*ホントウのウソ。『ザ・マジックアワー』

マジックアワーってのは
『太陽が落ちる瞬間の周囲が暗くなる僅かな時間』なんだそうだけど(これはパンフの裏表紙見開きに書いてある。)
『映画秘宝』のバッド・ムービー・アミーゴスで『夕暮れどきだけじゃねえぞ」をお三方がご立腹。それは映画の中でマジックアワーが『夕暮れ』限定だし宣伝でそういうものいいをしていたから。とはいえそれ以外の事でも言ってはりましたが、個人的には悪くなかったよ(笑)つまりこの映画はそういうマジックアワーを見せる話。

まるでセットのような町『守加護』そこでダンスホールの支配人がボスの愛人に手を出した。当然その代償は命!だが伝説の殺し屋『デラ富樫』を連れてくる事を条件にしばしの猶予を与えられる。もっともその支配人は全然、デラ富樫の事を知らない。そこで一計を案じて売れない俳優、村田をスカウトする。支配人は村田に映画の撮影と偽り、デラ富樫を演じさせてこの場を切り抜けようとしたのだ。だが事態はさらに・・・。

完全に舞台劇を映画に持ってきたという印象。ネタは笑える。『ホット・ファズ』とは違うけど笑いは笑い。ただ個人的に好きなネタを使っているだけにどうしても厳しく観る自分がいる。でも豪華なキャストが、前回の有頂天では機能しているものの尺が長く冗長な感じを拭えなかったのに対し、今回は『守加護』という町(舞台)に押し込めたことでうまく機能している。

とはいえ前段で色々顔見世興行をやることによりちょっとした豪華感を漂わしているが果たしてそれは必要だったのかとも。

基本的にはコンゲーム。ネタは割れているから、そこからどういう風にオチをつけるのかというのが基本。もちろんドンデン返しも含めて。

古い映画ネタをも突っ込みつつ展開されるのはまさに三谷喜劇。これが東宝のアクション&コメディへの目配せ、もしくは日活へのそれがあればさらに面白かったのだが。

このあたりは難しいなと思うところ。

だが尺がちょっとだけはみ出ているのを別にすれば上々じゃないだろうか。


とはいえ少しひっかかるところも。



もっとも個人的には納得いかない点がいくつかあって、実はこの映画、ネタが暗黒街(ギャング)モノでなければ観に行くかなかったんだけど、その肝の部分がちょっとひっかかった。実は三谷監督はとりあえずのオマージュをささげている東宝アクションに関しては、それほどじゃなく、さらにその元ネタになってる『カサブランカ』をしたいがためにそういう体裁をとったんじゃないかなと思うのと、そのためのオチの回収の仕方のちょっと雑さ加減?もしかすると洋画的な回収っぽさなのかもしれないけれど、そこが気になった。そのため、そこらへんが自分にとって大いにマイナスになって、映画上映中は笑えたのにもかかわらずこのオチの回収でちょともやもや感が膨れ上がる。どんでん返しとか折角決めたんだから大元までやってもらわないとふん詰まり状態のまま終演。非常に残念。自分が日活無国籍に東宝暗黒街が好きなもんで、そこらへんのフォーマットを踏んでないのが残念だった。

とはいえ榎木兵衛さんが出演されている(特殊効果の職人さん)のは良かった。この人は超ベテランで日活アクションにも多数出演。優作の『探偵物語』も出ている御方。ベテランさんの元気な姿を、しかもらしい役で観れるのは眼福なかぎり。
寺島アニキのカッコよさは当然で今までの役柄の中でもカッコいいトコをあつめて固ゆでにしましたぜという感じ(笑)西田さんは当然としてもフカツちゃんの可愛さと上手さは相変わらず。とまあここは三谷さんの人徳というかいい人が集まっているよねと思う。あと特に一押しは伊吹さん。『新撰組』でも剣豪役で場を締めたけど今回はコミカルリリーフをうまく演じている。こういう人に意外性のあるところをもってくるのは定番とは言えやはり面白い。

でも三谷映画って映画館で観たのとか、観てないけどTVで観たのも含め『ラヂオの時間』が一番良かったかなと。アレは映画というとこへ初めて手がけたというのとキャストが上手く機能した作品で舞台を映画にした一番上手くいっている作品だと思う。
とりあえず時間のある人にはオススメできる作品。やはり一番最初がいちばんなのかなあ・・・。


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by tonbori-dr | 2008-07-24 22:27 | Movie