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小野田少尉のドラマを観た

実録と銘打って、小野田さん自身のの監修の元にドラマ化。

大日本帝国陸軍といえば玉砕とかそういう単語がついてまわるし海軍と仲が悪く引き金を引いたのは陸軍だという感じで大体悪者扱いだがその中でも小野田少尉の訓練機関であった通称陸軍中野学校は特殊だったんだなと改めて。

スパイや諜報、サボタージュ工作を教えるところなんだから当たり前なんだけどそれだけに秘密のベールに包まれておりその実体は広く知られていない・・・・・というわけでもない。

結構ある程度の歳の人なら市川雷蔵の「陸軍中野学校」シリーズなどで知っているかもしれない。
もっとも日本のスパイものとしてのネタ程度に捉えている人も多いだろうけど(実はおいらもそうだったし結局そういうシステムがあってもうまく活かせていたかどうかといえば敗戦という結果が全てを物語っている)

でドラマでの小野田少尉は極めて普通の軍人として描かれている。
軍人として与えられた任務を全うするべく潜伏し抗戦していた。
結局上位の命令機関が速やかに戦線を収拾していればこういうことにならなかったんだろうなと思う。



とはいえ全てを上層部の責任にするのは酷かも知れないが責任を戦勝国に一方的に賭されることを選ぶ前にその事態の完全な収拾を図るのも上級司令部の責任では?
与えられた任務を遂行するそれが政府の暴力装置としての軍隊でありそれ以上でもないし以下でもない。だからこそその暴力装置を使う運用者はその責任を負う覚悟がいるわけだが一般的に見ても殆どの国が持っている軍隊はただの暴力装置でしかないところが多いような気がする。

小野田少尉のしてる事は平時を生きる人々から見れば奇矯にしか見えないのは彼がずっと戦時を生きていたからで過ごした30年間を尋ねる記者達の質問が微妙にズレていたのはそういうことである。

で結局それを平和な今に観た我々はそこから戦争はいけんのだとか皆仲良くするのらと言うだけでなく平時と戦時は実はそれほどの隔たりがないということを考えることが必要なのかもしれない。

by tonbori-dr | 2005-08-13 23:39 | TVdrama