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*『ティアーズ・オブ・ザ・サン』って『ワイルド・ギース』っぽいが実は -番外編-

今日はTVでウィリスの『ティアーズ・オブ・ザ・サン』を観たんだけれど、これさあ、結局『ワイルドギース』じゃないかって話。

そりゃあ連れて行くのが元大統領一人か、難民かの違いはあるが敵地からの脱出という点は同じ。しかもさあ後半にネタばらしがあってますます『ワイルド・ギース』っぽさを増してくる。

それが何故アメリカ体制翼賛的映画と言われるようになったのかは現実にある国(ナイジェリア)が舞台で敵がイスラム教を信奉している反乱軍という解りやすい敵設定にある。

ちょっとおまいら自分らのやったことを棚に上げてそれかよと。
自由化と民主化とか言って、ベトナムでもイラクでも敵も民間人も同じ顔をしているだけで撃ち殺すようなことをやってんのにおまいらそれは無いだろうと。ただこれが名も無い架空の国にしても多分言われることは同じだろうけど。

だが神代の時代の話ならばスルー出来てもこれがスルーできないというのは変かもしれないなと言われちゃうかもしれませんねというのはありますな。いやなんの話かというと『300』のことなんだけど(^^;





というかどっちか罪深いかといえば『300』かもしれんけどあちらは理屈をふっとばす厨房イズムがあったけどこっちはヒロイックなだけにウォータース(ブルース・ウィリス)が政治なんかクソ喰らえというがそれが顔をだしちゃうんだよなあ。
なのでミリタリーオタクがデルタSEALの救出チームの装備とか(殆どの隊員がレイル装着のM4カービンでオプティカルサイト付にH&KMK23にサイレンサーとか)戦闘シーンに燃えるくらいしかないけど結局コレもニュース映像でそれが流されることに馴れてしまった我々にはどうしても今そこにある戦争を思い出してしまう。
しかも最期はスーパーホーネットで薙ぎ払え!をやってしまうあたり全然懲りてないやろあんたらと言われても申し開きの仕様が無いってわけだ(^^;

で『ワイルド・ギース』って書いたけどもっと言えばネイティブ・アメリカンをインディアンと言ってた頃からあった話だし日本でも時代劇でもあるモチーフ。そう脱出劇ではないがせまりくる連中に対して少人数(プラス足手まとい)で戦うってのはそう『七人の侍』ですがな。

仲間が何人か倒れるか全滅するかはそれぞれの映画によって違うけれどもあきらかにそうじゃないですか。最期に残されたものが強く逞しく生きていくエンディング。
まあそれもアメリカ体制翼賛ぽさを加速させるんでここあっさり処理したほうが傷口は浅いぞ!とかも思ったけど・・・まあここまでやっちゃあ無理か。


こういう作劇が駄目というわけじゃないが、あきらかに状況設定をよく考えないとこれからは厳しいなということがよく解った作品としても記憶に留めておきたい(苦笑)

あとアントワーン・フクーアって基本はボンクラ系監督というのがよく解った(笑)

あと余談ついでに一番最初に死ぬスロー役の人、どっかで観たと思ったら『ウルトラヴァイオレット』のラスボスだったわ(笑)
Nick Chinlund:IMDb

by tonbori-dr | 2007-07-08 22:53 | スルー映画祭り