素晴らしき男の世界「パブリックエネミーズ」

誰がなんと言おうと、大晦日に観たこの映画が2009年ナンバー1になるとは、
観た当人さえも思っていなかった(苦笑)

でも他の連中は知らないが、俺はこの作品が「男」の観るべき映画だと思っている。
(ちょっと伝法な言い回しをしております)

いきなりの脱獄シーンから、流れるようなタイトルロールへのアヴァンにやられ、
銀行襲撃シーンでやられ、ビリーへのアプローチでまたやられる。
まさにマイケル・マン節ここにあり。しかも画面がクリアでそこにどんどん引き込まれていく。

なんか画面がクリアすぎて銀残ししてればとかフィルターとかいってる人が?って感じがしてならない。
監督の意図はそこにはなくてクリアな画面がもつ情報量というものを大切にしているということが分からないのか?

それはまだ観ていないキャメロンの「アバター」が3Dにこだわったのと同じ理屈だ。
じゃあ3Dでやればいいじゃんという軟弱者はもう観ないでよろしい。
女子供の観るガキ・ザ・MOVIEでも観ているが良い。これは男の生き様を切り取った
アメリカンノワールなのだから。

そしてさらに言及すれば、これは「HEAT」の写し鏡であり、
ギャング側にスポットを当てた形を変えたリメイクかもしれない。
だからメルヴィンはデリンジャーの最後のメッセージを聞き取る事が出来なかった。

でもビリーの決着をつけるためにマイケル・マンは粋なことをした。
それを蛇足と見るか、そうでないかで評価は分かれるのでは。

思えばマイケル・マンは劇場デビュー作「ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー」(原題ザ・シーフ/泥棒)でも
そういうノワールの世界に生きる男達を描いていて、出世作「ラスト・オブ・モヒカン」や「インサイダー」も
銃がバンバン(モヒカンはでてくるけど)でてきて撃ち合うわけじゃないけど、
やはり「男の世界」を描いている点では首尾一貫している。

でそこにやはり得意であり、監督の好きな分野であるクライムノヴェル、ノワールの世界を、
水を得た魚のように描ききっている。

またキャストも実力派揃い。実在の銀行強盗ジョン・デリンジャーにジョニー・デップ。
彼を追う捜査官メルヴィン・パービスをクリスチャン・ベール。
そして運命の女ビリー・フレシェットをマリオン・コティヤールという布陣。
芯がしっかりしているので周りもまたいい演技をしてくる。ひさびさの至福の時間。
いやこれをしっかり劇場で観れたのは良かった。
まだの方で思うところのある人はすぐに劇場に走るように。
でないと後悔するぞ!といっとく。


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いろいろ余談。
時代的にマシンガンはトンプソン。
いわゆるシカゴタイプライター、トミーガンと言われたサブマシンガンがメインアーム。
トンプソン・サブマシンガン - Wikipedia
この物語は1930年代初頭の物語だけどこの銃はその前から使われていたし皆様ご存知「コンバット」のサンダース軍曹の愛銃としても御馴染みのように、第2次世界大戦でも改良型が使われていた。まあこのあたりはウィキペディアにも言及のあるとおり時代を反映した武器なんだけれど、自分がオッと思ったのは、多分前にデリンジャーを描いた映画を観てから随分たっているのでその時もつかわれていたのかもしれないが、ギャング団のメンバーがBARを使っていたことだ。

これも実は「コンバット」で小隊の隊員ケリーが使用している今風に言うと分隊支援火器というカテゴリーに属する機関銃である。このあたりのカテゴライズは面倒だけど、ざっくり解説すると、サブマシンガンは弾が拳銃と共通。取り回しやすい。対して分隊支援火器、マシンガンというのは使用弾が小銃弾であり2脚などで地上に固定して使う。ただし大型の機関銃のように完全固定ではなく持ち運びも容易であることがあげられる。日本軍では軽機(軽機関銃)といわれていた。ランボーの使っていたのもそのカテゴリーの銃です。
で、そのBARをバリバリ撃つシーンがあったりでかなりガンマニア的は唸らされましたねえ。
あとチャンベールが登場シーンで使っていたステアーのライフル(ダブルセットトリガー)とかもそうだけど、
ほんとマイケル・マン。こだわりの人だ(笑)
ブローニングM1918自動小銃 - Wikipedia

キャストではちゃんべーるが呼んだダラス支局の助っ人、ウィンステッド捜査官、カウリー、ハート捜査官。
そのうち一人ウィンステッド捜査官は「アバター」にも出ている人らしい。エキブロお友だちのkiyotayokiさんが言及&写真をアップされてるのでご覧下さい。
映画の心理プロファイル : 『パブリック・エネミーズ』(2009 米)
でも実はその右側のヒゲのおっさん。クラレンス・ハート捜査官、そうあの「ゴジラ・ファイナルウォーズ」にご出演されてた、ドン・フライ先生でございます(笑)
ドン・フライ - Wikipedia
なんの縁でこのようなご出演とあいなったのかは分からないけれど、見事に無口な捜査官をその佇まいで見せ付けてくれました(笑)
セリフいっさいないけど、リトルボヘミアでの襲撃シーンではウィンステッド捜査官との連携の描写はまさにプロって感じ。

そういう細部にもこだわりのマイケル・マン作品ではあるが今回は音楽も良かった。
ひさびさにサントラ買ってしまいました。
1曲目「テン・ミリオン・スレイヴス」や8曲目「バイバイ・ブラックバード」など名曲揃い。
久々に個人的には盛り上がった映画だった。
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by tonbori-dr | 2010-01-07 23:01 | Movie