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魔王浮上

これは拙ブログで上げたエントリ「それは深き淵より来た」の続きです。
まずは先に「深海に響く魔女の歌声」を読んでからご覧になっていただければ。
で毎度お馴染み前口上をば、
注意
あくまでもコレは森と海さんと私tonboriの妄想でございますのでそのあたりご了承下さい。
またその元ネタになっている部分は皆様ご存知の作品ですがその大元の権利はあくまでも原作者の方々のものです。
これは非公認のお遊びとしてご笑覧いただければ幸いです。
それではごるゆりとご覧下さい。


前回のあらすじ
日本近海の不穏な動き、出動する海上自衛隊護衛艦群、潜水艦。
その事態に介入する米国。
そして事態は急変小笠原諸島某島の通信が途絶したのだ。
無残に蹂躙された基地。
果たして何が起こったのか?



一方、小笠原にて採取された細胞サンプルは、国立生物研究所に送られ、一の谷博士によって、白浜漂着の巨大生物死骸(甲)と小笠原上陸生物(乙)の遺伝子レベルでの比較が行われた。甲と乙は遺伝子レベルにて9割が適合、同種の生物であるが乙には変異が見られるという調査レポートは、大湊内事本部長に送られた。レポートにはマル秘事項として、「胃の内容物からして甲は肉食である。」と付け加えられ、こうも標された。「おそらく、乙も肉食である」と。(f)

ラングレー(CIA)よりの使者オニールは2人の男を伴っていた。一人はNSAのジャクソン、もう一人はDIA(国防省情報部)のファレルと言った。この逼迫した情勢の中オニールの切り出した要求は2つ。オニールは先の大戦の負の遺産。それを知る折笠の引渡しと現在海上警備行動中の護衛艦隊と共に共同作戦の取っている第七艦隊所属の潜水艦「シーウルフ」「トリガー」の行動を黙認して欲しいと切り出す。謎の巨大生物は米軍が処理すると言うのだ。
瀬戸は自分の一存ではすぐに返答は出来ないと答えるとファレルが「我々は既に状況を開始した。君達に手出しが出来ることは無い。」と言い放つ。(t)

A.Rと署名されたメールの指示する場所に向かう折笠に、接触してくる男がいた。その男”福井”は折笠にこう告げる。「我々は、先の大戦で大いなる意思半ばで倒れた将校の名のもとに集まった結社だ。君の存在は、日米にとって喉にささった骨のような物。皆が君を探しているぞ。我々には、政界、財界、陸海空自衛隊の中枢に友人がいるのだが、長崎の菱川島重工の友人から連絡が入った。我々の船がドッグ入りしたようだ。しばらく姿を隠そうとは思わないか?」
折笠は湧き上がる疑問とともに、わが身に刻まれた運命を確認すべく、福井の申し出を快諾し長崎へと同行した。(f)

折笠が長崎に向かった同じ頃。大湊内事本部長はDAISの局長、楢崎とDAIS外事本部長、鍋坂と共に首相官邸へ呼び出される。現在も第一級警戒態勢がとられている状況下、首相が対策本部を抜け出しDAIS幹部を招集するのは緊急かつ機密性の高い事態が持ち上がったからに他ならない。官邸には瀬戸内調室長、大塚警察庁長官がいた。実は先日日本近海に接近した機影の件に関して、自衛隊の一部に最近不穏な動きをしている者達がおり政府の中にも浸透。そしてそれら束ねる者の動きがここ数日激しくなったと同時に例の機影の接近。
そして巨大生物。これらを結ぶ線に関する情報の一切を開示するようにDAISに求めたのだ。(t)

折笠は、長崎に向う機上で福井よりA.Rの真の目的を聞くことになる。
A.R の目的、それは堕落した日本の政治・経済その他全てを白紙に戻すこと。その為にマリアナ海溝の底まで潜って"在る物"を探索していたが、その過程でコードネーム"THE MON"と遭遇。調査及び監視を続けて日本近海まで追ってきた。彼らの結論は、"在る物"を東京に落とす変わりに"THE MON"を東京に上陸させる作戦を計画していた。
慄然とする折笠を尻目に、福井は口元を歪ませてほくそえんだ。
折笠に伝えた話は全てではなかったのだ。彼らの船には、全方位監視防御システムが組み込まれていた。キーテクノロジーにはオカルトとも呼べる古い技術が元になっていたが、解析は進んでいなかった。システムの完全稼動には、パウラの血を引く折笠が必要だったのだ。(f)

福井と折笠の向かった目的地長崎県にある寂れたドックヤード。菱川島重工が所有しているそのドックはとっくに打ち捨てられた廃ドックのはずだった。三方を切り立った山肌に囲まれたそのドックは高度経済成長時には数々の艦船を送り出してきたのだが今は誰も見向きもしない。しかし密かに改修されたそのドックの地下にさらなる施設が建設されていた。そこに数日前に在日米軍、自衛隊を翻弄した艦船が帰還しつつあった。艦名は「イ1000」しかし艦長の神宮寺は密かにこの艦を「轟天」と名付けていた。神宮寺の父は旧帝国海軍の優れた技術士官でありA.Rの遺志を受け継ぐ者達からの要請で大戦後密かにこの艦の建造に着手。10年前に他界したがその頃海自のホープであり護衛艦の艦長をしていた息子の彼にA.Rが接触。日本をあらゆる脅威から守りこの国をあるべき姿に戻すという彼らの理想に共感し海自を辞し協力していた。
その艦の中枢システムである全方位監視防御システム彼は「千里眼」と密かに呼んでいたがそのシステムのキーとなる重要人物の到着を受け試験航海の途中ではあったが急遽テストを繰り上げ秘密の母港に戻ってきたのだった。(t)

日本上空衛星軌道上に移動してきた静止衛星があった。米国は、パクスアメリカーナの威厳にかけて巨大生物の探索に乗り出してきたのだ。その監視衛星の目は、太平洋上の小さな変化も見逃さなかった。直ちに潜水艦「シーウルフ」「トリガー」に当該座標への移動および目標破壊を命じた。
国防総省内部では、奥の手”衛星軌道上からのレーザー照射”を推進する声もあったが、目標が海中に潜んでいて効果が上がらないこと・時期尚早であることを理由に却下された。たかが動物の一匹ぐらいという過信があったのも事実だが、それが米海軍戦後最大の惨事となるとは誰も気付かなかった。(f)

「シーウルフ」艦長ドイル大佐は潜水艦一筋の海軍士官。旧ソビエト海軍との非公式戦闘を経験したこともある経歴を買われて今回の作戦の指揮をとる事になった。「信じられるか?この俺がこともあろうに怪物退治とはな。」副官のラソー少佐に語るその目は笑っていなかった。実際に怪物の詳細は殆ど不明。日本が解析したデータ-は送られてはいたがその怪物に対し何故我々がという疑問もあった。がドイルは軍人であり命令は絶対である。僚艦ロス級原潜「トリガー」に打電。パッシヴソナーで当該海域を探査、目標の補足に全力をあげこれを攻撃、撃滅せよと。その頃A.Rによって「THEMON」と名付けられた其れはその異常に発達した感覚野に動く物体を認めた。あきらかに自分の生存を脅かす上にその物体からは自分をひきつける何かが感じられる。海底にうずくまっていた其れはゆっくりとその物体に向かって動き出した。(t)

艦の前方からの得体の知れない圧力を見過ごすほど、「シーウルフ」ドイル艦長は無能ではなかった。「THEMON」の動き出しにわずかに遅れて、ソナーマンに指示を出す。「小さな変調も聞き逃すな。」「ソナー感」「音紋照合。不明の場合サンプル採取せよ。」それと同時に僚艦「トリガー」にも戦闘距離を打診、両艦とも戦闘態勢に入った。
先手をきって、自走機雷を発射。が、難なく「THEMON」はかいくぐる。回避能力が高いことを確認したドイル艦長は、アクティブホーニング誘導魚雷を発射。どこまでも追いかけてくる魚雷に、「THAMON」はきびすをを返す。と、その刹那、青白い光とともに一瞬にして海水が蒸発、光の帯は魚雷を誘爆させ、「シーウルフ」まで伸びていった。その一部始終を聞いていた「トリガー」乗員には、いったいなにが起こったのか分からなかったが、艦長の「取り舵いっぱい、全速で戦闘海域を脱出する。」の命令に、我に返ったのであった(f)

トリガー艦長コリンズ中佐は隔壁に隔てられた海中で正確になにが起こったかは把握はしていなかったがトリガーのソナーにはいるべき僚艦の姿は捉えられなかった。巨大な影はそのまま当該海域にとどまっているこの瞬間を逃しては脱出の機はない。今はデーターを持ち帰る、いや生物としての圧倒的な恐怖を前にコリンズは海域を脱し状況報告をするべきだと判断した。その報告を待つまでも無く米海軍の誇る最強の攻撃型原潜である「シーウルフ」が一撃の元に撃沈。そして原子炉の汚染は深刻な被害に及ぶ監視衛星KH-12で一部始終を監視していたペンタゴン、アメリカ海軍太平洋方面司令部は思った。が監視衛星からのリアルタイム情報では残留放射能は以前通常よりも高いものの被爆レベルに達しなかった。このことを疑問に思いながらも最強の原潜がその乗員もろとも海の藻屑の消えた事実は米国首脳部に刻み付けられた。一方小笠原での救難、調査に従事していた海自艦隊は近辺での大規模戦闘があったことを察知。艦隊司令の樋口海将補は状況確認のために「ひえい」艦長木崎に近辺海域への進出を命じる。(t)
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段落ごとの(f)が森と海さん(t)が私です。
最後の段落は掟破りのコメント欄未出です(^^;このエントリを上げるにあたって書き加えました。
かなり白熱した展開になってまいりしました。陸(おか)も海も役者がそろってきた感がありますね(^^)
もちろん私、続きいいの考えたってのも歓迎です。
但しこのエントリのコメント欄で表明をお願いします。一応エントリは私が立てていますが森と海さんと2人でこの妄想を組み上げたので私達2人に解る形を取りたいと思いますので。
その上でまた溜まればエントリとして上げます。
それでは皆さんいざ、行かん。広大なる妄想の海へ!

追記5/25 2:50 一部人名の役職名を改訂しました。

by tonbori-dr | 2005-05-23 00:06 | 妄想特撮シリーズ