『ハウルの動く城』をやっと観たよ

HDRの肥やしになりかけていた『ハウルの動く城』をやっと観た。
そう夏に『ゲド』の援護艦砲射撃として実施されたアレである。
援護射撃は絶大な威力を発揮し・・・たのかどうかは解らないがとりあえず今年の邦画ではいい成績を残したのではないだろうか。
ちなみにエイガドットコムの公開時の見立てでは興行収入100億あたりと推定。(参照)
まだ2007年度の数字が社団法人日本映画製作者連盟から発表されていないのであるが邦画の中では一番儲かった映画だと思う。
(参照リンク|社団法人日本映画製作者連盟)
というかゲドよりもハウルの話をしよう(笑)
それではスルー映画祭り番外編『ハウルの動く城』。いったい何が動いたのか?



というかこの映画元は細田守が監督することになっていたことはその界隈に詳しい人ならよく知られているようだ。
だからといって細田氏が監督したらどうなっていたであろうというのはせんないことだがこの映画は宮さんちょっとお手軽?とかそういう気配も感じさせる作劇だった。

相変わらずの動くモノへの描写はジブリクオリティ。冒頭の動く城が現れ牧草地を進むあたりのレイアウトなどはまごうことなき宮崎印。

そして街のパレードなどに続くのだが、なんか手馴れている。そんな感じがひしひしと出ている。
これは個人的な主観であるのだがジブリレイアウトに慣れてしまってそこに凄さや感動が見出せないのかそれともジブリクオリティだけで心がこもっていないのか・・・。

そして主人公ソフィー。倍賞さんのお姉さんがボイスキャストを務めている。これに関しては特に問題なし。そして主人公ハウル。キムタク、これも意外なことに問題なし。というかもはやジブリ作品に関してはこれでハウルが子安とか石田彰とかだと多分違和感バリバリだと思う。もちろん彼らが脇に出るのはまったく問題なしで実のところおいらはジブリキャスティングを問題にはするがここんところはもういいかという気になっている。というかこの作品を観てそう思った。

ジブリ作品ってのはある種ステイタスとなりいわばディズニーと同列になった。というよりそういう空気を纏うのに腐心してきた。そしてオスカー受賞。つまりそれが完成されたわけでそういう空気の中ではかえって腕のある専門職である声優をボイスキャストを使うのは多分浮いてしまうと思う。

そしてこれもラピュタ以来西洋式軍隊が登場し意外なことに戦争という部分をナウシカ以来(映画のナウシカでは戦争というより辺境への侵攻、マンガでは戦争が描かれているが)を本筋ではないが描写しており平穏な生活を侵すものの象徴として描かれている。このあたりブラックハヤオがややダウナー気味に走っているがそれは宮さんの気分なのか?

そして呪いをかけられたソフィーは90歳の老婆になっているが18歳の時の描写も90歳も変わらない。そして物語の中盤オリジナル要素が動き出すと共にそれは加速していく。

吾郎さんは『ゲド』の物語を再構築する時に『シュナの旅』をベースにしたと語っておりなんでもロールにも出ていると聞くが実はハウルを観た時も連想したのは『シュナの旅』だった。
特にハウルの大事にしている世界とかを観た時にそれは強くなった。
っていうか宮さんが『シュナの旅』を映像化してケリつけたほうがいいんじゃないだろうか。
異世界、禁忌、侵していく者共、世界の理、少年、少女、掟。全部あるし結局何をやってもそこからのインスパイアになってしまう恐れがある。

ジブリらしい作品である反面ジブリの縛りみたいなものが垣間見えた興味深い作品だった。

ちなみに興行収入は196億円(上記社団法人日本映画製作者連盟のサイト2005年度成績に掲載)でその年の1位であった。
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by tonbori-dr | 2006-12-19 23:28 | スルー映画祭り