どこにでもあるけど無い話「ソーシャル・ネットワーク」

このインターネッツ時代、周回遅れともいうべきタイミングながらもこのアカデミー賞決定前後(執筆中はまだ行方は不明なれどトレーラーを観ただけでは多分英国王かなという気はしてる。)ので実はタイムリーな『ソーシャル・ネットワーク』を観てきた。

なるほど噂どおりの、押井守もびっくりな台詞劇だった(笑)
しかもフェイスブックという世界最大のSNSの創設秘話めいてはいるが実のところ何処まで真実なのだろうかという部分も。
同じく実話を基にした「アンストッパブル」よろしく町が一個吹っ飛ぶクライシスというのは無いが世界が震えるほどの出来事というにはかなりパーソナルな部分から話が始まる。そここそが、ソーシャル・ネットワーク!っていうことなのかもしれない。

特段、何かドラマチックな事が最初に起こるわけではないだけれど、確かに学生が大学のサーバーに不正アクセスをかけていささか下品なサイトを立ち上げ、ダウンさせたのはたいしたことではあるけれど、誰かが殺されたり世界の危機に直結したわけでもないのにぐいぐい引き込まれていくのは、この作品が今現在も膨れ上がっているフェイスブックというSNSの創業秘話的なものを題材にしているだけではなく、実は普遍的なテーマをもっているからだなあと観ていて思った。世界を揺るがすような仕事をしていてもそこにいるのは人間だよというパーソナルな部分にスポットあててるんだなと思った。

この物語で語られているのはギークの物語なんだけどスクールカーストとかのサークルのお話でもある。
なんかやろうぜ、とかあの子かわいいよなとか、恋人と仲良くなりたいとか。もちろん野心もそこそこ、小さなグループではじめたのに…みたいな。だから得心する人も多かったんじゃないかな。ただ共感できるかという部分では確かに出来にくい人物像ではあるが、だからゆえに観客のネガティヴな鏡像をみせられているような気になってちょっと落ち着かなくなってくるのも上手い演出だなと。まあフィンチャーはそういうの得意だけど(笑)だからこそフェイスブックそのものの話ではなくマーク・ザッカーバーグとその周りの人々との物語に仕上げたと見た。一部の描写はハッカー描写はちゃんとしているようだけどフェイスブックのインターフェイスの説明というかどういうものかという実体は映画の中ではちゃんと描写されていない。終始それはクールなものなんだということしか提示されていない。これは映画評論家の町山智浩さんも指摘していた。
第104回 もう観ちゃった人のための『ソーシャル・ネットワーク』 | EnterJam - エンタジャム - 映画・アニメ・ゲームの総合エンタメサイト
こちらではさらに詳しく解説されているので観た方はいちど聞いてみて下さい。ちなみにライムスター宇多丸氏も同じく指摘していた某超有名作品実は未だに未見なんですよ。なんせ自分、基本は「ダーティハリー」の人なので(苦笑)なので近く借りないととは思ってるんですが(^^;ちなみに観た人向けの解説なのでネタというか結末まできっちり割れていますので、ネタバレノーサンキューの人は注意してください。

ともかくいろいろ語り口としては古いけれど手法としては新しいまさにフィンチャー印な1本でした、でもさ、こういうお話というのは普遍性があるんだなということだと思う。ともかくネット周りの人はいちおう必見モノじゃないですかね。
でもこれでフェイスブック分かったとか、どうとかいってる人はむちゃくちゃ怪しい人だと思います(爆)

役者陣ではザック(ザッカーバーグ)を演じたジェシー・アイゼンバーグや、フェイスブック共同創設者のエドゥアルド役のアンドリュー・ガーフィールドなど若手俳優の演技が良かったといわれているが中でも、ナップスター創設者ショーン・パーカー役のジャスティン・ティンバーレイクのぶっちゃけぶりがなんか某ネットの寵児としてもてはやされたあの人を彷彿させる。もっとも100倍カッコイイけど(笑)
ちなみに観たのがデジタル上映、スクリーンがむちゃくちゃクッキリ。ロゴとかの抜けがすごくよかった。プロジェクターとスクリーンの関係性によるものだろうか?にしても綺麗な画面だった。デジタルは実はポニョについで2本目だったけどいやこの映画では良かった感じでした。

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by tonbori-dr | 2011-02-27 23:28 | Movie

非日常の境界線『冷たい熱帯魚』

やっと頭がクールダウンしてきたのでほかの映画の感想もまだだけど先にこちらの感想を書いておこうかなと。
ソノシォーンの最新作『冷たい熱帯魚』。これは普遍的なお話でもあるしまったくもって異様な迫力と説得力を持つ作品だった。まあ心臓の強い人なら必見です。以上(笑)

ですませてしまうのもあんまりなので他人様の感想エントリを貼っておこうかとも思ったけれど、それもあんまりなのでちょっとばかし書いてみる。
というか実は観るまで「埼玉愛犬家連続殺人事件」をベースにしたということと「でんでんさんが凄い」という評判だけしか知らなかった。ちなみにその愛犬家殺人のこともほぼ調べずにいたし(っていうか大阪でも同じような名前をつけられた事件があって実は観るまで混同していた。こちらの事件も結構とんでもないんだけどいや埼玉はさらにこれを越えるヤバイ事件だった。)

まあ、観てなるほど実のところこの映画、「タクシードライバー」のトラヴィス大集合みたいな作品だなと。
それゆえにすべてがむき出しに観客にむかってくる(そういえば前作『愛のむきだし』を未見なんだお、とツイッターで言ったら即観なさいコールをフォロワーさんから受けた。多分コレを観るとさらに『冷たい熱帯魚』の深奥にも触れられそう)そういう、日常なんだけど、どこが歪でそのゆがみが社本の日常をどんどん侵食してくる様は『自殺サークル』に通じるなと思った。
ちなみに園さんの映画でちゃんと観たのは実は『自殺サークル』くらいで、えらく変わったけどなんか分かるという人だなという印象だった。で、今回、その変わった人だなという部分が自分の中で腑に落ちた。ああなるほどこういうことなんだなって。ちなみに超傑作とは思ってないけど、園さんの『自殺サークル』っていう映画は今でも強烈なビジュアルと迷宮のようなストーリーでいまだに心にひっかかる1本。いろんな意味でトラウマになる映画ですぞ(笑)オススメです。

で、ほかのエントリを読ませていただくと笑いが起こったっていう話を書いてあったんだけど大阪はシネリーブル・梅田で鑑賞中はクスリ笑はちょっとあったけど(っていうか自分もなんだけど)よそ様のエントリのようにガハハ笑いはなかったゼみたいな。これは多分、あーこういうヤツおるわーっていう部分へのシンクロニシティが…あるんだけどもっといえばありすぎて実感を伴いすぎてかえって笑えないみたいな(苦笑)でも、おるおるこういうヤツ(ほんとにいたらもにょもにょだけど)とか思って自分はボディ透明にされないゼという妙な裏打ちのない自身のあるヤツも多いゼみたいなのも同時に感じましたな。まあそれはそれで「恐ろしい」んですけどね。笑った後でひとしきりぞっとするみたいなとかそういうのではなく、なんかわし分かるデみたいな空恐ろしさを感じたよ、ヒィー(^^;ほかの回では、もしくはシネリーブル神戸でのお客さんの反応きになりますなー。

実は突っ込みどころないわけじゃなくて、本筋以外は結構ノリとか勢い重視な部分があるんだけども普段いわゆるTV局映画を冷静に突っ込み、ディスる方々が、それこそ熱にうなされているかのように絶賛しているのは多分そういう不思議なグルーヴに巻き込まれてるんだよ、多分。そこでエントリタイトル、リアルな、非日常の境界線。
この作品の肝はありえる、というか実際に起こった事をベースにしてるんだけども、そこを過剰に味付けしているところ(殺しの部分はリアルなんですけれどね、これがまた過剰さを上手くデコレートしている。)でもところどころでふっとありえねえですよねとか、そういう部分が観ている自分をじわじわと沁み込んでくる感覚というか。これはキャストの熱演もあってこそかなという気がする。

キャストは主人公、社本を演じる吹越満、村田を演じるでんでん、ともにGJ。とくにでんでんさんは今後、ドラマとかでも重宝に使われそうで不安でござるよ。で各所で絶賛なんだけども個人的にはやっぱり主役の吹越さんにつきるかなと。あの気のよさそうな、弱そうな、でも神経質そうな、だけど急にキレそうな凶暴性というか。ようするにタイプキャストながらも確かな演技力で演じきったことに関してはもうね、オスカーものですよ。存在感をギリギリまで薄めているけどちゃんとそこに居るってのは。特にネタバレになっちゃうかもしれないけれどラストの笑顔とかね。もう凄かった。
まあでもさ、往々にしてこういう場合は熱演にして怪演をみせたでんでんさんなんだろうけどね。でもそれを徹底的に受け止めた吹越さんも凄かったわと。あらためて再確認。
ちなみにでんでんさんの凄さはあちこちのブログで書かれているのでぐぐってくださいっていうか観たほうが早いな絶対(笑)
っていうかネタバレになるかもしんないけれど、自分なんかは社本感情移入してどうしても観てしまう、パーソナルとしても普通はそうだろうしだからこそガハハおやじのでんでんさん演じる村田が引き立つわけで、観客の多くがでんでんスゲーとなるのもそうじゃないかなと。ただ園さんは実は徹頭徹尾、社本視点で話をかんがえてるなと、変な確信もあったんでそこんところ、どうなんだろ?

女優陣もまた熱演で、黒沢あすかのなんというかムンと沸き立つ妖気のような色気の沸き立つ部分とか、社本の妻役の神楽坂恵のこれまたムッチリボディで、なんとも平均的なおっさんである社本の妻に似つかわしくない不穏なフェロモンを噴出しているという様が、これまた異様でこの作品の雰囲気作りに非常に貢献していると思う。まあ女優たちが熱演でとくに黒沢あすかはなんかもう降りてきてるかキたか、イッたかってまあもう鼻血ブーなそういう領域に到達してましたな。そうそう娘役の梶原ひかりちゃんも見せ場つくってた、今後が楽しみな娘さんですな。

いろいろ問題作であるので見逃せないと思ったら必見ですなの1本。っていうか次の『恋の罪』がめちゃくちゃ期待MAXになってるんですけど!この映画でもかんばってた神楽坂恵、富樫真にあの水野美紀嬢が参戦だよ。これは観ないと!

あと「愛のむきだし」を近日中に借りて観るつもりなんでその後に含めて再考してみたい。

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一部文章がイミフになってたので追記しました。
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by tonbori-dr | 2011-02-22 23:27 | Movie

GANTZ雑感

ということでGANTZ観た。原作厨でもOKとする人とダメだしする人と分かれると思う。
その大きな要因は主人公の年齢設定があがったことによる根本の改変。
ちなみに原作はいちおう読んでいるけどコミックスは持ってない。まあ変わってるところは全然OKだった。

ちなみにSBヤマトをディスってる人もGANTZは寛容な人が多いような気がする。あくまでも自分の観測範囲内だけど。

で、年齢改変とかも松ケンにニノを主演にもってくるあたりだけではなくて、それもふくめ2時間に圧縮するためとこの後に続く完結篇につなげるためじゃないかなと想像した。もとより原作どおりに実写化するならそらもうLOSTよろしくシーズン5くらいまでつかって(1シーズンは20話前後)でFAでしょう。でないと無理。それに今の原作の状況なんて完全にハリウッドの映画のようになってるし(っていうかハリウッドでも無理目な感じになってきた。主に物量的に)

でも皆さんんの言うほど上手くまとめきってないようなストーリーではあった。それでもダメダメじゃなく、玄野(二宮和也)と加藤(松山ケンイチ)と岸本(夏菜)にフォーカスをあてたことで話をコンパクトにまとめやがったなというのが、いい具合に働いてると思う。
特撮に関しては中々によく見せている。陰惨なシーンもTV局主導ながら粘ったかなと思うし、そこは評価できる。
とりあえずニノファンとマツケンファンは行っても損しないし木戸銭の元は取れると思った。

ああ、そういえばタエちゃん(吉高由里子、原作では中盤から急に存在感を見せてきたキャラ)原作と違って序盤から出たけどやっぱり空気だと思ったてたら急にラスト間際にグイグイおしてきたから(笑)そこももしかして原作リスペクトか?wwと思った。っていうか山田孝之が最後にふっと現れてコイツ誰だと思ったらオリジナルキャラでしたという。
確かに前半アレだけの出番で舞台挨拶って言う事ないよなー。後半で存在感を出すんでしょうけど。
やっぱりそこはフジの『SP』2部作と一緒で前後編にわかれてるんで消化不良感は若干残る。まあ個人的には続き観たいなと思ったから自分的にはいいんだけども。その観てて思ってたんだけどまあ興行形態のことでこうなってるんでしょうけども(制作のことも含めて)伝説巨神イデオンよろしく「接触篇」「発動篇」のように連続公開してほしいすなー。無理でしょうけれど(爆)

でも次のFA(ファイナルアンサー)だっけかPA(パーフェクトアンサー)で評価決まるとは思うけど、アイデアはよかったんでもうちょっと踏み込める素地はできつつあるのかなと。個人的にはぜんぜんOKな1本。

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ちょっとやらしい追記(笑)
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by tonbori-dr | 2011-02-19 12:26 | Movie

It'sMyjob「ザ・タウン」

ザ・タウン、観てきましたよ。ええ、クライムサスペンスとかプロの強盗団とか『HEAT』好きなら観ない訳には遺憾でしょう(笑)
なんでもこれ原作があるそうだけど未読。実のところこれも骨太な出演者とプロをきっちり描写しているけれど骨格はハーレクインロマンス。まあいわゆる吊り橋効果?みたいな。でも強盗が日常のヤツでもこんなことを続けていたら命が無いだろうなとは多少頭があれば考え付くわけで。でそこでどうするか?そこが分かれ道で、『HEAT』や『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』に比べるとやや甘口なれどちゃんとオチをつけた佳作だよねと思う。
ツイッターで初見を書いたときは匹敵とまで書いたけど、数日寝かすと、いやいやと、で『HEAT』観るとはあなるほどと。そんなこんなではあるがベン・アフレックの演出は手堅くまとめてるなと感じた。

ところで自分はベン・アフレックの監督作は今回が始めてたけど主演を張って、これはいやなかなかじゃないか?今後は演出に回った方が結構良いかもですなという気も(笑)

で気になったのは、FBIが強盗犯を州境を越えているわけでもなく、重傷者を出していてもこの時点では殺人をおかしてもないダグ(ベン・アフレック)たちを執拗に追いかけるのは何故なんだろう?そこは原作で説明されているのだろうか?そこは気になった。フローリーの同僚ディノがダグと顔なじみ(出身が同じチャーリータウンということが取り調べシーンで明言されている)ということでもしかするとタスクフォース(異なる捜査機関から人を集めて任務に当たる専従捜査班)なのかもなーと(ディノは州警察もしくは市警察の人)でも捜査の時はFBIだっていってたし??

キャストは、『ハートロッカー』のジェレミー・レナーがまたまたいい味だしてる。助演を上げたいっす。っていうかベンアフと役柄が逆転してるとさらに深みが云々は言っちゃダメだぞ(苦笑)でもやっぱりジェムはレナーだからこそ。
そしてこれが遺作(本当は別の作品らしいけど)になったピート・ポスルスウェイト、冷酷なアイリッシュギャングの元締めを憎憎しげに好演。これからも活躍して欲しかっただけに本当に残念。
そして『フロスト×ニクソン』でフロストとたまたま飛行機で知り合い行動をともにするキャロラインを演じたレベッカ・ホールが若くして銀行の支店長になったエリートビジネスウーマンであるクレアを演じている。なかなかどうしてどうどうたるものでした。予想よりお若いのでさらにびっくり(失礼!)あとダグの幼馴染でジェムの妹であるクリスタをブレイク・ライヴリーが演じてるんだけどこれまた年齢を聞いてビックリ(またまた失礼!)ヤク中のお肌ガサガサのシングルマザー役なんだけど、いや恐れ入りました。これぞアクトレスってことを痛感。

そして前にベンアフがリスペクトする犯罪映画ベストに『HEAT』をあげてたけど、なるほどどうして本当にリスペクトしてるんだなーと思ったシーンがいくつかあった。いやガチで好きなんだなと嬉しくなった。
映画/ベン・アフレック インタビュー ベンが選ぶ最高の犯罪映画ベスト11も! - cinemacafe.net
ダグの行動規範とか、まあ詳しくは観てくださいな。もろオマージュだと思ったシーンもありました。

もう少しビターさがあれば完璧だったかな、でもこれはこれでOKの1本。クライムムービー好きならお勧め。

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追記:ちょいネタバレ?ガンマニア的な
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by tonbori-dr | 2011-02-19 00:38 | Movie

武とは。「イップ・マン 葉問2」

ドニー・イェン/甄子丹主演の『葉問2』(原題)を観てきた。
日本での公開名は『イップ・マン 葉問』である。葉問は実在の人物で李小龍の師でもある。
え?李小龍を知らない。ではこう書こう。ブルース・リー。日本でカンフー映画ブームのさきがけを作り空手のヌンチャクをはやらせた人である(ちなみにヌンチャクの件はアクションスターの倉田保昭さんが伝えたということになっている/本人談)

で。この映画冒頭でざっとこれまでの経緯が語られるのだけど、原題に2とあるようにコレ続編で実はさきに『葉問』という映画が作られた。但しこの映画は日本では未公開。『イップ・マン葉問』の興行動員が(新宿武蔵野館)で5000人を越えたら公開されるそうで(全国公開かどうかは未定)まあそこでかいつまむと元々広東省佛山で詠春拳という拳を教えていた葉問だが当時中国に侵攻した日本軍と揉め事になり香港へ逃れてきた。
そして物語は戦後から始まる。当時の香港はもちろん戦前からのイギリスの租借地のままでありイギリスが実効支配している土地。そこで日々の糧のため拳を教授して糊口を凌ごうとする葉問。しかしやっと来た青年は彼に戦いを挑む。しかし青年をかるくいなす葉問。やがて彼は仲間を引き連れてくるが彼らもいなすと青年は弟子にしてくれと頼む。やがて人数が増えてくると地元の武術家の互助組織があり彼らとのトラブルが発生。武館を開くには承認が必要という話に。そして葉問は顔役でもある洪家拳の武術家である洪震南と試合をすることになるのだが…というあらすじ。

その洪震南はデブゴンことサモ・ハンが演じており、ドニーさんVSデブゴンがSPL/殺破狼に続いて観られるという至福の時間が。あの時のようなやるか、やられるかも良いけれど武術家同士の誇りと意地をかけたというのも捨てがたい魅力がある。

もちろんそれだけではないけれど、テーマはこういう功夫映画の定番である武の精髄とはという話になっており、それ自体は多くの武道に通じるものだと思うんだけれど激動の時代を生き抜いてきた一人の武術家に対してのリスペクトが感じられる良作となっていた。まあ欲を言えば『葉問』(序章)からちゃんと観たかったものであるが。いろいろ未公開の理由があがっていたけれど当時(今もか)カンフー映画、香港映画は一部の映画しか当たらないと思われているからだと思う。なので自分としてはもちろん興味のある範囲内ではちゃんと劇場に行くようにはしているのだけれど。だがもしウィキペディアの書いている理由も影響しているのだとしたら悲しい話である。

ここんところ大分、香港映画に関する状況は良くなった気もするがまだまだかなと。シネコン隆盛の時代でもあるので難しいとは思うけれどこまめに観ていきたい。と話がズレたけど、作品としてもちゃんとしているしベタなモノではあるけれどだからこそ功夫の殺陣が重要になってくるけれど、香港電影の殺陣の引き出しにはただただ驚嘆。中華包丁の使い方とか見せ方など、それと拳のつかいかた、蹴りの使い方などいちいち決まっているし美しい。そこが「分かっている」人たちの仕業なんだというのが実感できる。万事がこの調子であるし葉問の家族の話などもちゃんと描かれているのがこの人物を描くにあたってただのスーパーマンにしていないところがまた胸を打つ。いやまードニーさん美味しすぎますw
香港電影ファンなら必見。そして序章も全国公開を是非な1本。

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by tonbori-dr | 2011-02-15 02:03 | Movie

手馴れている。『アンストッパブル』

デンゼルくんとトニスコの共同作業はこれで何本目だ?
最初は「クリムゾン・タイド」だと思うけど、「マイ・ボディガード」に「デジャヴ」「サブウェイ123」など。

で、手馴れている2人のコラボレーションはいわゆる「事実に基づいた」事件をドラマチックに再構成。
いわゆる再現フィルム、ただしフィクション入れました!キリッみたいなw

というかこの暴走機関車の段はフジテレビの奇跡体験アンビリバボーで再現フィルムあたりで30分くらいで語られるような話だし実際したかもしれない。かく言う自分もこの元になった話、海外ニュースかなんかで見た記憶がある。確か死人が出なかったという事で奇跡だみたいな感じで。

それを会社からクビを宣告されたベテラン機関士と家庭が崩壊寸前ながらもなんとかそれを修復しようともがきながらこの不況下でありついた仕事をこなすルーキー車掌との対比で切り取っていくあたりなんざ、やらしいよねー(笑)これ日本で同じようにやったら多分鼻につく。いやこれでも鼻についた人はいるかもしれないが、そこはオスカー俳優デンゼルくんと若手売出し中、クリス・パインでそこそこ見せてくれる。
でもキャストでの自分のイチオシはロザリオ・ドーソン。SINCITYでは売春婦の元締めでボンデージファッションに身を包んだ女闘士だったりした人なんだけどココではキャリアを積んで男社会で生きているハンサムな女性を好演してる。まあそこは好き好きだとは思いますが。

シーンの見せ方は上手い。実はショボイ特撮やってるなというところもあるんだけど、カット割りとスピード感のある編集とダイナミックなロケシーンを上手くつないでる。ココはさすがトニスコ。実車を走らせているのも迫力出しに一役買ってると思う。

話はシンプルだけど列車の暴走を止めるという目的に2人の生き様を上手く絡まして周りの登場人物も類型的だけどさっと観るにはちょうどいい1作。

そういえば運行部長のおっさんはトランスフォーマーのラブーフ君のオヤジ役の人だな。今書いてて気がついた。それと美味しい役回りの溶接工のネッド。リュー・テンプルっておっさんなんだけどいい味だしまくりで最後も美味しいトコもっていったのがおかしかった(笑)

そしてなんといってもコレ、「フーターズ!」それは映画を観ればわかります。いや素晴らしい(笑)
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by tonbori-dr | 2011-02-10 23:49 | Movie

危険な年金生活者『RED』

映画の日に『RED』を観てきた。

高年齢エクスペンタブルズといわれているが、スタローンよかブルースのほうが歳若いんだゼみたいな(苦笑)。でもちょうと『エクスペンダブルス』の上映前にトレーラー入ったもんで、あのCIAの男がフランクであると自分の中では決定している(笑)

物語の骨子は所謂、ハーレクインロマンスにあるような、巻き込まれ型アクションロマコメだけど、主人公がリタイアしたヴェテラン工作員ということで、そこにブルースを持ってきて目玉はそこにアンサンブルキャストを盛り込んだってこと。
とにかく爺さんが元気みたいなキャッチコピーだが、マルコヴィッチやブルースが爺さんってのはどうだろう?先にも書いたけどスタローンは還暦越えだがブルースにマルコヴィッチはまだ50代(といっても後半だけど)なんだよー。でも結構20年だが25年勤続していたら年金貰ってみたいなのはよくアメリカのドラマや映画で出てくる設定なんでブルース演じるフランクが年金生活者でもおかしくはない。(「リーサルウェポンのダニー・グローヴァー演じるマータフはあとちょっとで年金貰えるからそれになったらリタイアするなんていう設定だった。定年とは別のようだ)ただまあ普通の年金生活者ではなくその頭にはいろいろヤバいネタがつまってるというお約束の設定だけど。

でも先にも書いたようにこういうハーレクイン系ロマンスアクションなら「ナイト&デイ」とかそういう選択もあったが、あくまで原作のDCのグラフィックノベルがリタイアしたヴェテランに主眼をおいてるということで、ならではのストーリーになっている。そしてそれは嫌いじゃない。相手がリタイアした、しかも組織のバックアップも無しにと舐めてかかった刺客を返り討ち。そこでCIAは若く有能な係官を差し向けるというのも対比になってていい。

この手の作品はテンポとキャラクターが勝負なのでそういう意味では合格点。きっちり元取れるオモシロさ。こういう小気味よさってボーンシリーズには無いんだよなあ。まあアレはアレで好きだけど(^^;でもコレを観たら「ナイト&デイ」も見とけばよかったなとちょっとだけ思いました(苦笑)

マルコヴィッチの演技力は安定してて出演シーンでは必ず場をさらってたwwMI6のスナイパー、ヘレン・ミレンもいい味だしてて射撃シーンで瞬きしないでマシンガンを撃つっていうのは痺れる。そこがヴェテランという事を印象付ける。
そしてモーガン・フリーマンは導師の役割。スターウォーズでいうところのオビワンですな。声が無駄に渋いので彼が出てくると何かありそうだなという気になる(笑)
ほかにジェームズ・レマーやブライアン・コックス、リチャード・ドレイファスが出演でコレはもうヴェテラン大集結みたいな事になってる(笑)
特にジェームズ・レマーなんか若い頃には「48時間」のいかれた強盗犯ギャンツで印象を残した人で最近はTVドラマなんかに出てるらしいけどスクリーンで観たのひさびさだったから、おー懐かしいーと思った。ここらへんのキャストはトレーラーには(ドレイファスは一瞬だけ出たけど)あまりきちんと出てないのでサプライズで良かったですな。
そして御大、アーネスト・ボーグナイン。齢、90を越えたとは思えない元気なお姿にはいや恐れ入りました。若手ではフランクを追うCIA工作員にカール・アーバン。ボーン・スプレマシーでマット・デイモンを苦しめたロシアの刑事にして殺し屋の役だったが今回はマイホームパパな殺し屋ってどんだけーww。ヒロインは…、すみませんよく知りませんメアリ・ルイーズ・パーカー。でもそれがかえって自分には良かった、有名女優だとそっちに気を取られるし(^^;

アクションも徹底しているし銃撃戦もあるしアクション映画好きなら観ても損なしのオススメ1本。

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by tonbori-dr | 2011-02-06 19:02 | Movie

仲里依紗ありき「時をかける少女」

まあタイトルどおりなんですけれど(笑)

とはいえそんなに悪くない出来上がりで、この手の映画に出しにくい年代の空気を出すべくかなりスタッフががんばっている感じが伝わってくるので、かなり好感度高い作品になってた。

それに角川版「時をかける少女」だってぶっちゃけ原田知世ありきの映画だったし、そのように作られている事を考えるとこの平成実写版「時をかける少女」もそうなって「イイのだ(バカボンパパの口調で)」。

ストーリー事態は原作にオマージュをささげた部分もありつつオリジナルの展開を見せる。オリジンのようなSF的な仕掛けよりもタイムスリップした人がその時代で何をするのかに主眼を置いている部分はSFジュヴナイルの原作からは離れているようだど、こうしたことによりテーマが浮き彫りになったかな。(通過儀礼とか初恋とか)

アニメ版の方が確かにSFマインドとそういう部分の融合度が高かったけれど、これはこれで、まあアリ。アニメをそのまま実写はそれはそれで面白いかもしれんけれどね。大人の事情を考えればこれはこれでOKだし何より現代をタイムスリップするよりノスタルジアにふったのはやはり大林版の存在が故ではないかなと邪推。でも案外あかりが真琴でもそれはまあありかもだよな。でもかなりこの実写版の方が現代でタイムスリップでーではないのに現実と地続き感が感じられてマルでした。

いやここまで書いてふと思ったがこれBTTF(バック・トゥ・ザ・フューチャー)の影響があるのかもしれない。そう思えばオチとか諸々「時をかける少女」の原作のを上手くつかっているしこれますますアリかもしれない。

でもやっぱり仲里依紗というちょっと不思議な雰囲気のある女の子を使った彼女ありきな映画だったかな。その彼女を受け止め70年代の青年を好演した中野昭慶くんとかもいい感じだった。
でも芳山和子はオジリナルの原田知世だったらぐっと地続き感が出てナイスだったんだがなー。いやまあ安田成美でも悪くは無い。あと草々こと青木崇高(一部では後藤象二郎ともww)が重要な役で少しだけ出てる。

ずば抜けた傑作ではないけれどこういうのもいいじゃんと思わせてくれる1本。昔はこういう女優さんを輝かせる邦画多くあったんだけどなーっていう映画。いや今もあるかも知れないけど最近そういうの観てないだけかもしれない(爆)

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by tonbori-dr | 2011-02-06 18:22 | スルー映画祭り