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戦争映画だからといって。「イングロリアス・バスターズ」

タランティーノの「イングロリアス・バスターズ」観てきた。
なるほど普通の戦争映画とは違う!

押し寄せる兵隊。
街路での激しい銃撃戦。飛び交う戦闘機。
火を吹く大砲、白波けたてて水面を走る軍艦。
地鳴りをあげて迫り来る戦車。
が一切登場しない。

代わりに出てくるのはナチとバスターズ。そして復讐に燃える少女?

これは予告編でも出てたけど、本当にそれだけ。
で面白い映画を作ってしまうタランティーノは才能があると認めざるを得ない。
個人的にはタラちゃん映画ランク1位ではないが、すっげえ面白かった。

とともに、こういう戦争映画アリやなというのは昔、戦争映画がたくさん作られていた頃にはあったように思うのだが、
ここまで徹頭徹尾普通の戦争映画をなぞらないのはある意味、立派。
戦争のアイコンである上に挙げたシーンを使わずとも戦争映画は作れるという事さえも示した。

というか実は戦争映画らしいシーン、あるんだけれど、それがまた凄い事になっている。
うーんネタバレしないでというのは難しいけど、これは劇場で観てなるほどと思って欲しいのでココまで。

でもこれだけはいっときましょうかね、勘のいい人はOPの音楽で、「あっ!」と気が付いちゃうかもしれない。

「イングロリアス・バスターズ」の映画詳細、映画館情報はこちら >>



ここからは少しネタバレ~








ちなみに元ネタは解らないのが大杉でした(笑)
けど「特攻大作戦」はやってましたねえ、
あとブラッド・ピットがアルド・レインでスピンオフしてほしいなみたいな事を言ってたけど、
実はタラ映画ナンバー1にならなかったのもそこで、アパッチことレイン中尉ってキャラが自分的には面白すぎてて彼の物語が観たくなったから。
いや基本的にこの映画の美味しいというか主役はユダヤ人少女のショシャナとナチのSS、ユダヤハンターのランダ大佐なんだけれど、
アルドも観方を替えればすっごく面白そうなんだよねと思ったので。
と思わせるくらいに豪華かつ中身の詰まった極上の映画でした。
あとね、物語だけでも凄いんだけどユダヤ人とナチの部分は圧巻かつそこまでやるかという部分が。
でもそこまでやるからこそのタランティーノだし、本気だよなあと
(ツレである「ホステル」の監督イーライ・ロスが俳優兼アドバイザーとしていたとしても)
ただそこで好き嫌いは分かれるかもしれない。
もちろん衝撃のラストの可否も含めて。

そして残酷描写がキツイ方にもオススメできかねる。映画好きというなら観て欲しいんだけど、
残酷描写はいやだという方もいらっしゃるので。
でもタランティーノは面白いし好きだからやってるんだけど(と思うんだけど)、
面白いのはそこに意味が生まれてきていてこれはやはりイーライ・ロスやバスターズの面々をユダヤ人としたことによる。

でキャストについては、
しかしランダ大佐役クリストフ・ヴァルツはベテランらしい味をしっかりと出していた、
カンヌでの男優賞も納得であるが、ヒロインのショシャナ役メラニー・ロランは今後くるんじゃないかな?
それぐらい芯のある演技を披露したと思う。あとイーライ・ロスは意外といわゆる性格俳優だというのが分かった(笑)

でさらに蛇足なんだけれど、ベクトルが全くちがうんだけどナチつながりで実写版「ヘルシング」が作られることがもしあるなら、
是非、タランティーノに撮って欲しい。あの少佐の長台詞を映像化出来るのは、
今回のランダ大佐のシーンを観てタランティーノしかいないと確信したのでwww

by tonbori-dr | 2009-12-16 21:22 | Movie