*なんともイギリスらしいクライムムービー『レイヤーケーキ』

またまたGun0826さん(只今ちょっとお休み中)のところのエントリを観て、これは中々良さそうかもと前から狙っていたが何故か他のばっかり借りていたのだが、やっと観てみた。
えろぶろ at Excite : レイヤーケーキ

主人公は名無しの麻薬ディーラーのモノローグから始まる。彼の名前は作中一切出てこないMrノーボディ、XXXXとエンドロールにも表記されている。

麻薬ディーラーとして目立たず自らルールを課して巧みに立ち回り仕事がうまく回っているうちに引退を考えている主人公をダニエル・クレイグが演じている。
これが中々似合っていてはまっているというGunさんの見立てはナイス。というかピッタリだ。あとちょっと転びそうになってる潜入捜査官とかもいいかもと思ったデスよ。

その他のキャストも知らない人が多いが芸達者でいかにもイギリスらしい。
知っている人といえばリチャード・ハリスの次にダンブルドア校長を演じることになったマイケル・ガンボンにスタトレDS9のオブライエンで御馴染みのコルム・ミーニイあたりか。

派手に血が飛び散るわけでなく終始静かにだがその後ろで色んなものが蠢いている感じがよく出ている。

舞台がイギリスなんでやはりそこかしこに伝統、ジョンブル、階層ってもんが見え隠れしててそこがタイトルになってる『レイヤーケーキ』にかぶってくる。そんな映画






主人公は、上納金を払っているボスに呼び出され、裏社会の大立者の薬物依存症更生施設を抜け出した娘を探し出す依頼と、大物気取りのチンピラのデュークとの麻薬取引をするように言われる。そこまで手堅く商売をやってきた主人公はのっぴきならない状況に追い込まれる。大立者の娘と一緒に逃げたヤク中の男はアパートで死んでおり、麻薬はオランダからセルビア人の組織より強奪されたものだったのだ。少しづつずれだす主人公のレール。
そのセルビア人のボスからは、正体不明の殺し屋が差し向けられしらないままにその黒幕として付狙われたり娘の失踪に絡んでさらにやっかいな状況にというお話。

イギリスの映画とか監督とか、いつも思うがなにかハリウッドとは明らかに違う色合い、空気を纏っている。ちょっと湿っぽいのだがだからといって日本のようにベタでもなくアメリカーンのようにドライでポンでもない。やはり島国という部分と明らかに階層があってそこで生活をしていくということで培われていったものだろうか。

作品もそういった階層の雰囲気をうまく出している。
そしてGunさんが指摘していた犯罪小説(エルモア・レナードなどの)がこれまた心地よい。いや昔のハリウッドでもそういうのはあったけど最近はドーン、ドカーンで全部が全部ライド&アトラクションムービとして最初からそれを想定されて作られているのならまだしも、こういう小品までもそういう流れが侵食してきてやたら派手になる風潮からすればほっと一息つける心地よさ。

だがイギリスらしさもちゃんとあって、ヒネリの聞いた皮肉とかそういう部分もバカ笑いをするアメリカンではくジョンブルっぽい唇を曲げてニヤリという、そんな感じ。
この部分はちょっとカチンと来る人と同じくニヤリと出来る人で好き嫌いが分かれそうだと思う。

組織の描き方とか海外の組織(セルビア人の組織で内戦でくいつめた軍人崩れを擁する危険な連中とか)とかの描写が面白く、曲者同士が絡み合うそんな様がちょっとくどいが2つの解決すべき問題がトラブルへと変わっていく様もぐっと引き込まれるし上手い。

今までイギリス発のモノはCI★5とか色々観てきたけどここ最近のはとんと観てなくてちょっと『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』とかも観ようと思った。

いやなかなかに良品でした。

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by tonbori-dr | 2007-07-01 23:18 | スルー映画祭り