そこにいる。「モンスターズ/地球外生命体」

先週末に大阪でのロードショーが終わった「モンスターズ/地球外生命体」を観てきた。
この映画はたったの1万5千ドル(約130万円、公開前のレートで)ということで結構話題になり、各地の映画賞でも話題になった。そしてハリウッドで制作される新作ゴジラの監督に抜擢という話もあって気になっていた映画でなんとか時間を作って観たのだが、いい雰囲気を持った映画だった。

実際には1万5千ドルの制作費ではないそうだけど(監督インタビューより)独特な雰囲気と視点をもってて、先に観ていた「スカイライン-征服-」と同じような少ない予算で少ないスタッフ、VFXを駆使したという共通点がありながらまったく違う映画。
スカイラインは視点が限定されているけど、こちらは視点が広い。あくまでも主要な登場人物2名だけなんだけどメキシコからアメリカまでの道程を淡々と描くことにより世界を切り取っていく様は世界の拡がりを映し出している。

物語はNASAが地球外生命体(どこで発見されたかは明言されていない)を地球外で採取。それを地球に持ち帰るための探査機が大気圏突入時にメキシコ上空で大破し、メキシコで謎の生命体が繁殖。アメリカとメキシコの軍隊は封じ込めようとしたが繁殖を喰い止めるまでに至らず壁を作って都市部と隔離した。それから6年後、取材に来ていた新聞社のカメラマンが現地で怪我をした社長の令嬢をアメリカまで無事に送り届けよといわれるがトラブルのため安全なフェリーに乗り込めず「危険地帯」を陸路でアメリカ国境に向かうことになってしまう…

この道中が本当に上手く出来ていて、そこに住んでいる人たちや、国境を越えるためにいろんな人づてに向かうわけだが、その密輸業者(スマグラー)たちも含めての描写がまるでドキュメンタリータッチ。最近流行で観るといささか食傷気味の揺れカメラも、ストーリーに密接に関係していてぜんぜん気にならない。いや実は中盤ではさほどゆれていなかったりするのだけれど。それにメキシコパートでは主役以外は現地でのエキストラさんにやってもらっているそうで、それがいいテンションとリアリティを生み出している。

またアメリカ国境地帯でのシークエンスも廃墟とかした町がでてくるが、あれはツイスターか何かで被害を受けた町で撮影しているのだろうか?多分日本ではそういう撮影は不謹慎ということでしないだろうけど、明確に伝えたいことがあるならばこの手法は正しいと思う。

この映画にかかわったクルーは5人。それと俳優が2名。このミニマムな体制でも見せたいものとストーリーがあればここまで出来るということを証明して見せたギャレス・エドワーズの名前は、今製作されようとしているハリウッド版ゴジラの監督としても覚えておいたほうがいいかも。

パンフレットは販売されていなかったので公式サイトにいったいろいろ知ったがエドワーズ監督はBBCなどでVFXの仕事をしていたのだそうで、ロケハン、撮影後に自宅の地下で作業を重ねたのだそうだ。その仕事振りは丁寧でCGながらも街並みにすっと馴染んでいる。その部分だけでも彼に新しいハリウッドゴジラをまかせてもいいんじゃないかとも少し思った。

それはいわゆる怪獣が暴れてドカーン、ドカーンのベイっぽいものでなく怪獣が現れて、さてどうする?どうなる。または怪獣が現れた事によってどうなっていくという部分を上手く切り取っていくのじゃないだろうかと。それこそが怪獣映画の本来の姿で、TVドラマ『MM9』後ではそれが一番しっくりくる。
だからこそ『MM9』が好きな人はチェックするべきじゃないかな。

ちなみに各地を巡っているようで大阪での公開は終了したがまだ公開中もしくは公開間近のところもあるので怪獣好き、特撮好きのみならず映画好きなら観て欲しいなと思った1本。

「モンスターズ/地球外生命体」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

追記:ドカーン。ドカーン。ボーン。状況開始!でないと!という人とか、行間読めない人はやめといた方がいいかもです。蛇足ながら。
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by tonbori-dr | 2011-08-20 01:27 | Movie

楽しいゾンビ映画?「ゾンビランド」

去年見逃してしまいやっと借りて観た。いやほんと劇場で見逃したのは失敗だった。

最初はスラップスティックなブラックコメディかと思っていたが、
ゾンビ映画の基本、主人公があるかどうかも分からない希望にすがり旅をするロードムービー、
いつ襲われるか分からないホラー、そしてちょっぴり恋愛にブラックジョーク。
それが90分弱にギュッと詰まった、そりゃ面白い訳だ。

タイトルに「楽しい」とつけたけど、「いやゾンビ映画はどんなのでも楽しいよ!」と主張するゾンビ映画原理派もいるかもしれない。これはそういう意味ではなく?をつけているように、なんというか悲愴感とか終末観がつきぬけているというか。それもあるけど、俺たち生きてるんだからさというそういう部分がそうさせているように思う。

主人公、名前は最後まで明かされずコロンバス(演じるは「ソーシャルネットワーク」でザッカーバーグを演じたジェシー・アイゼンバーグ!しかもフェイスブックは更新なし!という台詞あり!)と呼ばれる彼は引きこもりのギークだったが、世界がゾンビの徘徊する世の中に自分の決めたルールに沿って生き延びてきた。家族とは疎遠だったが、学校のあるテキサス州ガーランドから家族のいるオハイオ州コロンバスに向って移動中に蛇革のジャケットにテンガロンハットのゾンビハンター、タラハシー(ウディ・ハレルソン)と出会う。うまの合わない二人だがコロンバスはタラハシーのクルマに同乗させてもうらうことになった。タラハシーがタフガイでソンビを狩る事を最大の目的としていたが、もう一つ彼には重要な目的があった。それはスポンジケーキ「トゥインキー」を廃墟とかしたスーパーマーケットなどで探すこと。おなじ会社のお菓子「スノーボール」ではダメであくまで「トゥインキー」というこだわりぶりという変人。

そしてタラハシーがトゥインキー探しで立ち寄ったスーパーでウィチタとリトルロックという姉妹に出会う。妹のリトルロックがゾンビに噛まれたという嘘で自動車を奪われたコロンバスたちだったが、安全のため四人で行動をともにすることに。姉妹の目的地はLAにある遊園地「パシフィックランド」そこにはゾンビはおらず安全で安心できる場所があるという噂に希望を託してそこに向っているのだった。オハイオがウィチタから壊滅状態と聞いたコロンバスは三人とそこへ向かう事に。果たしてLAにはそんな天国があるのか?…

ともかくコロンバスのルールが面白い。彼は生き延びるために32のルールを設けているが、それはゾンビ映画で出てくると、ああ、ある、あると頷くものばかり、特にダブルタップは気に入ったし、後部座席のチェックもあるあるなんだけどシートベルトは最高だった。それにこれが上手くお話につながっている。

しかしウディ・ハレルソンのタラハシーが、凄くはまり役で乱暴なんだけどいい人というよくある人物造詣をトゥインキー好きという変人部分を見せる事により印象深くしている。

ジェシー・アイゼンバーグのコロンバスはまさにアメリカ随一の童貞ナード、もしくはギーク俳優だよねえ。こういう役はこれからオレに任せろって感じでまさにはまり役で彼以外に考えられない(笑)

姉妹役エマ・ストーン(ウィチタ)とアビゲイル・プレスリン(リトルロック)は姉妹に見えないが二人ともロリ系なんでパツキンボイーン系な方にはご不満があろうかもしれませぬが返ってこの二人で良かったかなと。パツキンボイーン系はゾンビランド2があればそっちに期待したいwwそうだなあタラハシーと張り合う女ゾンビハンター、アイパッチ付きみたいな(爆)

それに映画からの引用が多くてネタ探しも楽しいがビル・マーレイが本人役で登場。え?なんでと思う方は映画をご覧下され。いや美味しい役でしたなあ。本人なのに(爆笑)


登場人物の人物造詣とかも面白くてコロンバスが何故生き延びていられるかとか若干疑問があるけど(笑)、タラハシーと姉妹とのロードムービーにある徐々に距離を詰めていく四人の関係とかいい感じにまとまっていて面白かった。いやゾンビ映画なのになんかこう明るくなれるっていうのも初めての経験。そういう意味でもちょっとオススメな1本。

映画「ゾンビランド」オフィシャルサイト

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by tonbori-dr | 2011-08-13 22:55 | スルー映画祭り

大阪サイダー

kiyotayokiさんのこのエントリ。
映画の心理プロファイル : 地域限定の甘味飲料
で大阪にもありますよーと言いましたのでこの前、買い求めてきました。
そこはちょっとオシャレなお酒屋さんで洋菓子とかも置いてるお店。
地方の変わった清涼飲料水も置いてて、その上での大阪のサイダーというわけです。
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懐かしい味というよりは水がいいなという感じで炭酸もそれほどキツイという感じではない味でした。
そこはいろいろ面白い他の地方のサイダーもあったのでまた試してみたいと思います(^^)
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by tonbori-dr | 2011-08-12 23:14 | favorite

爆発こそ我が人生「トランスフォーマー/DSM」

観てきましたゼ。「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」。
観にいく前に宣言したとおり、ベイにちゃんとしたストーリーとか情感たっぷりな演出はまったく期待などしていないッ!といったものの、エキブロ友達のsamurai_kyousukeさんのおっしゃるとおりあいかわらずの寒いギャグは健在、いやますます酷くなったような…。それと確かにミーガンたんのヒトラー発言は拙かったけどヒロイン交代のドタバタでなんかやっぱりイマイチ乗り切れなさもあったわけでw

とはいえスカイラインのストラウスキ兄弟もたいしたもんだけどブロックバスターを多くてがけ、そういう画を作ることに長けているベイの破壊の絵巻はそりゃあもうお腹満腹で満足しましたよ。話はメタメタだけどね。っていうか2は監督も主演のラブーフくんまで最低といってたけど3もそんなにかわんねえぞ(爆)

とはいえ演出(人の)がダメなだけでストーリーとしてはいろいろ楽しげなことが起こってて、たとえばサイバトロンが出てきたこと。ウルトラマンで言えば光の国ですわね。その映像が出てきたことは素直に「オオッ、こりゃーすげー」となったし月のシークエンスだけで別の映画つくってほしーとか(笑)

いちいち画は上手いんだけどなあ、寒いギャグ演出が残念なベイを印象付ける(苦笑)

前回のお気に入りはイージス艦のレールガンだったけど、今回気に入ったのはディセプティコン側の戦闘メカ。横山宏さんのマシーネンクリーガーにでてくる重力制御戦闘機ファルケのボディに足がくっついたガウォークメカ。あれを観ると、その母艦込みでオーガス実写版をアメリカで!ってなる。まあアメリカで超時空シリーズのマクロス、サザンクロスと機甲創世記モスピーダとくっつけたロボテックの実写版プロジェクトがあったみたいだけどここ最近は動きを聞かないので止まってるのかもしれないが、もういい加減日本側からマクロスとかアプローチかけてもいいんじゃね?とか本気で思う。これは2の時もそうだったけど。

それと今回も軍の協力の下、オスプレイでのエアボーンとかが見物だった。どうやったんだ?みたいな画のつるべうちにこれは良いベイの仕事(笑)

大枠の話を書くともろバレなので書かないけれど、実はそんなに難しい話ではない。ただ新しい登場人物というかメカというかサイバトロンが出てきて、なんとなく最初から、ああコレはそうだな、大体分かったとなるのに、長々とサム(シャイア・ラブーフ)とカーリー(ロージー・ハンティントン=ホワイトリ-)のラブコメとかを流したり、でそこをもっと切り詰めても良かっただろうし、人間側がディセプティコンとガチでやりあっても良かったよなとか、逆に完全ファンサーヴィスとしてオートボットとディセプティコン無双状態で突っ走ってもらっても良かった気がするが、やっぱり初回の作品がそれなりに上手くまとまっていたために、人間にフォーカスをあてた2が脚本家のストであまり評判が芳しくなくて3では気合をいれていったぜということなのだろうか。と、いいつつもヒロインの交代でなんか結局グダグダなのもベイっぽいが(苦笑)

ベイは爆破と破壊のアーティストなわけで、そこを思えばやっぱり2時間以内に収めてドカン、ドカンの完全破壊と爆発のイリュージョンライドムービーにしてくれれば大傑作になったはず!と個人的に思ってるけど…、それはあまり他人様には理解されないかも…(^^;でもそう思いません?(誰?)
それだけ、繰り返すが戦闘シーンはその演出というか構成力は感嘆に値する。ふむ天は二物をあたえずということか(笑)

ちなみにクライマックスの侵略シーンではプロデューサーのスピルバーグオマージュっぽい描写が一部にあったがよくよく考えるとアレはスピルバーグ御大の指示だったかも。

今回3D超推しなのにおいらは2Dで鑑賞。自分の満足シーンは全然2Dでも良かったんだけどいろいろ「ここは3Dだよ!」といわんばかりのシーンがあったので断然3Dじゃなきゃ派は出来ればIMAXで観る事をおすすめする。っていうか眼鏡かけて2時間半はしんどいんだよ!(笑)3D時代つうなら裸眼で観れる様にしてからにして欲しいですよ、いやほんまに。ユニバやディズニーのアトラクで楽しめるのは時間が短いからってことをよく考えて欲しいもんだ。決して待ち時間からずっとあの眼鏡着用してるわけじゃないんだから(笑)

「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
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by tonbori-dr | 2011-08-12 23:01 | Movie

ほんとは怖い「アメリ」

ブログ・DE・ロードショーのお題でございました「アメリ」

一度か二度は観た記憶があるけど凄く断片的でなんでかなーと思ったらながら観だったからでござる(苦笑)という。

なんで観たのかは多分公開当時おされだよとかいろいろ話題になったからだったと思う。なので一応観ておこうかという。でもなんか画がしゃべってたり、急にミスタービーンチックになったり、おしゃれなキャフェーでなんか小芝居という印象だったのが今回観てやっとこ全部繋がった(笑)

なるほどいい映画ですよね…。でも正直自分の観たジュネの映画の系譜から言えば割りと偏愛な部分がちゃんとあって、そこはあまり言及されていないのねと。いや正確にはそこさえも愛すべき部分として認識されちゃっているというか。

ちなみに自分が観たジュネの映画は「エイリアン4」歴代の中では評価が割れていると思うんだけども自分は好き。だってウィノナが出てるんだもの(^^;でジュネっていうのはマイノリティ(それは人種的だけじゃなくて弱者やなんだろう社会からはみ出している人たち)に対する偏愛かな。主人公だけじゃなくて実は登場人物のほとんど全員がそうだということからもそれは明らか。

だからこそ愛おしさが溢れてくるとも言えるんだけども、これはある種のグランギニョルなんだなと。元々彼のフィルモグラフィーを紐解けばそれは明快なんだけど一見、普通でも実はちょっとしたことでちょっと外れた人たちがいてその人たちへの愛情が溢れているからこそ「アメリ」ってちゃんと観ていられるんだけど、時にやり過ぎに見えるアメリの悪戯や周りの人々のちょっとだけ行き過ぎた行動はちょっと不安に駆られるのはやっぱりそういう事なのかもしれない。もっとも監督が登場人物に愛情を注いでいるため、そこに気が付くことは稀だと思うけど。

もう一つ、この映画には有色人種が出てこないということで保守的、右翼的という批判があったそうだけどそれは樹を見て森を見ずな話だと思う。有色人種がキャスティングされなかったのはパリのベタな街角にいるひとたちをを活写しただけでたまたまであり、そもそもが出ている人たちが先にも書いたようにマイノリティなんだから。

でほんとにに怖い部分はアメリって善なるレクター博士だよねえと。ちょっと飛躍過ぎたかもしれないけれど空想力(妄想力)が逞しく、それに行動力(八百屋店主への悪戯は行き過ぎているを越えてちょっと度が過ぎている)があるわけで、もし虐待でも受けていたりトラウマを悪い風に受けていれば…充分にありえたんじゃないかなと(^^;いやこれは「クリミナル・マインド」とか「メンタリスト」「ライ・トゥー・ミー」を観すぎて俄かプロファイラーにかぶれているだけかもしれませんが…。まあ善人も悪人も紙一重かもなということをちょっと思ったので。

実際、ドワーフの悪戯で結末はいい方へ転がったわけだけど、ブラックユーモア的に展開すれば、いやそういうストーリーならお父さんノイローゼになってましたよ、多分(^^;それにジョゼフとジョルジェットのエピソードも一筋縄で落としてないし(笑)でもあれはアレで正解なんですけどね。というか普通に落ちてよかったというか、ジーナを含めて三角関係で血の雨が降るんじゃないかと心配しましたというのは嘘です(笑)でも自分の趣味をちょっと抑え目にしてちょっと変わった女の子のファンタジーとして上手くまとめていたなと思った1本でした。

と今、ちょっと間違いないか(役名とかが)調べていたら、それまでの作風とちょと変わったのはデリカテッセンなどで組んでいた長年の盟友マルク・キャロと袂を分けたからという弁が!でもエイリアン4ではキャロ、ハリウッドを嫌って帰ったって聞いてたんだけどなあ(^^;まあフランス人らしくエスプリが効いているってことなんでしょうか(爆)

しかしもともとはエミリー・ワトソンが主役に想定されていたのか。エミリー・ワトソンが主演を張っていたら多分クラリック・ジョン・プレストンが出てきてガンカタを使い出して別の映画になったかもしれないですね(嘘)

参考:
エイリアン4 - Wikipedia
アメリ - Wikipedia
映画 アメリ - allcinema
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by tonbori-dr | 2011-08-11 00:04 | Movie

そこに人がいる限り「大鹿村騒動記」

なんというか主演の原田芳雄さんが亡くなった事は、未だに上手く飲み込めていない。
初めて意識したのはいつだっただろう?実のところよく覚えていないのだが、強烈に覚えているのは「君よ、憤怒の河を渡れ」の主人公の高倉健演じる濡れ衣を着せられた検事を追う刑事だったろうか。その時は先に優作を知っていたから?あれ優作っぽいなと思ったら実は優作が芳雄さんの真似をしていたという(^^;

その後、出演作やテレビで意識して観るようになった。特に「友よ、静かに瞑れ」の主演の藤さんとの絡み芝居や「いつか、ギラギラする日」のクレイジーなヤクザ、いやガンマンなどもすごく脳裏にきざまれているんだけど、やっぱり主演作として「浪人街」を挙げておきたい。他の人はもっといろいろあげているだろうけど自分にとっては芳雄さんといえば「浪人街」なのだ。

とすっかり追悼モードな書き出しだけど、この作品、芳雄さんが亡くなったから観に行った訳じゃない事ははっきりと書いておきたい。
実は大鹿村はよく「通過」していたのだ。というか飯田、天竜川、伊那近辺はツーリングで何度も足を運んだ場所。この大鹿村を通っている国道162号線の分杭峠にはゼロ磁場というところがあってようするにパワースポットなんだけども、そこから先へ高遠方面へのルートは上りも下りもツーリングルートとしてよく行っていた。

そういう馴染みのある場所でロケされた、しかも芳雄さん主演の阪本順治監督作品。観ないわけにはいかないじゃないやろ!という話である。

映画自体はドタバタ群像喜劇なんだけども人生の下り坂に生涯を見据えてどう生きる?という話もであり、それと人の営みってこういうもんだろよ?っていう話でもあり、ようするに人間臭いお話。特にこういう山間の村ではみんな、顔見知り、濃密な人間関係が築かれるわけだけど、一線は引いてそこから踏み込まない。だけど踏む込む瞬間を上手く活写した佳作。そうどこにでもある話だけど大鹿村というロケーションとその村に伝わる村歌舞伎に上手くからめた人情話が、悲哀を感じさせながらもちょっとまだまだ人って捨てたモンじゃないと思わせてくれた。

芳雄さんの遺作になったのは残念だけど非常に芳雄さんらしい反骨ながらも情に厚く飄々とした人生を生きてきたい人の締めくくりに相応しい。だけど正直物足りない。もっと芳雄さんの演じるところを観たかった、そういう気持ちにさせてくれた映画だった。

出てくる人たちがちょっと曲者ばかりでそっちに気が行くとこっちみたいな感じでそこも楽しい。多分撮っている時はみんな楽しかったんだろうなあ。それぞれが弁えている部分も心地いい1本だった。

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by tonbori-dr | 2011-08-10 23:01 | Movie

王道は古典「マイティ・ソー」

さて『マイティ・ソー』やっぱり鉄人社長物語とは毛色が違う。
それもそのはずで監督はケネス・ブラナー。自らも俳優として活躍している人だけど基本古典劇が得意なバリバリの舞台人。仰々しい芝居をてらいもなく演出出来るのは彼だけ。だから北欧神話をベースにした親子と兄弟の確執なんていう古臭い劇を期待通りにちゃんと作り上げていると思う。それが映画を見てもあきらかで、現代シーンよりもアスガルドの描写に力が入ってるwいやもっといえばロキの描写に。だから自分にとっては違和感あったのかも(苦笑)

というのもソー馬鹿暴れ、ソー無双(笑)を期待していたので。もっともいちおう戦いもあるんで薄いってわけじゃないんですけどね。というより実際はかなり現代シーンが薄い割りに上手くバランスがとれてんですよ。

それは多分、現代シーンは完全にハーレクインなんだよね。ここはもう割り切ってというか実質それしかないし。異世界の王子が白馬に乗っては来なかったが虹の橋を渡ってやってくるなんざ、そりゃもうハーレクイン以外のなにもんでもないよねみたいな。そしてこの両方は「ファンタジー」なわけで、そうおとぎ話。なので親和性が高いのではないかと。ちょうどナタリー・”ザ・ブラックスワン”・ポートマンが仕事に生きるちょっとお堅い科学者っていうのも、そういうのを加速させているんじゃないかなあ。そういう意味では古典と王道の融合。いや王道はまさに古典なのであると(笑)

それとアスガルドの描写は光の国っぽい。そういえば近年の映画とかは光の国の偉い人たちもマントがデフォらしいのでマーベルと光の国がコラボしたら…噴きそうだwでも映画よりこれはゲームで実現しそうではありますなwwいやサイズ的にはどっちかっていうとライダーなんでしょうけどね。


ただ最後のシーンのために『アベンジャーズ』の壮大な予告編として見られる恐れがあるのであえて言わせてもらえば最後のロールは観なくていいです(爆)いや『アベンジャーズ』を含むマーベル好きは観たほうがいいけどね(^^;

キャストに関してはクリス・ヘムズワースくんはよく分からない。まあマッチョマンだなと。最初の馬鹿王子がはまっていすぎたせいで後半の王の風格が…感じられなかったよ(苦笑)
ナタリーにかんしては完全にブラックスワンの張り詰めた感じはなく力の抜けたよい感じでござった。他にもステラン・スカルスガードやアイアンマンでお馴染みのシールドのエージェント、フィル・コールソン役クラーク・グレッグなど。
浅野忠信はソーとともに戦う3戦士の一人ホーガンを演じたが案外ちゃんとした台詞もあったし優遇されてるとはいわないが邪険にもあつかわれていないんじゃないかなと。まあ今後どんな作品にでてくるのか期待したいところ。

ということでこの後の、「キャプテンアメリカ」の公開後にアイアンマンとキャプテンアメリカとの共闘の物語がひかえているわけだけど今後、リブートする「スパイダーマン」とかもでるんでしょうかねえ?それよりは「ファンタスティック・フォー」をどうするのかを知りたいもんだが(キャップ役のクリス・エヴァンスはヒューマン・トーチでもある)

ちなみに3D公開だけどなんかもう3Dは疲れるので2Dで鑑賞。アスガルドのシーンや戦闘は流石に3Dなら迫力あるかもだなと思ったが、全然2Dでイイと思いました。個人的に。」

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by tonbori-dr | 2011-08-06 23:16 | Movie

ある視点『スカイライン-征服』

観てきたゼ!『スカイライン-征服』
『見ろ!人がッ!ゴミのようだ、ふはははは!』はラピュタでムスカが放った台詞だが、まあそれがストラウスキ兄弟の手によってうまく再現されていると言ってもいいと思う(笑)

エキブロ友だちのGun0826さんはツイッターでの会話で彼らはビジュアリストと言ってたが、それに禿同。まさにそのビジュアル魂が炸裂しVFX職人の面目躍如たる描写を、視点を絞って少人数グループが少ない情報に閉じ込めるいわば変則密室状態。どこにも立ち行かなくなってしまったコンドミニアムの高層マンションに閉じ込められてしまい、終始周りで起こる事だけを描写しているの立派。

発想の転換でビルからでてあちこち逃げ惑うとお金がかかる、で状況を限定し、大規模シーンはほぼCGにして合成。そうすることによって大規模な破壊シーンや宇宙人の侵略を見せていった。これは結構使えるけど2時間を越えたら「ウン?なんかしょぼいぞ」と思われてしまうので100分にまとめたなと。実際コレ以上は難しかったと思う。
変に色気を出さず徹頭徹尾、成功したプロデューサーの友人やその妻、愛人、主人公の恋人にマンションの管理人、他に出てくる人たちもほんと瞬殺っぷりがすがすがしい。

APV2ではちゃんと作ろうとして結局しょぼさが隠せなかったのと違い、今回は絞りに絞ったおかげで緊迫感がただことではなかった…とここまではほめているんですけれど個人的には超残念なところがあって、それは彼らの結末。というか主人公とその恋人が迎える結末に関してね、まあちょっとってことです。もちろんそれ込みで面白かったよとかあのストラウスキブラザーズなのにやりやがったなとか(笑)いってんですけどね、個人的にはヲイヲイそれはないやろって。まあサービス、サービスゥってつもりかもしれないけど、自分にとっては蛇足だったかなあと。まあこのあとネタバレで書きますけれど。でも時間の短さとあいまってなかなかに面白かった、というより緊張感が得られたライド系の映画としては合格点の映画でありました。
まあ断定すると「クローバーフィールド」系ですね。あれと近いけどこちらはさらにアイデアで勝負したゼ感の潔さが目立った1本でした。


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ネタバレ
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by tonbori-dr | 2011-08-04 23:37 | Movie