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レ・フレール、友よ。「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」

トーさんの新作が日本で公開される運びと成り、あちこちのサイトや媒体でも
そこそこ取り上げているのは喜ばしい限り。

私は一足先に大阪で公開された、大阪アジアン映画祭での上映で鑑賞したが、監督本人がいらっしゃるということで満員(試写ではないのでちゃんと上映券を前売りで販売してた)だった。
まさかそれで関西のトーさんファン全集合ではないとは思っているけれど、
やはり観た者としてはちゃんと側面支援もしなくちゃならんと思いエントリをあげる。

とのっけから、「あれ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、
実は日本のトーさんファンでも待切れない、もしくは単館ロードショーのためまわってこないという人は既に本国でのセルDVDを購入、鑑賞している人も少なからずいらっしゃる。

最近はネットのおかげで海外の未公開作品もお取り寄せ可能だしリージョン問題もネットで購入する人はそれなりにリージョンフリーの仕方もしってる。

正直、待ち焦がれた『放・逐(邦題「エグザイル/絆」)』のカッコよさと比べてしまう自分がいるが、それでも異邦人ジョニー・アリディを十分活かしたものになっているし、トー節全開で、こっからさかのぼってくれてもいい。そういえばアジアン映画祭でMCのおばちゃんがいきなり『絆3部作』っていいだしたときはエエエエェェェェ(´Д`)ェェェェエエエエってなったけど、今となってはそれはいい惹句かもしれない。

アリディはフランスにうとい自分でも名前くらいはしってるフレンチロック界の大御所。
フランスのプレスリーといわれている。
ロックスターがもってるアウトローなオーラと枯れた部分がトーさんのライティングでまた映える。
実はこのキャスティングはもともとアラン・ドロンを想定していたとか。
トー監督が語る舞台裏
『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』ジョニー・トー監督「萎縮した香港の映画産業を、立ち直らせる」: 亞細亞電影通信
熱い方です。舞台挨拶の時もおなじように熱く語っておられました。
でもね、ちょこっとだけ書いとくと、やっぱりアリディは俳優じゃないし、トー組の濃い面子なので元のドロンだったらどうだったかなーとはね。まあせんないことですけれども。

個人的な3部作の順番はあるけれどトー組の作品としては問題ないので是非観てほしい1本。
でそのあと絆3部作の残り2本も観てほしいですなー。

そんなわけで既に観た代表、トーさんと言えばのmicchiiさんのレビューはこちら
復仇 - 愛すべき映画たち
最近お休みなさっているようですが、またこの機にトーさんの熱いエントリが読みたいですね。

「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

追記:まったく本筋にふれていなかたので予告くらいの説明をば。
基本的には『エグザイル/絆』と同じような話だけど、こちらは主人公が異邦人かつ予告にあるように記憶を徐々に失っていくというハンディキャップを背負っているという部分がある。じゃあそういうサスペンスなのかといえばちょっと違っててやはり『ザ・ミッション』や『エグザイル/絆』のように男の矜持と約束、友情の話。
そこを抑えたライティングと語り口調で見せるトー節全開な作品。



これは映画秘宝にのってた話なんだけれど、
アリディ演じるフランス人コステロ。彼が自分も銃が欲しいと言い出して、アンソニー・ウォン演じるクァイ(グァイ)がゴミ処理場の売人から買うのがコルト・ダブルイーグル。

ガンマニア的にもちゃんとダブルイーグルと指定しているのは珍しいなーと思ってて、
(銃の名前を出す場合は伏線として機能させる場合が殆どで、例えばダーティハリーの44マグナムのくだりは5発か、6発かの台詞に引き取られるし、ダイ・ハード2のグロッグはX線検査に通らないプラ製のフレームをつかっているということで、犯人がプロという流れ。)とくに拳銃の名前まで言わなくても単にコルトでもよかったはず。
レ・フレール、友よ。「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」_a0029748_19553777.jpg

なんでも結局出演をキャンセルしたアラン・ドロンをアリディが尋ね、今度出るのでといったらこれを渡されたとか。いや宣伝用にしてもいい話しだ(笑)
なにしろドロンのコルト・ガバメント好きは有名で延々自分の出演作で使い続けているという話をどっかで聴いたことがあるんだけれど、そのドロンがガバメントをダブルアクション化したダブル・イーグルをプレゼントしたという話は出来過ぎでも男なら附に落ちてしまう(笑)

今回の銃撃戦、トレーラーのゴミ処理シーンもいいけれど、公園のシーンもトーさんらしさが全開で好きなシーン。

男ならガッツリ観とけな1本。もちろんご婦人方にも超オススメどす。
「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

by tonbori-dr | 2010-05-12 13:36 | Movie