「ロックだな。」ゴールデンスランバー雑感

公開間もない邦画を観にいくことは実は結構多かったりする。理由は後だと行くのが億劫になるから(笑)
実は一番乗りとかそういうのには興味が無く、ゆったり周りを気にせず観たいと言う欲求が強いからなんだけど、そのためムーブオーバー時がファーストランぎりぎりでレイトで観る事がほとんど。
今回はファーストデイサービス(いわゆる映画の日1000円というやつ)というのもあったので30日封切作品を1日に。
最終の通常ならレイト枠。しかも午前0時前の終了だったので思いのほかお客さんも少なく(雨の影響もあったろう)空いている劇場でゆったり鑑賞できたのはよかったが興行的には配給元は頭が痛いかも。
ちなみにだからといって公開初日否定派じゃないよというのも重ねて言っときます。なんせガンダム徹夜組あがりだしな(歳がばれる。笑)

そんで、観たあとで知ったんだけど時間は長尺130分超だったとか。だったとかというのはそれを感じなかったから。
個人的なんだけど、アレ?そうなのという感じ。話がスタン、スタンと進んでいく。まるでスキップしているかのごとく。
よく長尺映画で「もっとテンポアップ」とか「編集を上手く、ざくざく切っていきゃー」という自分が、個人的な感覚で言えば全然OKだった。

それは導入部の上手さと構成の上手さ、そしてキャラクターたちの魅力だと思う。普通のこういうゲッタウェイものの主人公としては青柳(堺雅人)は押しが弱いけどそれを逆手にとった造形と周りの登場人物の面白さがそれを引っ張る。そして出だしの会話でポーンと状況に放り込んでいく。
そしていわゆる主人公側の皆さん、一様に「ロック」なんだよね。でことさらにそれを強調しているのは主人公の職場の同僚の人なんだけどちゃんと観れば、周りの人たちもそうなのよ。へたれている後輩のカズまでも。

とあぶなくネタバレしそうになったけど、まあ色々詰めも甘いし(大甘?)ヲイヲイな部分(気になる人もいるけれど)が皆無とは言わんけども、かなり娯楽映画してた。まあ台詞で若干助けられているけどね(笑)でも自分の中ではマイナス点をプラス点が上回っていた。サントラの入り方とかも良かったし。

これは作品の持つテーマやエクスキューズなど、原作者の意図を監督がちゃんと汲み取っているからじゃないかな。というか原作未読だけど読みたくなったもの。

伊東さんのシーンとかを観ても、TV局映画とは(作ってる(お金を出してる)人たちはかぶってても)一線を画してたなと感じられる良作だった。


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キャスト印象とかコネタ


堺雅人はいい味をもってる。既に本作で見せたような人のいい善人から冷たいエリート、そして思慮深い大人の男まで、基本ニコニコした「イイ人」なのに芸域を披露している芸達者ぶりをココでも発揮。状況に翻弄されながらも徐々にタフになっていく(けどやっぱりイイヘタレな人な、ここ重要!)主人公を好演。
ヒロインの竹内結子はそんな主人公の元カノ。しかも別の男と結婚、一女の母(相手はハゲタカ鷲津じゃなかった大森南朋)、今回は彼女の得意とする分野だろうし、それをそつなくこなしていた。
吉岡コトー先生(笑)いや、でも上手いのは当たり前。ちゃんと導入部をつくっていくあたり演技巧者ぶりを発揮。
これに劇団ひとりを加えたカルテットは思いのほかよく機能している。劇団ひとりがちょっと浮き気味になりそうなんだけど過去シーンを含めなかなかはまっていた。
その脇には香川照之、伊東四郎の芸達者ぶりは今に始まった話じゃないけど、ベンガル、柄本明の東京乾電池組。この2人は両者の絡みが無いのに主人公に大きく係るという面白い役どころで見せ場を作ってる。いやーベテランさんの芝居はいいですねえ。
そして永島敏行がいっさい台詞をしゃべらないあぶない刑事として出演しているけど、アレ元ネタ、マイアミバイス(TVシリーズ)の「宿敵カルデロン」に出てきたジム・ズビアナ師匠だろ!(笑)あのイヤープロテクターは無いわー(笑)でもロックだから許す(爆)特にショットガンの撃ち方に惚れた(笑)
キルオ役の濱田岳は中村組常連俳優なんだけど、今回は不気味な役どころ。しかも原作者が「アヒルと鴨とコインロッカー」という中村監督作品で主役を演じた濱田くんを見てキルオの造形を変えたという、つまりはあてがき(笑)彼はちょっとマクガフィンとかデウスエクスマキナっぽい役回りだけど、その結果青柳という人となりが浮き上がってくる。

ただ心配もあって予告編とかを観るとサスペンスを期待するような作りになってて、一応の決着は付くんだけど教えて君とかケリをつけろ派な人には評判悪いかも。でもそうじゃないというのは流れがそこにいかないようになってるので気が付くと思うんだけど、そうでない人には評判悪いかもとそれが心配。でもこの映画の宣伝を考えると難しいもんなあ。
まあ観てくださいとしか言えない、あと「ロック」か(笑)

エンディングに流れる『幸福な朝食、退屈な夕食』とビートルズのゴールデンスランバーをカバーしているのは斉藤和義。原作の伊坂氏とは交流があるそうで伊坂さんの作家になるきっかけがせっちゃんの曲だったんだそうだ。それがエンディング曲なんだけれど。
基本エンディングに歌がながれるのは、自分は否定派といってもいいけど、これに関しては良かった。まあ自分が唯一CDを所持しているせっちゃんの曲だからかもしれないが。
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by tonbori-dr | 2010-02-06 00:37 | Movie