*巷で今年1番と評判の『ミスト』雑感(ネタバレ)

えーととりあえず今年『ゼア・ウィルビー・ブラッド』とともに傑作の呼び声も高いフランク・ダラボンの『ミスト』観てきた。

実は先々週に観たんだけど色々あって感想書くのが遅れてしまってもうファーストランは終わってしまったが、今日の山下達郎の『サンデー・ソングブック』で観てきたという話が。
達っあんはキングファンで観たかったとのこと。感想はありませんでしたが。

で、肝心の内容だけどなるほどこれは良い映画。最近、なんだか最近トンデモなのを観ているせいかすごくちゃんとしたのを観た気がする。内容は相当に重くのしかかるものがあるけれど良く出来た映画だった。またそのことは疑いの余地が無い・・・んだけれど。


スマン。自分は釈然としなかった。
つうかキルゴア大佐がこの主人公に水筒の水を飲ませたかな?とちょっと思ったんだよね。
うーん分かりにくい例えだけどれど。
とりあえずお前は良くやった、はらわたをぶちまけるほどよくやった、だから水を飲めといいそうなんだけど、やっぱりお前は『ベスト』を尽くしていないぞ!ともいいそうかなと。と、これはあくまでも個人の『印象』の話。

それとともに冷静に考えれば『傑作』認定にはちょっとどうでしょうかと。
確かに映画が好きな人には最期のオチを含めての流れや、作品に含ませてある毒というか闇の仕込み方にしびれるのは分かるけど正直『良作』『佳作』じゃね?という気がする。
同じだろという人もいるかもしれないけれど自分は『傑作』というのはエバーグリーンで流れを変えうる力を持つ作品であり、そうでない『良く出来た映画』は『良作』『佳作』だと思っている。

こっからはさらにネタバレになるので。








ということでネタバレしますが、




正直シネフィルからボンクラ系の人全員がサイコォー!って言っててそれはよく分かるんだけれど個人的には『スターシップ・トゥルーパーズ』的なムシどもは皆殺しだ!戦って闘って、死ね!ディス、イズ。スパルタァア!!ウラーっていうのが個人的にしっくりくるし真のボンクラはそういうもんでしょう。まあちょっと不穏当だけども。、だからコレはしっくりこねえなと(笑)いう話もあるんだけれど、それとは別にサイコーってのいうのもちょっと違うんじゃないかと。
もしかするとトンデモな邦画ばっかりが幅をきかせているんで(良いのもあるけどメジャーではあまり配給されていない)イッーとなっていたところにコレなのでうぉッとなったのかなという感じが。

もちろん『スタトル』とか『300』の好きな人でも『ミスト』はその突きつけ度が尋常じゃないので絶賛している人多いのも分かるんだけど。

まあダラボンもいってたけどそうやって問いを残して観客に考えてもらいたいという点では大成功・・・なのかなという気もする(苦笑)


でもやっぱりこれ傑作じゃなくて『佳作』だよねとは強く思う。基本的には『蝿の王』をキング的にやって(というか結構キングの街に閉じ込められた系ってそういうの多い気が。でも原作読みじゃないのでそこらへんは原作読みの人に聞きたい)、それにダラボンがあえてセオリーから外れる(といっても大外しではなく納得できる外し方)なオチをつけたという作品で実際オチが無ければ凡庸な作品になっていたことだろうとパンフで映画評論家の北川れい子さんも書いていたが自分も同感。実際はじまってホミサイドのペンブルトンが出て行ってマーシャ・ゲイ・ハーデンの暴走が出た時点ではおいらもそうなるなと思っていてなんで、これが傑作なんだ?と思っていた。これ『蝿の王』じゃね?とだからこそのそういうオチも納得。というか『蝿の王』ならば、そうなってもおかしくは無い。もちろんその逆がセオリーだけれどもさ、逆もあるのは読筋だしその問いが強く残るがもしそうなら『トゥモロー・ワールド』だってもっと傑作認定すべき!じゃないかという気がするんだけど。

それにそこを強調するあまり冒頭に出てきた人物をまた、ラストに印象的に映し出しているんだけれど、自分がこれを傑作じゃないと認定したのはまさにココ。だってその人の選択が正しいから主人公の選択は最期の最期でしくじった。闇に呑まれたという事ことを印象付けたかったようだけども、それだとかえって単純な結果論でしかなくなるんじゃないかな。アレは完全に蛇足だった。あのシーンが無いとしても中盤、主人公たちが取らなかった行動、具体的には霧に巻かれた上でのなぜTVやラジオで外界の情報を得ようとしないのか?またラストのシーンがああなら情報が入らないのは何故?という疑問が。そんなことは小さな事というなら、他の映画たちの『小さな』事も見逃さなくてはならなくなる。ここはちょっとした説明が欲しかったところ。

だから良作、佳作と認めるけれど個人的にはやっぱり傑作じゃないなと思うんですが。

キャストに関しては主演トーマス・ジェーン。スーパーで一瞬『パニッシャー』の面構えになったのが個人的に超ツボだった(笑)
副店オリーのトビー・ジョーンズ。助演男優賞モノ。一番人間臭い役を上手く演じていた。日本なら温水さんとかの役回りなんだろうなあ。でも温水さんではあそこまでの狂気がだせるかなあ。というくらいに良かった。あとダイハード2のスチュアート大佐とか先にも書いたがパニッシャーの隣人がドラマ『ホミサイド』のペンブルトンとか(ちなみに職業はNYの弁護士役)が出ていてその点も楽しめた。
つかマーシャ・ゲイ・ハーデンは『ミスティック・リバー』とときと印象が違いすぎてこれぞ女優!って感じでした。彼女も助演女優賞モノだったなと思う。やはり向うは層が厚い。それは子役の子の凄さを見ても分かる。

しかし個人的につうかほら、霧の中から何かがっていう部分となるべく前情報いれなかったけれどダラボンは怪獣好きという情報だけがあって(^^;自分の中ではかなり盛り上がってて(苦笑)それだけにガックリ度も高かったが映画としての芯は通っているし演技陣も良かったのは事実。だけど怪獣映画じゃなかったなあ。確かにダラボンは『モンスター映画』と怪獣映画好きで『ブロブ』のホンを書いててそっちは怪獣映画的では在るがコレはあくまでもキング原作の映画であって、その『ショーシャンクの空に』とか『グリーンマイル』と同じだ。これはモンスター映画、いや怪獣映画じゃなかった。と自分では思っているのだけれどネットで見て回るとモンスター映画で括っている人もたくさんいた。(オマージュは一杯あったけれどもね)それならヒネリはしたけれどある意味直球の『クローバーフィールド』の方が清々しいし、よっぽど直球怪獣映画だったと思う。まあそれは個人の自由なんでおいらはそう思っただけ。

それと端々に9.11が影を落としているのは既にハリウッドの標準になったことも痛く感じた。この先も当分この影がついて回るのだろうな。そういう意味では必見かもしれない。

追記:
acoyoさんの久々のエントリがあがったのでTB。
B級映画だけどただのB級じゃないのよと言いたいみたいだ。『ザ・ミスト』:きょうのわたくし

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by tonbori-dr | 2008-06-08 23:10 | Movie