*ディストピアのパルチザン。『ターミネーター4』

なんだろう、初代『ターミネーター』を観た時に挿入されたカイルのいた世界のスカイネットとの絶望的な抵抗活動。T-1がキャタピラーを軋ませ、ハンターキラーが空を飛びまわりT-600スケルトンが徘徊しレジスタンスを狩り立てる。
そーいうシーンを観たかったんじゃないのか?おまえはと言われると、ああ、すごーく観たかったよ、チクショーめ!と言っちゃうわけだよ(苦笑)

なのでね、割と楽しめましたyo。
そりゃそうでしょ、OPでいきなりの湾岸(パパブッシュの頃のトマホークの映像)戦争の頃に散々TVで見た巡航ミサイルのカメラアイ視点から、A-10サンダーボルトが飛び回り、OH-6からレジスタンス降りてくる様は、そうそうこういうのが観たかったのさというシーンですよ。
そりゃもう間違いない。ただ不満を言えば、それが真昼間ということでやはり抵抗活動は夜陰にまぎれてナンボという人にも、きっちりナイトシーンございます(笑)そういう画はたんまり用意されているわけで、他にも廃墟となったLAでT-600がミニガンでバリバリ、人間を追い立てる。あげくには巨大人狩りロボットハーヴェスターに捕獲した人間を運ぶトランスポーターやハンターキラーとのA-10の空中戦の大盤振る舞いっすよ。
いやごちそうさまでした。

でそういうシーンのてんこ盛りなのに何故心が晴れないの??





いや分かってる、分かってるんですよ、全部をもとめちゃいけないっていうのは(笑)
実際マックGは普通の監督なら、コレちょっとババちゃうかーというカードを引いたのかもしらんけど(特にモストウの『3』の後では)チャレンジ精神でどうにかするのさという脳天気さはやはりチャリエンで鍛えられたものなのか?いやまあそれはおいといても多方面の重圧の中、個人的には見たかった画を見せてくれて感謝。
これで永年の胸のつかえがとれたってもんですよ。いくらいつか観た近未来ディストピアとしても(笑)きっちりそれを映像化は誰もしてこなかったわけだし、ジョン・コナーの物語は背景としてしか存在しなかったのだから。そこに無謀といわれようとも血肉を与えたことによりこの先の物語も語られていってもいいんじゃないかなと感じたんだけど…、

だけど売れっ子クリスチャン・ベールをジョン・コナーにキャスティングしちゃったのが、やはり厳しかったのか、スタジオでスタッフに吠えまくるちゃんべーるに愛想をつかしたのか、主人公はマーカス・ライトなる人物にフォーカスしていくところでねー。いやね、彼のもつ意味とかを書くとネタバレのバレバレになるのであんまし書けないけど(といっても予告編を観ればかなりバレている。)やはりバディモノならいざ知らず、別々のお話がガッツリ絡み合っていくストーリーって難しいんだよーって。基本未来戦争をガッツリ見せてくれているのでドラマ部分でのちょっと複雑さが(それほど難しくはないけれど)テンポを殺いでブレーキがかかるんだよね。そこがテンポ良ければ本国アメリカでももっとウけたと思う。

それと思ったのは、ターミネーターいやさT-800、T-850というキャラクターの大きさ。シュワ知事が最初カイル役をオファーされていたという話を聞くけど、もしそうなっていたら結構ショボイ『爆裂未来から来たヒットマシーン』なんていうB級なタイトルでビデオスルーされていたかもしれない。それくらいあの淡々と迫り来るマシーンとしてのターミネーターの恐ろしさ。そしてシュワ知事が善玉になった後は、同じく無表情なロボットが主人公たちを襲うことになるのだけれど、やはりシュワが出てなんぼという事が刷り込まれてしまったのだなあ。これはエイリアンシリーズが結局リプリーの呪縛から逃れえぬのと同じ感じを受ける。

Gun0826さんが書いているように
ただ、これもパンフレットに書いてあった事とかを引用するんだけど「エイリアン」シリーズが"リプリー"という強烈なヒロインの物語に帰結していくものであるように、「ターミネーター」はその"神話"の中心にいるサラ・コナーにまつわる話に帰結していかないと、やっぱり据わりが悪いわけで、そういう意味では今回、物語軸上の主役であるジョン・コナーよりも、マーカス・ライトという男がドラマ的に中心になってしまっている点が"弱い"んだな。

えろぶろ at Excite : ターミネーター4:Terminator Salvation
というのもその通りではあるんだけれど、実は『3』の審判の日は起こってしまったんでいっそのことこの1作で話のケリ(一応のではなくこの物語での完結性を)つけてしまうくらいにしても良かったんじゃないかなと。
ただそうなると新3部作として予定しているわけだから、お金を出している弁護士にコンサルタント的にはヲイヲイってなるけどその制約で結果、自縄自縛に陥ったかなという印象がある。だから結局サラに帰るような展開にせざるを得ないのがこの作品の一番の枷であり、そのハンデを背負いながらもよく闘ったなと。

けどこうなると『猿の惑星』シリーズと同じ運命を辿っていくのかなという気がしてならない。ただオリジナル『猿の惑星』シリーズは大ヒットしたが故に続編が作られていき、その時々の世相を取り入れつつ後の作品もそれなりに成功した。しかし『ターミネーター』シリーズは産みの親キャメロンが監督した2作は成功したがキャメロンの手を離れた3作目は散々な評価だった。だけどキャラクター性は『猿の惑星』シリーズのように非常に強く人気がある。多分スカイネットと人間の攻防戦になんらかの決着が付かない限り、今後も作品はつくられていくのだろうし、もしかすると1作目をリメイクというような異常事態も発生するかもしれない。まあそこまでいったら面倒見きれないけど、この未来戦争の結末がもしつくのならそこまでは観てみたい気がする。


メカスキー的にはハーヴェスターの足からモトターミネーターが出てきたときに『電人ザボーガー』を思い出したが別に合体して1台になるわけじゃなかったゼ(笑)

この辺りは日本のアニメーションで先頃、企画開発が進んでいると発表された『バブルガムクライシス』の影響も(それだけじゃないけど)見て取れる。

それとホンモノのA-10とかアメリカは太っ腹というか簡単じゃないだろうけど撮影協力というものがしっかりしているよね。まあ『トップガン』を観た時からいや『ファイナルカウントダウン』の頃からアメリカの協力好きは全然変わらないか(笑)

キャスト的にはコモンっていう人が出ているんだけど『スモーキン・エース』とか『ウォンテッド』にも出ててこの人もラッパー出身の人だそうだ。そのうちL.LクールJとアイスキューブとウィル・スミスで何かやったら面白いと思います(棒読み)というかギャングスターラッパーからアクターっていうのはかなり既定路線になってるんだなあ。

そんでヘレナ・ボナム・カーターがでているのを知らなかったので驚いたがさらにカナダのニコルソンことマイケル・アイアンサイドが出演していたのには驚きと共に嬉しかったッスなあ。久々にスクリーンでそのご尊顔を拝んだがあいかわらずコワモテだ。

マーカス・ライト役サム・ワーシントンも中々の適役。ちゃんべーるが推薦したとかしないとか(笑)地味系だけどキャメロン(!)の新作にも出るそうな。

ムーン・ブラッドグッド。A-10パイロットブレア役の彼女はこういう映画には欠かせないタフガール役としてブライス・ダラス・ハワードがちょっと母性を発揮している分そういう部分を担当している(笑)

そしてエキブロ友だちkiyotayokiさんも指摘されてるが、カイル役の少年はスタートレックのチェコフ役でも出演なんだそうだ
映画の心理プロファイル : 『ターミネーター4』(2009 米)
アントン・イェルチンくん。4歳の時に1を観たとか。なんかもー時代を感じるッス(^^;
しかも松山ケンイチと掘北真希と共演してるんだとか。
ターミネーター4:アントン・イェルチンさんに聞く 「魂をつかんで」あこがれのカイルに(まんたんウェブ) - 毎日jp(毎日新聞)
うーんこれからもちょくちょく名前を聞くことになりそう。

本国の評価がイマイチで成績も伸び悩んでいるそうだけど日本の成績如何では5,6の制作にも関わるかも?個人的にはこの先は観たいよねと思っているのでともかくヒットして欲しいなあ(一応公開した週の興行収入はトップをとった)と思っている(マジで)

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by tonbori-dr | 2009-06-18 23:47 | Movie