ロバが旅に出たからといって、でも「アサルトガールズ」

お次は『アサルトガールズ』
押井守の新作にして久しぶりの実写長編(その間にTVドラマや短編はいくつかあったけれど)
で今回は
「今までは頭で映画を作ってきたけど、今後は体で直感的に作っていきたい。その第1弾がこれ(『アサルトガールズ』)です」/舞台挨拶でのインタビューより


なんて言ってるけど、まあそういう部分は散見された。
けどそこは押井監督、この作品はオムニバスガンアクション作品『KILLERS』という作品で撮られた、
『.50Woman(ハーフウーマン)』という作品での重要なガジェット、アンチマテリアルライフルを。
黒髪の少女がかかえてあまつさえそれを撃つ!という作品である。

でもそういうこととか、物語の空間がアヴァロンだろうと、
(押井監督の実写長編作『アヴァロン』のタイトルにもなっているヴァーチャルリアリティゲーム)
そこにあるのはいつもの押井節なのである。

メシを喰うとか、犬とか、
間とか、時には(「スカイ・クロラ」や「イノセンス」ではギャグ成分が少なかったので)ギャグさえも。
ちなみに押井監督はタツノコで鍛えられているし、出世作は「うる星やつら」だ。

そういう意味では叩き込まれたもので作ったらやっぱり同じにならざるを得ないんだよねwww
とはいえ押井ニストとしてはお布施しにいかなくちゃと、まあそんな感じ。
なのでやはりロバが旅に出たとしてもやはり馬になって帰って来るわけじゃない。
少々タフで利口になるか、達観するか、体が丈夫になったかの違いだけ(笑)

あまり押井ニストで無いのなら観なくても問題は無いけれど、
例えば前述の『.50Woman』とかが好きで、
『女立喰師列伝・ケンタッキーの日菜子』の先が観てえという人には若干オススメかも(笑)

それよりかは公式サイトの押井語録、
今日のオシイズムの一言インタビューが面白い。押井研究者は必聴ものです。
押井守監督作品 映画『アサルトガールズ』公式サイト

ストーリーは特に無いし、「アヴァロン」のようなモノを期待するとコケるので、
監督本人の談による緩い感じがうんうんとうなずける作品だった(ヲイ!)

でも映画同人的なフェチズムと銃器への偏愛が感じられて、そういうところは個人的に大好きだ。
まあ小規模ロードショーなので観れる人は限られているだろうけど、
押井信者は劇場まで走れwww

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ちなみにコネタ的に、

黒木メイサの演じる役名がグレイだけど、
反射的に、たがみよしひさのその名も「GRAY」を思い出した。
マシンに支配されたデストピアでレジスタンス掃討をして働く戦士グレイの物語。
ありがちなストーリーではあるが好きな作品だった。
そのグレイがつかっているのはアンチマテリアルライフルと書いたけれど、
RAI model 500という珍しいライフル銃で弾倉(マガジン)ではなく、
単発でボルトに弾丸をはめ込んで装填する。
ドルフ・ラングレン主演のその名も『スナイパー』(多分未DVD)に登場し、
その道のマニアは知っている代物だけど自分がこの珍しい対物ライフルを見たのは
「コバート・アクション」というイラン・コントラゲート事件を元にした社会派アクションで、
工作員のおっちゃんがそのライフルを持ち出して警官隊と一線をかまえようとする話だった。
そんなに楽しい話じゃなかったけれど異形のライフル銃はすごく印象に残った。
今はアイバージョンソンが生産を引き継いでいるようで、
Iver Johnson AMAC-1500という名前らしい。
Modern Firearms - M500, M600 and AMAC-5100, M650 .50 caliber sniper rifles
対物ライフル - Wikipedia
映画 スナイパー/狙撃 - allcinema:
映画 コバート・アクション/復讐のスナイパー - allcinema

そして佐伯日菜子演じるカーネルが使用するFALは押井さんお気に入りの突撃銃。
アヴァロンの小説版、「灰色の貴婦人」の主人公もこのFALを愛用している。
イギリスが以前に使用していた軍用ライフル銃だが、
今でもその堅牢さと簡単な機構で一線で使用されている。
でもAKほどではないのでマイナーな部類に入る突撃銃だ。
しかもデカイので取り回しに難があるけど先のアンチマテリアルライフルといい、
このFALといいデカイ銃を女性に持たせると画になるという押井監督の妄念がひしひしと伝わる(笑)
いやそういうの好きだけど(笑)
FN FAL - Wikipedia
女立喰師にも出ていた機動兵器「天人」も今回は動くのでそこも見どころ。


あと唯一といっても出演者4人なので黒1点な藤木義勝演じるイェーガーの20㎜砲は、
オリジナルデザインらしいけどスコープとゴーグル連動というのは
ボトムズ外伝「機甲猟兵メロウリンク」を思い出した。主人公メロウリンクの使う対ATライフルも
そういう照準システムだったので。
元は別の映画に使われたものを監督が気に入って借り出したものだとか。
聖白百合騎士団
このガジェットもなかなか雰囲気があるのでその筋の人は一見の価値ありかも。
ちなみに『聖白百合騎士団』でつかわれたバージョンより短くモデファイされ前述のスコープシステムが搭載されたらしい。

でも大島というロケーションはいいですなあ。
日本映画も初期の頃はこういう現場で戦争映画とか撮ってたはず。
屋外だし火山性のところなんで危険もあるが、やはり隔絶された世界というか。
ロケーション的にはめちゃくちゃ正解でした。
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by tonbori-dr | 2010-01-05 23:44 | Movie