が欲しかった。
⑦は白色彗星に巨大帝国とか太陽が爆発とかいいつつも都合のいい超科学で治まったりとかからすればこれは許せる範囲(笑)でもつもりつもって許せないmori2さんの心情はよく理解できる。
自分が気になったのは、ネーミングセンスがますますおかしくなってて敵国の名前がSUSだとか普通にアルファベットな敵星人ってなえるんですけど(苦笑)いちおうネーミングなどは昔は気を使っていたけどもうそういう細かい事もよくなったのか!って思うような名前の付け方はなんとかならんかったものなのか。映画評論家の前田有一さんがいってたSUSは某大国だよみたいな事がどうなのって。いくらなんでもガミラスとかイスカンダルとかでなくとも、わざわざ星間連合にウルップなんて思わせぶりなネーミングをつけておいてのSUSは萎える。
あとしつこいけど、頑張ってるかもしらんけど戦闘シーンやメカのCGも、『マクロスF』とか観たあとではあのCGシーンちょっとどうよ?ってなること必至だと思う。もちろん「エヴァ」とくらべちゃいけませんよ(笑)、色々考えてまあ実作業時間諸々で言えば、せめて「マクロスF」なみにはして欲しいというか、いや力は入っていたとは思うけど演出が既に目新しくなくて訴求力にかける。この戦闘CG自体は悪くは無いのでいや残念。それとこんなこともあろうかの真田さんは健在なのは嬉しいけれど、前段がもうそんなことなのでええ、ここでそうなのと若干気落ちしてしまったのも残念、折角の褒めポイントも残念に変換してしまう、恐るべし西崎パワー(爆)
なんというか最後の最後でざわつかせるし(後ろの席のニイちゃんはあらかさまに「なんで?」って言ってた)関わった人の多さに反比例して残念な結果になってしまっているのが本当に残念。(ラストに宮川先生や富山さんなど作品に関わったスタッフ、キャストで既に鬼籍に入った方々への謝辞が出る)
それとともに噂の実写三丁目のヤマト(爆笑)には第一作のストーリーラインをなぞるにしても脚本などに西崎Pのチェックが入っていないことを祈るのみ。別段、普通にやっていれば王道のストーリーラインではあるので。
まあ山崎監督なのであらゆる点で不安ではありますが(苦笑)まあシンちゃんでもさらに不安だし、
そうねー、J・J・エイブラムスあたりがやるってんなら安心しただろうけど(ヲイ!)
追記:
とまあぐだぐだ書いたけど、実は全部をたったヒトコトで回収できるフリがこの作品には入っている。
それを是とするか否とするかでもしかすると見方がかわるかも(笑)
Twitter / 氷川竜介: 雪をハダカにむいて資源として異次元誘拐する人たちだか ...:
アニメ評論家の氷川竜介さんのトゥイッター(ツイッター)でのつぶやき。
本編を観た方なら分る、キーワード「異次元」、ここに答えがあります。
by tonbori-dr | 2010-01-16 01:09 | Movie

