カテゴリ:book( 26 )

F.S.SのDESIGNS 3を買ったよ。

今日買った。F.S.S. DESIGNS 3 KALAMITY GODDERS:BOTH
正札、2940円もする単行本扱いのある漫画の設定資料集だ。
その漫画とは『ファイブスター物語(F.S.S.)』である。作者の永野護は専門の漫画家ではなくアニメーションのデザイナー。
しかし漫画の単行本は出せばオリコンコミックスランキングで1位を獲るほどのヒット振り。多くの人々が連載している角川書店の月刊『Newtype』での連載再開を心待ちにしている。
元々専業漫画家ではなかったので、まずは違う作品でとりあえずということで『フール・フォー・ザ・シティ』という作品で修行というかお試しというか試験期間が設けられた。
そして連載となったがまず最初に年表が同時に発表されたことに皆が衝撃を受けた。このおとぎ話(作者自身が度々そう語っている。)は実は結末が決まっている。(但し年表には後で書き加えられたことも無いことも無い。)
だが近年、その隙間や意図的に(と作者が説明している)隠された真実があり、現在休止中のエピソード『魔導大戦』もそのエピソードに当たる。そういう大河的な物語と富野御大によってデザイナーとして抜擢された『重戦機エルガイム』で人気の出たそれまでの大河原さんやスタジオぬえ、出渕裕とは違うラインで繰り出される戦闘人間ヘッドライナー(騎士)やロボット『モータヘッド』が当時のファンを狂喜させ、その後もデザインズと違う販売形態で副読本や画集が出された。
そのデザインは時代と共に少しずつ変わり流行を取り入れたりあえて逆行してみたり。読者の驚く顔が見たいという貪欲なまでの思いでまいど新デザインを投入してくるのも人気の秘密の一つ。

そしてその度にF.S.S.世界を覆うベールがはがされていくが、いつもその先にまだベールがかぶさっている。
モンソロン大帝、モナーク・セイクレッドというワードの意味も明らかになっていないのに、システム・カリギュラという根幹に関わる組織が新たに出てきたり、名前だけは古くからあるけれど未だその全貌を現していない(現頭目のジャコーと副頭目三条のみ登場)イオタ宇宙騎士団が再開後のキーを握るとか。再開が待ち遠しい限りだ。

今本人は、アニメ『ゴシックメード』を製作中でその動きがなんらかの決着を見ないと取り掛かれ無いだろうが、このDESIGNS 3 で4と再開について言及があったのでそう遠くないのかなという期待はちょっとだけ出てきたが、まああまり当てしないで待っておこう。

自分は、ここまで来たら最後の最後まで付き合うつもりだけれど、もう足掛け22年になるこのおとぎ話はどこに行くのかさっぱり分からない(苦笑)それでも未だに新刊の話や連載再開の噂を聞くとちょっとワクワクする。

それはこの永野護という男が考え出した世界を『冒険』することが楽しいからだろうと思っている。
でも当人は一体どこまで考えていたのかな?とは思うことも在ったけどね(苦笑)


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永野 護
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 15
おすすめ度の平均:
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そろそろ予習をしたい
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つい、11巻を読み返してしまいました
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魔導大戦の主要国家を見る
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再開はいつ?である!
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デザインラインの移り変わり



とりあえず本編から読むのがイイと思われ。その上でDESIGNSなどの副読本を買うのがよろしいかと。
ちなみにどちらも改訂バージョンだがそれさえももう古くなってきている事を考えると、ときどき出版されるこういうデザイン集で常にバージョンアップされている作品だなあと感心。他では例が無い。
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by tonbori-dr | 2008-10-06 02:15 | book

『MM9』を読んだよ

何を隠そう、と学会の会長山本弘の小説を初めて読んだ(苦笑)

元ネタが怪獣映画、特撮と聞いていたので初めて手に取った。

初見は『軽いなぁ~』。
でも掲載が短編だったのでそんなものかも。
連作としては軽く楽しめる作りだが、ちょっと喰いたりないというか。

けれど設定は面白い。
怪獣がいるのが常態の社会を規定するのに色々理屈がいる昨今面白い理屈を使っている。
多重人間理論なるものを用意し今我々のいる宇宙はビックバン宇宙とし、それ以前の科学が世の理をなしていなかった時代の法則で生きているもの達は科学の常識では測れないというもの。
なので怪獣が現れるのは彼らはいわば古き者たちという解釈。

これは中々面白い。スーパーナチュラル系の解釈だけど理屈として字面がイイ(笑)

物語の中核を成す『気象庁特異生物対策部』通称『気特対(きとくたい)』、『科学特捜隊』のオマージュになっているが主人公がちょっと薄い。が真の主人公は現れる怪獣なのだろう。
けれどもう少しキャラ立ちしている方が嬉しいかなとは思った。

この設定での長編シリーズを読みたいところではあるがこの時点で話は一応の決着が付いているので難しいかな。けれどネタというか元として映像作品が出来ないかなとも思う(これは作者の意図している部分でもあるだろうが)

怪獣好きな人なら読んでみてもよいかなと。
MM9
MM9
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山本 弘
東京創元社 (2007/12)
売り上げランキング: 14193
おすすめ度の平均:
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「トンデモ」でないとんでもさ
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二次創作の金字塔
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多くは語るまい

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by tonbori-dr | 2008-03-22 21:54 | book

『MM9』を読んだよ

何を隠そう、と学会の会長山本弘の小説を初めて読んだ(苦笑)

元ネタが怪獣映画、特撮と聞いていたので初めて手に取った。

初見は『軽いなぁ~』。
でも掲載が短編だったのでそんなものかも。
連作としては軽く楽しめる作りだが、ちょっと喰いたりないというか。

けれど設定は面白い。
怪獣がいるのが常態の社会を規定するのに色々理屈がいる昨今面白い理屈を使っている。
多重人間理論なるものを用意し今我々のいる宇宙はビックバン宇宙とし、それ以前の科学が世の理をなしていなかった時代の法則で生きているもの達は科学の常識では測れないというもの。
なので怪獣が現れるのは彼らはいわば古き者たちという解釈。

これは中々面白い。スーパーナチュラル系の解釈だけど理屈として字面がイイ(笑)

物語の中核を成す『気象庁特異生物対策部』通称『気特対(きとくたい)』、『科学特捜隊』のオマージュになっているが主人公がちょっと薄い。が真の主人公は現れる怪獣なのだろう。
けれどもう少しキャラ立ちしている方が嬉しいかなとは思った。

この設定での長編シリーズを読みたいところではあるがこの時点で話は一応の決着が付いているので難しいかな。けれどネタというか元として映像作品が出来ないかなとも思う(これは作者の意図している部分でもあるだろうが)

怪獣好きな人なら読んでみてもよいかなと。
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多くは語るまい

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by tonbori-dr | 2008-03-22 21:54 | book

この事件でポロックの『射程圏』を思い出した

時事ドットコム:初の黒人知事誕生=買春でトップ辞任のNY州-米
前知事が買春で知事を辞任し、そのお相手が米のSNSマイスペースで発言してちょっとした騒ぎ、コメントスクラム(日本風に言えば祭り)になっているのは記憶に新しい。

asahi.com:NY州知事、超高級売春組織の客に 盗聴で判明 米紙 - 国際
asahi.com:NY州知事の「お相手」は - 国際
で何故にJ・C・ポロックの『射程圏』』を思い出したかと言うとこの小説、帯には凄腕スナイパーと辣腕刑事の対決なんて書いてあるが実のところ実質の主人公はニコール(ニッキー)・バスというエスコートサーヴィス、つまり今回の事件で摘発された高級売春組織のようなところで働いている高級コールガールなのだ。
でこのねーちゃんがまたすごい。かなりデキる女性で語学に堪能で教養豊か。しかも稼いだお金は海外で運用。(顧客の一人が投資のプロで彼に指南を受けて資産を運用している)
で度胸も据わっている。
物語は彼女が顧客の一人、マフィアの会計を見ていた会計士が会計をごまかしたことがバレてボスのジェネロに殺されるのを目撃した事から始まるのだが実は彼女も色々ウラがありという話。ポロックといえば元グリーンベレーの経歴を生かした特殊部隊の隊員を主人公にした作品を書いてたが最近は芸風が広がり別名義だったりポロックでいろんなのを書いてる模様。
映画原作向きではあるがクエンティンのプロダクションがオプションを抑えたという話が後書きに載ってたが既に流れているだろう。たしかに映画になったら面白いとは思う。

でこの帯に載っる一応主人公の刑事カービイの所属はNY市警情報部組織犯罪監視班というセクション。名前が無駄にカッコイイ、神奈川県警遊撃捜査班みたいに(笑)

射程圏
J.C. ポロック / / 早川書房
ISBN : 4150409846
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by tonbori-dr | 2008-03-18 21:09 | book

読書感想『惑星CB-8越冬隊』

ということでこれから毎月1冊程度は読んだのをうpしていきたいなと思っているのだがいきなり1月ほぼ読んでないということでやっとこ読み終わったのがコレ。
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惑星CB-8越冬隊 (1983年)
posted with amazlet on 08.02.02
谷 甲州
早川書房 (1983/01)
売り上げランキング: 470652

谷甲州の処女長編SF小説。
最初に目にしたときは文庫本じゃなくて単行本。実はオヤジが買った小説で(うちにはオヤジのかった『復活の日』とか色々ある。)まさか後年自分が読むことになる『航空宇宙軍史』の一部になっていたとは思いもよらなかった。

物語は汎銀河資源開発公社なる組織が雪と氷に閉ざされた惑星、公社によりCB-8と名付けられた惑星が舞台となる。この星に人口太陽を使い気候改造(普通ならテラフォーミングという名前が付くところだが実はその名前でないのも意味がある)をするための惑星の地質、気候の調査を行うために送り込まれた越冬隊の汎銀河人パルパティが主人公。
惑星CB-8
がその楕円軌道(実は太古に真円にちかい軌道もっていたが何らかの理由により軌道が大幅に変わってしまった。ということが初段で説明される。)の近日点を越えたところで大規模な地殻変動が起こり彼らのベース、極点基地を襲い人工太陽が暴走を始めてしまう。パルパティら観測隊の隊員達はその惑星に別に研究のため滞在している地球人ラインハート率いる越冬隊と協力して荒れ狂う永久氷原を行くのだが。-というスジ。
ハードな設定にまるで冒険小説のようなスジ。谷さんといえば最近でこそ架空戦記ものなんかも書いているけれどハードなSF設定に冒険小説のようなスジの物語をよく書いている方。

最初に読んだのは『ヴァレリアファイル』が最初だったかなと思う。今で言う『攻殻』のようなヴァーチャルリアリティとサイバーパンク、サイボーグなどの独自設定とややオタクなハッカーやタフな掃除屋、自信過剰な少女ハッカーにものすごい戦闘能力を秘めた謎の女など楽しく読ませて貰ったが自分が読んだのは角川スニーカー版で今はCノベルズになり角川は幡池裕行氏のイラストだったが士郎正宗になっててビックリした(笑)とこれは余談。

この作品は極地での厳しさがあますところなく描写されまたしばしばこの惑星にいると言う原住生命体の話が出てくるのだがそこから想起されるのは筆者が青年海外協力隊で滞在したというネパール。ヒマラヤの懐である彼の地で着想を得たのだろうなと思うこと。これは行間からも滲み出ているし氏の考えがストレートに出ている。ちょっと青臭いといえばそうなのかもしれない。なにしろこれは初の長編小説だから。
だがそれを補って余りある人工太陽を止めるための極地基地へ向かう道程は臨場感がある。

この小説は『航空宇宙軍史』と打たれているが、直接には『航空宇宙軍』の名称が出てこない。実はこれを読むずっと前に『仮装巡洋艦バシリスク』『巡洋艦サラマンダー』『タナトス戦闘団』などを読んでいたことがある。そこで外惑星連合と戦争している航空宇宙軍しかしらなかった。その後の航空宇宙軍の話も興味があるのだが、ある意味この話はそれらの原点ともいうべきもので色々興味深い発見が多くあった。

谷さんの航空宇宙軍史を紐解くには必要な1冊だと思う。
また単体のSF冒険小説としても面白い1冊としてオススメできる。
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by tonbori-dr | 2008-02-02 22:32 | book

読書感想『惑星CB-8越冬隊』

ということでこれから毎月1冊程度は読んだのをうpしていきたいなと思っているのだがいきなり1月ほぼ読んでないということでやっとこ読み終わったのがコレ。
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惑星CB-8越冬隊 (1983年)
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谷 甲州
早川書房 (1983/01)
売り上げランキング: 470652

谷甲州の処女長編SF小説。
最初に目にしたときは文庫本じゃなくて単行本。実はオヤジが買った小説で(うちにはオヤジのかった『復活の日』とか色々ある。)まさか後年自分が読むことになる『航空宇宙軍史』の一部になっていたとは思いもよらなかった。

物語は汎銀河資源開発公社なる組織が雪と氷に閉ざされた惑星、公社によりCB-8と名付けられた惑星が舞台となる。この星に人口太陽を使い気候改造(普通ならテラフォーミングという名前が付くところだが実はその名前でないのも意味がある)をするための惑星の地質、気候の調査を行うために送り込まれた越冬隊の汎銀河人パルパティが主人公。
惑星CB-8
がその楕円軌道(実は太古に真円にちかい軌道もっていたが何らかの理由により軌道が大幅に変わってしまった。ということが初段で説明される。)の近日点を越えたところで大規模な地殻変動が起こり彼らのベース、極点基地を襲い人工太陽が暴走を始めてしまう。パルパティら観測隊の隊員達はその惑星に別に研究のため滞在している地球人ラインハート率いる越冬隊と協力して荒れ狂う永久氷原を行くのだが。−というスジ。
ハードな設定にまるで冒険小説のようなスジ。谷さんといえば最近でこそ架空戦記ものなんかも書いているけれどハードなSF設定に冒険小説のようなスジの物語をよく書いている方。

最初に読んだのは『ヴァレリアファイル』が最初だったかなと思う。今で言う『攻殻』のようなヴァーチャルリアリティとサイバーパンク、サイボーグなどの独自設定とややオタクなハッカーやタフな掃除屋、自信過剰な少女ハッカーにものすごい戦闘能力を秘めた謎の女など楽しく読ませて貰ったが自分が読んだのは角川スニーカー版で今はCノベルズになり角川は幡池裕行氏のイラストだったが士郎正宗になっててビックリした(笑)とこれは余談。

この作品は極地での厳しさがあますところなく描写されまたしばしばこの惑星にいると言う原住生命体の話が出てくるのだがそこから想起されるのは筆者が青年海外協力隊で滞在したというネパール。ヒマラヤの懐である彼の地で着想を得たのだろうなと思うこと。これは行間からも滲み出ているし氏の考えがストレートに出ている。ちょっと青臭いといえばそうなのかもしれない。なにしろこれは初の長編小説だから。
だがそれを補って余りある人工太陽を止めるための極地基地へ向かう道程は臨場感がある。

この小説は『航空宇宙軍史』と打たれているが、直接には『航空宇宙軍』の名称が出てこない。実はこれを読むずっと前に『仮装巡洋艦バシリスク』『巡洋艦サラマンダー』『タナトス戦闘団』などを読んでいたことがある。そこで外惑星連合と戦争している航空宇宙軍しかしらなかった。その後の航空宇宙軍の話も興味があるのだが、ある意味この話はそれらの原点ともいうべきもので色々興味深い発見が多くあった。

谷さんの航空宇宙軍史を紐解くには必要な1冊だと思う。
また単体のSF冒険小説としても面白い1冊としてオススメできる。
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by tonbori-dr | 2008-02-02 22:32 | book

ハードボイルド+SF+軍事+スパイ小説好きはチェック

ちょっと小説を買った。
虐殺器官
伊藤 計劃 / / 早川書房
ISBN : 4152088311:





こちらで知って気になって本屋さんに行く度に当たっていたけど無くて月曜日にふらっと立ち寄った戎橋のTSUTAYAのブックコーナーにあったのでそくゲットした。
さて次の企画は - メタルギア・ソリッドファンから福井晴敏ファン、ジージャンズやボンクラ系まで必読! 伊藤計劃デビュー作『虐殺器官』は将来を期待させる傑作!
福井晴敏の後を継ぐ小説家かも!なんていうのに惹かれたボンクラとしてはまず読んで思ったのはああこれはどっちかというと洗練された平井和正かもよ、みたいな。

平井御大がかなりよく解らないトコにいった昨今ではなく『死霊狩り(ゾンビーハンター)』とか『サイボーグブルース』の頃のまあぶっちゃけ大藪さんの影響下にあった頃の。
とまあ、結局ボンクラの系譜として正統なんですけれどね(笑)

あと『戦闘妖精・雪風』にも通じる空気があるのは『言葉』『コミュニケーション』への言及があるからだろうかなと。

どっちにしろ次回作が楽しみな作家さんがまた一人出てきたのは嬉しい限り。
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by tonbori-dr | 2007-07-20 23:43 | book

極大射程公開記念『スワガー・サーガ』

映画『ザ・シューター・極大射程』公開ということでこの前原作を紹介エントリをアップしたが実はスワガーの物語はこの後も続いている。それをちょっとご紹介してみようと。

まずはこれ。

あまりにも骨太な小説であり粗野だが頭のいい脱走犯とその仲間、それを追う保安官の物語。
実はこの作品にはボブ・リー・スワガーは出ていないのだが実は次に紹介する『極大射程』の直接的続編に大きくかかわってくることになるのである。もっともこれ自体でもピカレクスロマンであり追跡の物語でもある。埃っぽい空気やちょっとしたことにこだわる男達の物語。
そしてここで打たれた伏線が生きてくるのがこれ

これまた伝説のスナイパーが再び活躍する話ではあるが前作のように狙撃対決や丘の上の激戦はない。その代わり若い者を鍛える導師としてのボブとラスのロード・ムービー的な色合いや南部のカラーが強く打ち出されている。
実際狙撃対決は無いとは書いたがボブが凄腕スナイパーに狙われるという状況もありこのあたりは手に汗握るシーン。
タイトルも説明を読んでニヤリとさせられる。本当に銃に関する薀蓄は深く濃い。
この作品の底流にあるものは、失われてゆくモノへの憧憬がそこにはあってそれは風景や時代といったものにまで及んでいる。

実はこの作品たち、『極大射程』が一番最後に刊行されたという経緯があった。
だからハンターの初期のファンは順番を遡る事態になったのだが今は全作順番に読める。

もし映画で原作が気になり読んでみて面白かったらこの2作も読んで欲しいと思う。

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by tonbori-dr | 2007-06-19 01:12 | book

極大射程

来月、あるアクション映画が封切られるのだがその原作を紹介したいと思う。
映画とは設定が変更されているようで一番大きな違いはまだ映画を未見なため断言できない。

ただ主人公が元海兵隊のスナイパーということは同じようだ。

この作品はアメリカの小説によくある大掛かりな謀略の絡んだアクション小説でヒーロー物ある。
しかも主人公はヴェトナムで従軍した伝説のスナイパー。二つ名をボブ・ザ・ネイラー(ネイラーとは釘打ちのこと)
ヴェトナム時代のある事で退役し結婚生活もうまくいかず生まれ育った町の山奥で銃とともに引篭もった生活をしていた彼に突然来訪した元軍人。しかしその来訪が全て仕組まれた大きな罠の一端とはまだボブは気がつかなかった。

主人公ボブを南部の頑固な古きよきアメリカ人に設定してあるのは多分わざと。
しかしホワイトトラッシュ、レッドネックではない。
恐るべき集中力と物事を聡明に見通す強靭な精神力をもち何者にもおもねらない。
孤独で理解者は数少なく周囲から理解されているとはいい難い。
しかし自らのルールに従いそれを貫くさまはまさにアメコミのヒーロ的。

そしてそこで語られる銃に関する話もかなり専門的で結構銃オタク(というかそれをネタにしているっぽい)特に狙撃に関しての描写もかなり詳しく書いている。

このボブ・ザ・ネイラーの物語はボブ・リー・スワガーの父アール(彼は硫黄島上陸作戦に参加したベテランでもある)の物語を含めスワガー・サガというべき物語を形成している。

だがまずはこの第1作から読むのが一番。
映画とは関係ナシにオススメできるアクション小説である。
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極大射程〈上巻〉
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by tonbori-dr | 2007-05-14 00:50 | book

『高い砦』:デズモンド・ハグリイ

昨日本屋さんに行ってみるとハヤカワ文庫の『高い砦』が新装で再発売されてた。
この小説は冒険小説の白眉としてよく紹介されるが今では古典となった気がする。
それでも誇り高き男の矜持や生き残るためにサバイバルという事の意味を教えてくれる名著だと思う。

ハイジャックされた飛行機がアンデス山中に墜落。
アンデス山中に墜落した飛行機のサバイバルと言えばまた別の話を想起する人もいるかもしれないけれど生き残った搭乗者たちに襲い掛かるのは高山特有の過酷な環境。そして生存者を襲う謎の襲撃者たち。そんな状況をどうやって切り抜けるのか。というお話。


amazonのレビューにもあるが今ではもう古いのかもしれない。
が、『すんません、自分、古い男ですから』
こういう話をきっちりとけれんもなく書く人が今ではどのくらい居るのか?とさえ思うほどの骨太さ。

いや流行やキャラクターの造詣は既に今の主流ではないのかもしれない。
だがキャラクターの魅力とはそんな古風な生き方や考え方だけじゃないもっと本質的なモノ。
人間とはどんな状況におかれても生きるという事をあきらめなければタフになれる。それは何時の時代でも真理。そういうことが描かれている。

それはあるセリフに表されているのだがそれは是非読んで確かめて欲しい。
あなたに熱き血潮が流れているのなら

著者のデズモンド・バグリイの作品は他に『ゴールデン・キール』あたりしかしらないけれどこの作品が書かれたのが今から約40年以上前。だけど古典になっても古びないテーマがあるかぎり今後も読み継がれていく小説だと思う。
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高い砦
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デズモンド バグリィ Desmond Bagley 矢野 徹
早川書房 (2006/01)
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古典に夢中になるのもよい。。。
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英国冒険小説の名作

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by tonbori-dr | 2007-04-22 23:51 | book