実は普通に面白い『犯人に告ぐ』

追記:エントリタイトルを『実に面白い「犯人に告ぐ」』から改題しました。

今日の日曜洋画劇場は特別企画でwowow制作の初の劇場映画を地上波初放送。

実はこの映画、公開時にwowowで先行放送やったんで観た人もいるんじゃないかと。
で原作は既に読了。というか映画化される前に読んでいた。
そんで実はDVDも借りて観ていたわけで(笑)なので番外ではなく正統にスルー映画祭り参加枠扱いとして(笑)

で結論から言えば、『容疑者Xの献身』と遜色ない出来だと言ってもいいだろう。
元の小説もサスペンスと警察小説としても良く出来ていたし、内容も原作をよく噛み砕いて入れ込んでいた。
もっとも少々映画では駆け足的な部分も見受けられたが実力派の派手ではないキャストを揃え安心できる出来栄えだった。

少しアップが気になったがまあそれはコレからの課題だし、TVとVシネマの弊害かもしれないが、作劇的にはやはり育っているところは育っているんだなと。

ただこれが『容疑者Xの献身』と同時期に公開されたとして同じようにヒットしたかどうかは正直言って難しかっただろう。

それは宣伝規模とか、仕掛の部分。
実際お話の規模としては広域捜査を扱っている分、実は『犯人に告ぐ』の方がスケールは大きい(笑)
結局TVスポットとかドラマの出演者とか旬のキャストというのは
それほど映画好きじゃないお客さん、ぶっちゃけていえばシネコンに来るのはデートか家族サービスな人々をどれだけ多く引き込める要素なわけで。
そう考えればトヨエツもバリューはあるけれどという事。

そういう外野の(ビジネス上では大事だけど)な部分を引けば遜色ないよという話しだけど、ただ大きく目を引く部分、例えばさっきのアップの話なんだけれどそういうスケール感が上手く出せていないのがマイナスポイントなんだろうなということと、ちょっと作っている側にも迷いがあるのかなと感じる。でも充分映画になっていたのだから、自信をもっていいんじゃないだろうか。




キャストに関してはトヨエツの初の刑事役ということだが、ぶっきらぼうだが誠実な仕事人巻島を好演していると思う。今後も刑事役を回してもいいんじゃないだろうかな?

で凌さんは憎憎しげに曾根を演じている。こういう部分が大事でちゃんとキャストが機能しているのが嬉しい。

小澤征悦は小説の印象とは違うが神経質なエリートを上手くモノにしている。これまで朴訥な役柄が多かったので本人もそうとう入れ込んでいたのだろう。ちょっと入れ込みすぎかとも思ったがまあよしとしよう。

その他にも松田美由紀に笹野高史、中村育二、井川遥などが出演。
とくに池内万作がいい味を出している。
他にも『SP』や『相棒』で観た顔が出ている。最近のドラマできちんとお芝居の出来る人たち。そういった人たちをちゃんと使っている部分にも好感が持てるし序盤の警視庁との主導争いに顔を出す刑事役で嶋田久作さんとか、そういう部分が高評価につながっているといってもいい。

それ以外にもおさえたカメラワークなど総じて丁寧にきちんと作っていると云う印象。
そういえばうるさ型で知られる崔洋一監督が役者として出ていたけれどどういう感想を持ったのか、聞いてみたいところ。

あと余談だけど今日の地上波版はあるエピソードに関連する(この話は2つの話を内包しその上にそれぞれサブのストーリーがある。最初に巻島が関わる誘拐殺人事件に関する事。そしてBADMAN事件に関する事)描写がバッサリ切られている。
実はコレのおかげで小澤くんの力んだ演技がいい感じになっていたことがちょっと可笑しかった(苦笑)でも片岡礼子がTV画面だけの拝見になっちゃったのは(ネガティブな情報を流すニュースキャスター役)ちょっと可哀想な感じだがまあメインに積極的にかかわる要素ではなかったのでコレはコレで良かったかも。というか初めてカットされても特に怒る気にならなかったなあ(笑)
とはいえ片岡礼子さんには失礼な話では有るが時間との兼ね合いで仕方のない所か。
まあこれが結局地上波の弊害なんだけれど、それでもクオリティの高さは充分に伝わった。あとはそれをどう劇場へ還流していくのかという部分かなと。
まあそのあたりはまた別館で書いてみようと思う。

原作も読み応えのある作品なのでオススメ。なのに同じ作者の『クローズド・ノート』は読む気&観る気がおこらないんだろう?というのはヒミツだゼ(爆)

「犯人に告ぐ」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
[PR]

by tonbori-dr | 2008-11-16 23:22 | スルー映画祭り