昨日は『交渉人』を観たが。

ちょっと家族が久しぶりにあつまって夕飯の儀。
でその後、流れで『交渉人 真下正義』鑑賞会。一度も観たことが無い妹が何故か喰いついた。

があのラストで、『で、犯人は誰?』と釈然としないご様子。

いちいち『パト』とか製作陣の意図する正体がはっきりしない犯人像とかを説明。
だがそれでも釈然としない。
そこで思ったけど、この映画の犯人は一体誰だったんだ?ということをはっきり言える人はどれくらいいるのだろう。

なんか無駄に長い話になるけれど。



脚本家の十川さんは『ジャッカルの日』のジャッカル(エドワード・フォックス)などがイメージベースにあると発言されているようだが(キネ旬のシナリオ解説本)、その上、ウィキペディアでは本広氏が完全パトを意識したということになっている。記憶が確かなら公開前後にそんな事を言ってた覚えが無いんだけどこのソース知っている人いるんだろうか?
交渉人 真下正義 - Wikipedia
と、横道にそれたがまずジャッカルの場合は実体として存在している。だが情報が無い。つまり戸籍情報やその他が不明。つまり居るけれど居ないというゴーストのような存在だが、それでも実体として存在し結局暗殺は阻止され射殺されるが、誰かは不明のまま。だが実体が動き回り必要以上の事を観客に残さないプロとしての凄みを出すためにその存在感は刻まれる。

またパトレイバーの帆場は物語冒頭に、バビロンプロジェクトの洋上基地『箱舟』から投身自殺』をする。死体は上がっていないが、そこかしらに残された彼の痕跡を物語のクライマックス寸前まで我々は振り回されることになる。それも彼が最初に舞台から降りているからこそ出来る演出。

翻って『弾丸ライナー』はその両方が混ざっている。だが問題なのは実体があり、感情まで露にしている様を我々が観てしまっているということ。もっといえば喋りすぎ。
『激突』というスピルバーグの出世作があるが多分この犯人像もこの映画(真下)に影響を与えていると思うんだけどこの場合主人公を追いかけるトラッカーは最期まで顔は出ないが、一切言葉を発しない事で雄弁にその存在をアピールしていた。

もしトラッカーが喋っていたら多分最初に方で顔を出していることだろう。でないと観客が納得しない。それは喋ることによりイメージが出来てしまうからだ。

弾丸ライナーは何人かの人が声をあてることにより(男女共に声を出している、雪乃役水野美紀嬢もそのうちの一人)性別を不詳にしているのに音声解析により男性と解ったり、感情を示す指で机を叩く仕草まで入れて感情のある人間として描写しているのに、その前には重要参考人の声紋一致者は既に死亡しているなど、単純にお客を混乱させているだけともとられても仕方が無いのではないだろうか?

まず範にとった作品群をもう一度よく観たほうがいいと老婆心ながら申し上げたい。

『ジャガーノート』のようにまず最初にデモンストレーション、そして接触、要求。
犯人は疎外された男なのかと思わせぶりに結局混乱させてしまうのは頂けない話。
公開当時、次(続編)あるかも発言があったけれど、するなら犯人はもうちょっとよく考えて頂かないとは思う。

追記:別に正体不明なら、それはそれでいい。犯人としての実体がよく解らないまま物語が余韻を残して終わる事などよくある。ただ能弁すぎる犯人を正体不明な男にするなら一度はその面を晒してとうとうと喋らせた挙げ句、あっけなく爆死。であいつはいったい何だったんだ?という方が凄みがでるかもねという話。フィンチャーの『セブン』のジョン・ドゥ−がそんな感じか。おなじ監督の『ゾディアック』などは未だ未解決な実際の事件にまで切り込んでいる、ってこれは余談。

とまあ色々書いたがそれでも以前から書いているように木島警視はいい仕事しているので、ほぼそれを観る為だけに観たような2時間半だった。いや寺島アニィ最高!っす。
あと國村準さんは演技するだけで、その映画の格が上がるなと本当に感心した。
そしてアリキリの石井君、コメディリリーフとしていい感じ。交渉課準備室の面々との(彼らもキャラが立っている)のやり取りもよい。そういう枝葉はいいんだけど・・・
TVドラマだと面白いかもねと言ってみるテスト。

あと観た後にちょっとつぶやいたんだけど、無駄にCMが長いのは地上波の仕様として仕方が無い(我が賢妹はTVを観ない人でブーブーいってたけど)としてもだ、あのCMの編集の仕方はいただけない。ラストは途切れなくきちんと流すように調整すべきなのに。
何だかなあ。地上波民放、CMはあるもんなんだからちゃんと鋏を入れないと。
久々にひどい編集ぶりだったなあ。もしかすると『シュリ』以来かも。
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by tonbori-dr | 2007-10-20 19:26 | column@Movie