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亡国の破壊神サイドB-Vol.2-

大盤振る舞い第2弾。森と海サンのサイドBも続きが届きました。
進行中の物語を違った角度で見るサイドBですが結構こーゆうのり好きっすよお(^^)n

では毎度の前口上。
あくまでもコレは森と海さんと私tonboriの妄想でございますのでなにとぞご了承下さい。
またその元ネタになっている部分は皆様ご存知の作品ですがその大元の権利はあくまでも原作者の方々のものです。
これはあくまでも非公認のお遊びとしてご笑覧いただければ幸いと存じます。

ではごゆるりとどうぞ。



データの解析作業でモニターに噛り付いていたユーレクは、一応の上司にあたるシュミッドに呼ばれ顔を上げた。その髪に白いものが混じり始めた細面の軍人はこちらを向いて当惑の表情でこちらを見ていた。階級で呼ばれなければ、彼は学者以外の何者でもない風貌だ。ただの電子技師でしかないシュミッドにはその学問はよく理解は出来なかったが、事実シュミッドはマイクロ波工学の分野でピーター・グレイザー博士に師事し、博士号をも持っていた。ここに移って来て3年、軍事施設での研究の毎日は単調だが苦にはならなかったのも、シュミッドの軍人らしからぬ穏やかな性格のお陰であった。シュミッドは歳の離れたユーレクを部下というよりは仲間として扱ってくれた。
「緊急の訓練だそうだ。私はアーリントン、君はエドワーズ行きだと言ってきている。ヘリを2機越すそうだから、速やかに作戦地に出頭せよとのことだ。えらく慌てた訓練だな?」
「私がエドワーズにですか?!XU-03を飛ばすんですか?一介の技官に過ぎないこの私が?」
「どうもそのようだ。わしは本部からのモニタリングということだろう、長旅になるな。さっ、準備しなさい、もうじき迎えがくるころだ。」
ほどなくして、アリゾナの砂漠の外れにヘリが2機飛来し、別々の方角に飛び去っていった。

はやる気持ちを押し殺して部屋を後にしたフートは、軌道上の衛星を追跡している通称“デブリトラック”を確認しようと専用サーバにアクセスできる端末のブースに入りかけて、その足を止めた。アクセスにはIDを打ち込む必要がある。ログを残すことは少々危険であった。「まだここにいる必要があるからな。」独り言をつぶやくと、きびすを返して、駐車上に向かった。フートには知る由もなかったが、すでに“デブリトラック”はシステムダウンしていた。例えアクセスログを残す犠牲を払っても、フートは肝心の情報にはあり付けなかったのだ。NASA経由のそのシステムは、意図的に上流でダウンさせられていたのだから。

ファームの職員であることとは、すなわち「自らも監視対象になる」ということをフートはよく理解していた。相互評価としての他者の目もあるし、安全保証局もファーム職員の変化を見逃すことはない。情報を集める職に従事すると言うことは、同時に情報を放つことも出来るということで、国家としては常に危険が付きまとう。故に監視の目は必要不可欠であった。極東担当のアナリストであるフートさえも等しく危険な存在であるのだ。フートが生え抜きの職員であれば、そんなことを意識することもなかったであろう。ファームにスカウトされる前、正確にいうと民間企業に就職していた時に誘われたのだが、それ以前、彼は軍で諜報活動に従事していた。今と違って、現地で直接情報を集め、時には偽情報を流すなどの工作活動にも手を染めていた。異国の集団のなかで誰に頼るでもなく生き抜いてきた経験が、彼に用心深く周りを見渡す習性を身に着けさせた。
「どうもこう、目(アーリントン)と鼻(ラングレー)の先では動きにくい。あいつのところに行ってみるか。この時間なら、自宅にいるはずだ。」
そう呟いたフートは、ハンドルを左に切ると、ハイウエイの合流に車を向けた。
“あいつ”とは、民間人でありながら趣味でデブリを観察し続けているキースのことである。フートは、1年前からキースの趣味・嗜好・行動範囲等を調べあげた上、彼が週に2・3回通うバーの隅に陣取って静かに飲みつづけ、数ヶ月前にキースの方から声をかけさせることに成功し、ようやく“友人”となった。フートには、こういった“友人”が何人かいた。皆、フートの目的にかなう“友人”達だった。

フートの突然の来訪に、キースはいささか驚いたようだったが初めて家に入れるわけでもなく、快く中に招き入れた。“デブリ”の観測には文字通り天文学的な維持費用が必要である。郊外の一軒家ではあるが、一介の市民であるこの男の裏庭に巨大な望遠鏡などない。キースに自前の観測機器があるはずはなかった。ではどうやって?世界各地の多数の天文台、そのデータをNASAが便宜上統括して、関係各所に配布していた。つまりキースは空のゴミに興味を持つ優秀なハッカーであったのだ。もちろん、NASAのほうも探知済みで、害はないと判断して放置、それをフートは改めて拾い上げたのだ。
「やあ、久しぶり。仕事でコッチの方に来たんで寄ってみたんだ。」フートは表向き家庭用品のセールスをしていることになっていた。
「ほんと久しぶり。・・・ちょうどよかった。今朝から変なことになっているんだ。ちょっとモニターを見てくれないか?」フートがキースにバーで声を掛けられたとき話したことが「使用済み人工衛星はどうなるのか?」であった。同好の士を得たりとキースに思わせた瞬間だった。
「今朝から何も写らねーんだ。少なくともこちらの回線は生きてるし、ハックのバレた形跡のない。上で止めたとしか思えないんだ。NASAで何かあったとか聞いてないかい?」画面は真っ黒なままであった。フートにしてみれば期待したデータは現時点で存在せず大誤算だったが、適当に「分からない。」と相槌を打ちつつ、この男が常にデブリの位置データをバックアップしていたことを思い出した。「どの時点で、ストップしたのかが問題じゃないのか?」と、つぶやくように言うと、キースはさっさとバックアップデータを展開させ始めた。“友人”はこうでなくてはならない。最終バックアップをグラフィックで表示させて、キースはつぶやく。
「なにも、特別おかしいものはないんだ。時間を遡ってみるか。」
“友人”はこうでなくてはならない。一時間ごとのデータを降順にスライドショーで表示させ始めた。フートは、X2359とマークしたそのデブリの動きに注視した。さすがのキースもX2359の動きに気づいたようだ。
「このデブリ(X2359)は死んでない。動いている!」フートにとって、X2359がアリゾナから太平洋に向かって移動していることを確認できただけで、“友人”を訪ねた目的は達成できた。『アレは日本に向かっている』そう確信するに足る記録を見た以上、ここでぐずぐずしてはいられない。フートは、(セールス上の)次の訪問時間が迫っていると、断りを入れてさっさと“友人”の家をあとにした。
(以上森と海さん執筆)
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かなり渋いトコついてきてます。ちょっとネタ的にこれをハリウッドがやると何故かアルマゲドンがメテオになるんかなあ・・・・いや007?とまあそんな感じの一大サスペンスアクション巨編、チャンネルは決まったぜ!というのはルパン三世ですがなかなかいい感じです。

こーゆうスパイサスペンス的な展開は好きでだからちょっと派手派手なやと思いつつもマット・デイモンのジェイソン・ボーンシリーズとか観ちゃうだよなあ。あと『リクルート』とか。
そういえばアメリカでは冒険小説が少ないですよねというのはまあヒマネタですが。

CIAネタとかNSAネタも本編にはまぶしていますがもう状況が動くとそっちはツマなんでもう森と海サンにその辺りはお任せしたいなと(笑)
ただし状況が始まる前のジャクソンとファレルが指揮を執っていたスキニーアンクル回収作戦ネタはやりたいなとか思ったり。まああくまで希望的観測なので皆さん期待しないように(爆)
では毎度の締めで。
それでは皆さんいざ、行かん。広大なる妄想の海へ!
2006-06-06 22:43
こちらもしばらく2番手固定

by tonbori-dr | 2006-06-13 23:50 | 妄想特撮シリーズ