*狙撃映画ではないかな -ザ・シューター・極大射程-

『300』の感想の前にまずはこちらを
この映画、ざっとネットの感想を見回したところ普通のアクション映画として割とイイネという話と原作派からはオイオイなんでやねん!という反応が散見される。
また映画は映画としてまあいいじゃないのというオトナの反応も(笑)

そんな最強スナイパー、ボブ・リー・スワガーの活躍だが最初に映画化を聞いて思ったのはマジかよ!という思いだった。元々キアヌをキャスティングでというのは文庫の後書きにあったけどその後なしのつぶてで流れたなあというのと原作ではヴェトナムに従軍した海兵隊の狙撃兵ということでキアヌ若すぎだろ!と思っていたしまあそれはそれで良かったんだけど急に振って沸いた映画化話。しかもマーク・ウォルバーグ!いや『ビッグ・ヒット』や『ミニミニ大作戦(リメイク)』は好きだけどやっぱり若いなあと(苦笑)

だけど『ボーン・アイデンティティー』の例もあるし21世紀のあらたなアクションとしては舞台の転換と設定のエッセンスを活かす方法もありかもなあと思い直すことに。ちなみにマット・デイモンとマーク・ウォルバーグってサル顔で似ているし『ディパーテッド』で共演している。しかも『ボーン・アイデンティティー』と似ているという指摘もあったな。もっともおいら『クロスケージ』というB級映画を思い出した。

普通のアクション映画としてはまずまず及第点をつけれる。ただ狙撃兵、スナイパーが主題の映画にしては狙撃の緊張感とかは少な目。もっとも要所は締めている。例えば冒頭の狙撃シーンでのスポッターの存在感や台詞の中にそれは見受けられる。
だが『ワンショット・ワンキル』なものを求める方々には多少不満は残るかもしれない。


ちょっとだけネタばれしてます







でかなり原作を刈り込んでいるがまずまずエッセンスは出しているし冒頭のエチオピアこれエリトリアと書いているブログや感想を見受けるんだけどどっち?なんだろう。
で相棒がやられてしまうエピソードを書いているんだけどうまい処理だなと思った。

てっきり湾岸かなと思ったけど生々しいし実際今のイラクの件で前回の湾岸戦争をアクション映画の具にするには難しい(『ジャーヘッド』のような作品とかそのものを描くのはアリだろうけど、そういえば『ジャーヘッドの主人公も海兵隊狙撃兵である)

その後も原作のエッセンスを抜き出しつつ大幅にはしょって話は進む。
このあたりは『トレーニング・デイ』でも手堅い演出を見せたフクーアらしくテンポ良く進む。というかタレそうになると場面を替えるのはなかなかうまいじゃん(笑)で後半小説では『ハンバーガーヒル』もかくやな銃撃戦のシークエンスが出てくるのだがここもうまく処理している。つうか原作どおりにやったら『300』も真っ青なジェノサイドシーンになっただろう。実際このシークエンスはえげつないという感想も見かけたし。映画の内容的にはこれで正解かなと思う。

銃器的にはM40(レミントンM700)ボルトアクションやM4カービンに最近アクション映画ご用達になってきたH&KG36などが確認できたがなかでも珍しいなと思ったのはスワガーが個人的に所有しているライフルのうちの1丁で長距離狙撃の可能性を探るために試射をするシーンで使われた チェイタック・モデル200/IT-70タクティカル・スナイパー・ライフル。スナイパーをやめてもその性から逃れ得ないスワガーの危険な玩具。このあたりもちょっと原作っぽくないなあと思ったがまあ珍しいのを見れたのでよしとする(^^;

だが原作好きにはオイオイとなってしまったのはラストのオチだ、このラストははっきりいって解せない。もっと上手い処理は無かったのか?いやスワガーの行動はあれでもいいけど全然スワガーらしくないやり方だ。つまりアクションはあれでもいいけどタクティクスは違うだろ!ということ。この部分がどうにも引っかかっている。

個人的にはスワガーがヒントを得るために立ち寄った銃の生き字引のおじいさんの話が一番ぐっときた。原作にもあるのだがこのシーンはよく出来ている。とくにじいさんのアクションが素晴らしい。相手の手のひらを見てトリガーダコを見たと思しきシーンなどはかなりきている(笑)

あと最初に触れた『クロスゲージ』は最凶〇〇計画シリーズのウェイアンズ兄弟の長兄
キーネンが主演の映画で結構スルーされ気味なB級アクションだが出来はいいと思う。
この作品と同じく狙撃兵の主人公が湾岸で羊飼いの少年を敵のスパイだという上官に対して命令拒否をしたら殺されそうになり反対に殺害、死刑判決を受けたがある極秘任務に付けばその罪を帳消しにするというよくあるストーリー。だが狙った(狙われている言われていた)人物と実際のターゲットが違ったのであったという部分が似ているなあと前からちょっと思っていた。しかも狙撃兵なのにランボーがジェイソン・ボーンかっていうくらいの大活躍。もしかしてちょっと下敷きにしてるんじゃないか?
あとパンフには撃った相手が違っているのは実は・・・というネタは『ジャッカル』(新しい方)にも使われてる?という指摘アリ。

とまあ色々余談を書いたけれど原作者スティーヴン・ハンターの意見を聞きたいものだ。
なぜなら彼はワシントン・ポストの映画評論欄の担当者なのだから!

さらに追記:激しくネタばれかつ原作に絡むので反転しております。
まず第1にスワガーをはめた狙撃にかんしてなんだけどロボットで狙撃はいいんだがそれと車椅子の狙撃手が果たした役割がいまいちはっきりしない。この人原作ではしょられた人の役割とかいろいろもたされているんだけどちょっと無理がありすぎたかなとも思うんだけどなあ・・・。というか原作ではあの車椅子のスナイパーが大きな役割をもっているのでやはりそういうところでちょっとおかしくなったかなという気がする。というよりもう悪党を大佐(ダニー・グローヴァー)に集中すればもっとすっきりしたのになあ。で決着は雪山でつけると。それが一番だったと思う。であとは原作どおり出頭したスワガーが種明かしをして終わりと。上院議員の末路もまあ小説どおりに。もっともスワガーがそのきっかけをつくってもOKかなと。あとなんでサラ(原作ではシジュリー)が教師になってんのかなと思ったがこれは画面に緊張感を持たすためかなと。ただ初めてでおっかなびっくり(しかも血が苦手!)なのにちゃんと治っているという突っ込みは無粋でしょうな(^^;そしてウィンチェスターM70プレ64モデルの『ブラックキング』のエピソードをオミットしたのは正解。話がややこしくなるからね。でも個人的にはライフルにまつわるエピソードを軸とした話を観てみたかった。まあ今のご時世では無理だろうが。
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by tonbori-dr | 2007-06-13 23:50 | Movie