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ウィンザー公掠奪

チャールズ皇太子、カミラ・パーカーボウルズさんとの再婚ニュース絡みで取上げられた愛する人のために王位を投げ打ったエドワード8世の話を見て思い出したのが後にウィンザー公と呼ばれるその名前を冠した「ウィンザー公掠奪」(原題To catch a king)である。
著者はハリー・パタースン。物語はポルトガルのリスボンから始まる。アメリカ人のジャズシンガーのハナ・ウィンターが検問で足止めされナチスのゲシュタポに突然拘束される。しかし危ういところでアメリカ人バー経営者、ジョー・ジャクソンに危ういところを助けられる。一方ドイツ第三帝国で親衛隊(SS)の保安部(SD)外国保安情報部部長であるワルター・シェレンベルクはナチスドイツの外相リッベントロープよりフランスからポルトガルリスボンに滞在中のウィンザー公に接触しドイツのイギリス上陸作戦(アシカ作戦)発動後占領統治のため協力を依頼しいかなる手段を持ってしてもこれを完遂せよとのヒトラーからの極秘命令を下される。実はハナはこの情報をベルリンでの演奏旅行中(1940年当時アメリカはまだ参戦していなかった)抵抗運動をしているユダヤ人の叔父から知らされ急遽その陰謀をウィンザー公へ知らせるためにベルリンを脱出、リスボンへやってきたのだ。果たしてこの物語の結末はどうなるのか?

この物語の主人公とも言えるのは普通ならジャクソンとハナであろうが実はSS少将のワルター・シェレンベルクである。
一般にナチスと言えばホロコーストやヒトラーの悪行といって大方悪者であるけれど例えば「砂漠の狐」ことエルヴィン・ロンメルなど職務に忠実だった軍人などもよく取上げられる。(もっともロンメルは現在の戦争でも使われ問題視される地雷に格別に傾注していたという)その中でも異彩を放つのが彼ワルター・シェレンベルクである。
SSの高官でありながら戦後のニュルンベルグ裁判では2つの罪状でしか裁かれずしかも刑期は6年、そのうち2年務めたあと出所しイタリアに移り住み回顧録を執筆。
このエピソードも綴られているという。
そうこの物語はフィクションとノンフィクションが混じり合った物語なのである
多分に筆者の思い入れがあるのでシェレンベルクはロマンティックな愚か者として描写されているところも愛すべき小説と言えよう。
チャールズ皇太子の話とは全く関係ないけれど歴史の裏にロマンありということで。
ちなみにハリー・パタースンはある人物の別名義でありその人物はこういう作品を書いていることを記しておく
「鷲は舞い降りた」

=ライフログ=
ウィンザー公掠奪
ハリー パタースン 井坂 清 / 早川書房
ISBN : 4150404070
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追記一部文章訂正 2/13 01:08
追記こそーりとエントリのタイトルを訂正(^^; 2/14 01:22

by tonbori-dr | 2005-02-13 00:08 | book