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*しぶとい男は健在だった。『ダイ・ハード4.0』

そうそうアップを忘れていたが盆の間にこれも観たのであった。
ダイ・ハード4.0
びっくりしたのはアメリカ本国のタイトル『LIVE FREE OR DIE HARD』ではなく4.0でタイトルロールが作られていたこと。これには驚いた。ちゃんと差し替え版をつくっているとは!さすがハリウッド。

内容的には前3作の流れを踏襲しついてない男がまたまたついてない事件に巻き込まれるというダイ・ハードフォーマット。しかし時間の経過を感じさせるのは『ダイ・ハード』ではあんなに小さい女の子があんなにエロいや可愛くなってるとは(^^;時の流れをあらためて感じてしまう。

今回ブルース・ウィリスはここ最近の流れでは特にプライベートでははげ隠しはしていないが作品的にかつらをつかったりまあ色々やってる。だがこの看板作品『ダイ・ハード』では思い切って禿頭で臨んだ。これはちょっと驚いた。年老いた事を印象付けることよりも返って坊主頭のタフなガンマンという感じ。

監督はレン・ワイズマン、あのケイト・ベッキンセールの『アンダー・ワールド』シリーズを手がけた男。まさかマクレーンにガンカタさせる気じゃなかろうなと思ったらマクレーンはいつものボヤキつつベレッタをガシガシ撃ちまくる(後半は敵から奪った銃を使うが)マクレーンだった。だが最近一部で流行のヤマカシチックな体術使いを敵のテロリストに起用している。おいらはまだ未見なのだけれど『アルティメット』という映画に出ている人だそうだ。そこにマギーたんことマギー・Q。マクレーン相手にマーシャルアーツでボコにするところなどは流石解ってると言うべきだろう(笑)それと先日観た『デス・プルーフinグラインドハウス』にも出演しているメアリー・エリザベス・ウィンステッドがマクレーンの娘役で出演しているのもチェックポイント・・・かな?(笑)

基本的には『ダイ・ハード』は超えられていないけれどマクレーンはマクレーンらしいよねみたいなところに落ち着いているので『ダイ・ハード2』『ダイ・ハード3』がOKの人なら大丈夫と思うんだけど・・・。どうでしょうか、そうですか。






でやはり思うのは9.11の影響。いや実は『トランスフォーマー』はあきらかにあらかさまにやってんのでギャグか皮肉かと思ったんだけどよくよく考えると永遠のガキんちょベイとスピだしある意味、米軍翼賛がストレートにすぎる。なのでこちらとしてはまあその部分はラプターとかガンシップの借り出しのためのバーターかなと流せたのだが(^^;
でこの『ダイ・ハード4.0』にもそれは出ていてどっちかというとそういう流れとは関係ないという部分を強調するあまり底にそういうモノを意識させるという結果になってるかもと。敵は相変わらずの全4作中、3作まで犯人の目的が同じとか、警察が役に立たないのは毎度の事だし足を引っ張るのも毎度だけど敵が裏切り者でなく敵にディスインフォメーションを電子的に与えられ向かってくる状況は明らかに9.11以降のネットに対するある種の恐怖感なのかしらんと。まあ穿ちすぎですけれどね。

相棒というかサポートがギークの少年なのは相手がサイバーテロを仕掛けてくるからなんだけど喘息の薬のパイプを吸う仕草というかそういう話が最初あったのになんだか全然平気そうでそれがちょっと気になった。実際喘息ってたちの悪い病気なので。
でもギークで喘息持ちっていうのはアメリカのデフォルトなのか。ちょっと気になる部分。
まあウルヴァリンがハッカーですというよりはよほどセオリーっぽいよね、みたいな(苦笑)


F-35はまだ生産配備までいってない筈なので100%作り物ではあるがハリアーが退役した今、VTOL機としてはF-35ってことになるんだろうな。

ただそれほどの仕掛けの映画がどれほど作られるかは解らないが。おいら自身覚えているVTOL機が活躍した映画は『トゥルー・ライズ』くらいだけだもん。(他はよく覚えてません)

しかし今更ながらに『ダイ・ハード』悪役の最期は非常に秀逸でありあの末路は永遠にとどめられるべきものだろう。(演出に秘密があったそうだ、単純などっきりだそうだけど)(参照)
そこからすると今回マクレーンが、さらに体を張っているもののちょっとあっさりだったような。ラストもう一ひねりあるかなと思ったけれどその点はマイナスポイント。
但し前3作のような濃い悪党軍団にくらべあっさり味のテロリストながらそれなりに冷酷な悪党を頑張っていたが。

今回鑑賞して思ったのは、ヒーローアクションはどんな映画もどん詰まりに来てる気がする。CGしかり生身アクションしかり。しかもそれだけに傾注したアトラクション映画(トランスフォーマーやパイレーツ・オブ・カリビアン)が出てきた事によりそれだけを見せる映画なんかもあるわけで、コレからはどんな状況を創り出すか、それとキャラクターがますます重要性をましてくる気がする。今回マクレーンが離婚していてそのことで悩んだり、Gun0826さんが指摘していたけれど、ギークの少年にアンタは英雄だと言われてそうじゃない、ただ他にやるヤツがいなかったからだと語って聞かせてヒーローというものはこういうもんだよと。丁度アメリカが70年代ニューシネマが流行り始めてしかも治安は最悪、しかもモノホンの殺人鬼が闊歩するサンフランシスコでハリー・キャラハンがペイルライダーとして現れたように、9.11後に疲れたアメリカにそれでも愚痴をいいつつ奮闘する時代錯誤のヒーロー。

これでジョン・マクレーンはハリー・キャラハンなみに最もよく知られている刑事の一人になったわけだ。だけどウィリスの年齢を考えると次があったとして、次が最期になる気がする。不死身の男がどういう終わりを迎えるかは解らないけれどキャラハン刑事のように和やかにフェードアウトするのか、それともロッキーシリーズやランボーシリーズのように最期に一花咲かせて終わることを宣言するのか。『シン・シティ』でフランク・ミラーが描いたハーディガンvsイエローバスタードのエピソードはハリーの最期が込めてあるとミラーは語っていたが、その役をブルース・ウィリスが演じたことも含め21世紀の時代遅れなヒーローとしてウィリスがその手の役をどうこれから演じていくのかというのが気になったのは多分年齢のせいだろうな(苦笑)

まあ『グラインドハウス』とかで、これからまたアクション描写の印象の度合いとキャラクターの描写が案外70年代懐古的な手法でまた流行る・・・かな・・・。まあこんな事を書いてるとおっさんのボヤキと思われそうですが(苦笑)
けど、最期にこれだけは繰り返しておこう。『悪党の最期は工夫がいるのは間違いない。』
なんであれラストは悪党が生き残る、くたばるにせよそこが重要。

Gun0826さんのエントリ
えろぶろ at Excite:ダイハード4.0


「ダイ・ハード4.0(字幕版)」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

by tonbori-dr | 2007-08-31 00:35 | Movie