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前作が序なら今回は破である。『相棒劇場版Ⅱ』

実は既に観ていたがなかなかアップできずやっとこさ。というかネタバレどうだろうかと思ったが本編ドラマの予告が徐々にネタバレチックになってきたのでそろそろかなと(^^;

で観たのは、正月SPの前には観ておきたかったが結局その後の3日に鑑賞となった。
だが劇場は満員。でご高齢の方が目立つ。多分TVで『相棒』を視聴されている人たちとかぶっているのだと思う。そういう意味では同じような東映(といってもセントラルフィルムだけど)のTVからの劇場作品たる「あぶない刑事」とは違った観客層を形成することに成功しているのではないかな。
但しあの頃の視聴者が年齢を重ね今相棒を観てるんだとも思ったが(笑)あとそれ以外にドラマファンと思しき客層もしっかりその間に入り込んでいたことも(自分を含め)ちょっと文脈からネタバレになるかもなので気になる人はシーズン9最終回後にでも。

ストーリーは警視庁で前代未聞の篭城事件が発生。会議中の警視庁幹部十二名が人質に。犯人は元警察官。というスリリングなOP。そこから警視庁に在庁していた特命係の二人がこの事件に大きくかかわっていくというストーリー。
物語自体はいつもの『相棒』期首及び最終回もしくは元日2時間ラインなのであるけれどこれはこれで見応えがあった。というのもやはり映画は予算が付いているのか(笑)キャストが豪華だ。国村さんとかだけじゃなく警視総監の品川さんとか長官の宇津井さんとか。他にも、いかにもなキャストを用意しているけれど皆さんが、仕事をちゃんとこなされている。

特筆しておきたいのは、ソンこと神戸(ミッチー)ならではの相棒。シリーズ8で相棒として歩むことになったのに実は何故かスタートでの底にある不協和音、これTVシリーズでは良くも悪くもなんだけど、なるほどそういう事かと納得。
薫ちゃんは前に官房長に対して「杉下の正義は暴走するよ」と言われても、「でも俺は、右京さんを信じていますから」と言い切った男。それが薫ちゃんのいいところであり最大の美点なんだけどこの状況下では寺脇さんも上手いからある程度はエクスキューズいれられても、やっぱりそこまでになると思う。それは悪いところではなくむしろいいところであって、亀山という男は右京の正義は正しいし、そこが暴走するとき身を切れる。なのである程度予測がつく。だがソンは亀山と違った意味で正義感があるけれどある意味官房長に近い振る舞いもできるというキャラ。つねに緊張感を持ちたい『相棒』ならではなんだろうね。ただ若干の危うさは感じたけれど、その意味で「新参者」ソンだからこそというところはしっかりと受け取った。

しかし問題点が無いわけではない。いやもっといえば問題点だらけというか。ただネタバレになりそうなんでなーまた相棒9最終回あたりにでも書きます。でもシリーズモノにつき物の部分を挑戦的につかっててこれをすべったととるか、それともそう来たかととるかで分かれそう。もっともそこもふくめての『相棒』らしさなオチだったけれど。

しかしですね、この物語にも採用されているストーリーラインはここ最近よく使われており、そこには何故外交的には最近中国との尖閣、そして拉致問題とともに核まで浮上した北朝鮮を隣国にありながらも日本がこうまで(他には景気の沈降とか社会問題もあるが)平和なのかという部分に上手く説明をつけられないみたいな部分でのいかにも冷戦後にいわゆる仮想敵がいるんだけどどうにも解りにくいという部分を象徴しているかのように感じた。

ともかく相棒ファンやシリーズを視聴している方は必見。それ以外の方は…。んまあ、ねそういうことですよということで(笑)ただ最悪ではないしそこは現在進行中である上の強みを活かしていると思う。そこが一度止まってしまった『踊る大捜査線』とは違うと強く感じた。ちなみに現在本編のラストに劇場版のCMがはいってるがどんどんネタバレに向かっているので多分今後、本編でも語られる日は遠くない。というか最終回が2時間SPになるならば多分そこで後日談めいたものをいれてくるのではないかと予想。まさにフジよりもちゃんとテレビ局制作としての本懐を遂げている。文句のある人もいるだろうけど、これは天晴れということにする(笑)

「相棒-劇場版II-警視庁占拠!特命係の一番長い夜」の映画詳細、映画館情報はこちら >>



でタイトルにもつけた前作は紹介篇及びオールスターでありそういう意味での紹介編でありちょっとハレの意味での『序』であれば今回は前回とは違って同じ世界観のなかで作り込んできた『破』じゃないのということで。
ということは『急』でさらにドライブのかかったモノができるのではと。というか3作目は多分当然のように出来る気がする。



こっからはちょっとネタバレかもです…




そのなんというかついせんだって放送が始まった『外交官・黒田康作』でもアバンというかOPに草刈正代演じる外務副大臣による出来レースのテロ騒動があって、まあ本当ならこんな杜撰なのは絶対にウィキリークスでばらされて大騒動になるやろ!と思ってたんだけど、NHKの『外事警察』でもそういう話だったし、いえば『SP』もなんか大元がちょっとこう同じだよねみたいな。

警察上層部や政府の一部関係者が隠蔽などは最近よくあるネタになってきたが、テロを仕組んで寝ぼけた国民の目を覚ますっていうのは実はメディア関係者がそれをやりたいという気がしないでも(笑)

それはあくまでもそれは政府がやってて俺たちはそれをスクープするぜ(キリッ)みたいな。そういう願望ですかそうですかみたいな(苦笑)
だから来年はウィキリークスみたいなネットでのリークを中心に据えたヘンテコな話がでてきそうな。まあそっち系はまずハリウッドあたりで硬派なのが出来てからでしょうが。そういえば実はアメリカがテロを仕組んでっていうのは 9.11はという陰謀論からか。そこにパトレイバーⅡのシノプシスがくわわってという今の流れなんだろうかが、スパイ小説では2重スパイや実は政府の仕込みというのはよく出てくるのでミステリーとしては常道だし警察系でも組織とかそういうのはこれまた王道。なので要素を組み合わせるとこうなるのは必然だったのかもしれない。
っていうかフジの『交渉人真下正義』は犯人像とパニック部分を使ったが、幻のクーデターという部分でもこんなにパトレイバー2が使われることになるとは。やはり再評価進むべきアニメだよなということで締めとする(笑)

by tonbori-dr | 2011-01-30 22:49 | Movie