ということで前編観たんだから後編も観なくちゃってことで観てきたわけです。
『進撃の巨人 ATTACK OF TITAN エンド オブ ザ ワールド』って長いんで以下『進撃EOTW』とさせて頂きます。
ということでまずはこちらを。
実のところ、この語りには一分あるけど『人類資金』よりつまらなかったっていうのは看過できないですな。
あっちのほうが、ヴィンセント・ギャロに仲代さんまで使ってアレですか、そうですかっていうね。日本映画のエスピオナージュは『外事警察』でちょっと見直したんだがそれはぶち壊しですかそうですかとなったけど、『進撃EOTW』ではそこまで思わなかったんですがね。
いやまあ確かに役者は絶叫、説明セリフのオンパレだしね。
じゃあクソじゃんってなるんだけれど、それでもOKってなるのは『点ではなく線で観たから』です。とは言え全員がそれで観れるわけもなく前編は前編で締めた。後編は後編話を作るものっていうのがセオリーですよね。『寄生獣』もそうしてましたし、『GANTZ』もそうでした。ですが正直言って『進撃EOTW』にはありません。いきなりトップギアから入ってます。でこの世界の謎解きをしていくわけです。あまりにも絶望的な戦い。『でもやるんだよ』というそれだけで進むデスマーチ。だから前後編観てのものなんですね。
やはりと言うか後でWOWOWぷらすとでの町山さんの発言やパンフのその他で言及されてましたけど元々1本の作品として考えられていたものが急遽、撮影入り前に分かれたという事。ここらへんはクライマックスの予算捻出のためもあったのかもしれませんが(推測にすぎませんが)、結果的に間延びした印象とキャラクターそれぞれが刻まれる事になってしまった不幸な事態になってしまったと思います。
こっから若干ネタバレになっていきますのでよしなに。
あと脚本問題もいろいろいわれてますけど、粗はあるもののだいたい配置されたものはちゃんと観れば分かるようになってる親切設計、前編のピアノシーンは『地下水道』ってのは分かりませんでしたけどね(アンジェイ・ワイダ作品は実は観ていないのです。でも戦争映画で一息つくシーンでボロボロのピアノ弾いたりとかそういうのは結構ありますよね。『フューリー』でもあったような)ただ、巨人が音に反応するとかなんとかがネックになってて例えば描写の問題でクリアできる所が情景の格好だけで演出されてる部分があったのは色々残念でした。あの地下公園シーンとかでもあそこが壕みたいなもんなんです描写があって地下でピアノ弾いてるから外には音が漏れないよ!で全然違いますよね。
樋口監督はビジュアル超凄いし画を作る事に関しては天才と思うんですけど演出は残念ながらって気がします。それはお芝居にちょっと引っ張られ過ぎで、映画は板の上でやるもんじゃねえぞという。三谷さんはやってますけどね。TVのフレームだとそれは時として映えるし突き刺さってくるけど映画はフレームデカいから情報がそれで遮断されちゃうんですよね。折角の情報量がそれでさえぎられてしまうのが勿体ない。あ、『人類資金』はそういうディテールがスカスカだったことも付け加えておきます。いや今更あの映画を論じるのはどうかと思うんですけどね、自分にとっては過ぎた話なんでもう終わりにしておきたいのだが先に紹介した春日太一さんがツイートで引き合いにだされたので思わず。
で、エレンとシキシマの関係性とかクバルとか確かにしゃべらせすぎなんだけども、これはあれですかね、お金を出す人が高齢者が多いのできちんと分かるように説明させている(つまりプレゼンしているという)事なんでしょうか。この辺り日本映画特有の問題としてちょっと挙げておきたいですね。
ただジャンに言わせたセリフ「やるしかねぇんだ」っていう部分にかなり町山さんの意気は感じたし、樋口監督もこんな危険な物件に軍艦島で撮影したいという一点のみで手をつけたというのは蛮勇かもしれないけど意気がある思いました。
いやそれは『映画』の出来にはかんけーねえし、つまんないのは『罪』だろが!っていう人の事も分かるけども、クソ映画だからけなしてハイお終いでは多分今後も邦画界は変わらないし観たいものは観れないと思います。
確かにね、観る人がそこまで製作の事情を汲む必要ないってのはその通り。出てきたもんが全てなんですから。なら『ジュラシックワールド』は世界的大ヒットで皆さんべた褒めだけど、ハイヒールで生き残るヒロインとかマジあり得ねえだろ頭が悪いんかという話が出ないのはなんでなんでしょうね。みんなが凄いから凄いって言ってるだけならやめとけやボケって思いますね。だいたいガキもすぐに戻れやあほか。お前のせいで秘書の姉ちゃん喰われたぞ責任とれこのクソガキって思いましたね。ええ。いやこれは今まで抑えてたんですけどね、琴線に触れないとかいってね。でもまあ言っておきますわついでだから。
だからご自分でクソだと思うのならクソっていいと思います『進撃の巨人』実写版。観てからね。観る前からしょうもないなら観る必要もないのもそれがお好き成されればいい。でも少なくともその判断に責任を持てよって事です。全面的に春日さんのツイートを支持して観るなら以降春日さんのおススメだけを観るとか。まあそれは難しいでしょうね。その時の「空気」に流されるのが人ですから。登場人物の一人はそんな大衆は結果役に立たないからぶち殺せと煽るわけですが、原作でもそういう人たち出てきますよね。で、エレンやアルミンがあがくことによって少しづつ変わろうとする。それは実写版にもあったと思います。少なくとも漫画とは違う結末でも原作もアウトラインはここに落ち着くでしょうね。そんな気がします。それは既に示唆されているわけですから。
うーん、ちょっとネガティブな感じになってしまったけど個人的には町山さん言ってたように前後で観るものだなと思いました。分けたのが最大のネックになっているなと。あと原作者マターでミカサのあるシーンが無くなってしまったそうですけど、そこは監督無理してでも入れるべきでしたね。『リベリオン』のプレストンのように囲まれた中でガンカタよろしくあの剣を一閃させてというシーンがあっただけでもOKとするボンクラどもは多いですよ!という事でまとめとしたいと思います。