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*殺しの№1『スモーキン・エース-暗殺者がいっぱい-』

ちょっと観てきた。
ハイ・テンションなドンパチっぽい予告篇を見せられるとそりゃボンクラ頭に火がつこうというモノ(笑)
しかし監督は『NARC』のジョー・カーナハン。ずっしり丹念にキャラクターが描かれたハードボイルドだけど浪花節なドラマを撮った人。
ちょっと芸風ちがうやんかと(笑)世間ではクエンティンとかいってたけどおいらロドリゲスっぽさを感じたなあ。まあ世間的には両者は同じっていうことで思われているんだろうけど。
(実際2人はダチでつるんでいるし『グラインド・ハウス』なんつう企画映画も撮った)

とはいえもう一つ懐かしい感じもあった。それは日活無国籍アクションとかの感じ。
『抜き撃ちの竜』とか『紅の拳銃』とか『やばい事なら銭になる』とか。
そういうボンクラ頭的にはおいしい画が満載で好きな部類。

ただ惜しいのはちょっとオチの部分。結構ネットでもオチがなあという話はよく目にする。
個人的にはオチはあれでもいいんだけど処理が不味かったなと思う。
処理次第ではあのオチで良かった、というか実はオチはあれでいい。
だけど持って行き方がまずいのでちょっとグダグダっぽい〆になったかなと。

そうだなあ、言うなれば小学館のサンデーGXで連載されている『ブラック・ラグーン』や『ワイルダネス』が好きな人なら観ても楽しめると思う1本。



事の発端はある男の心臓にかけられた100万ドル
つられたやってくる名うての暗殺者たち。
そして男の証言が必要なFBI。
男を法廷に引き戻すために雇われた賞金稼ぎ3人組
それぞれが男のいるホテル目指して集まってくる。
一触即発、その時は刻々と近づいてくる。

前半はそりゃもう小気味いいぐらいに話が進む。
特に一癖も二癖もあるような連中がどんどんカットバックで映し出されそこにちょっとカッチョいいフォントで名前が出てくるあたり嫌いじゃない。そこからは続々とターゲットのいるホテルにキャラクターが集まってくる。
そしてそれがドンドン緊張感を産みだしてついには血の雨が降る。
暗殺者の3バカ兄弟(パンフはトレマーだが字幕ではトレモア兄弟になってたとおもう)はネオナチパンクの異母兄弟。もう完全にその手のキャラクターで意識的に漫画チック。

アリシア・キーズが演じる美貌のアサシンもそうで潜入のために娼婦に化けるのだがまたそのカッコウがよー解ってるやんと(笑)
その相棒もバレットアンチマテリアルライフルを使うスナイパーでこれまたいい味だしている。片目にアイパッチを降ろすトコなんざもう、しびれるしかない(笑)
(実際に正しいとかどうとかでなくそれっぽい動作と見映えの部分を優先している)
レイ・リオッタやアンディ・ガルシアなど脇もきっちり固めておりいい具合。

だけど後半『NARC』のノリに戻ってしまってしまい別の映画っぽくなってしまった。
それと詳しくは書かないけれど、折角一箇所(ホテル)に集めたんだからそこでオチが展開するようになればもっと面白かったのにと思うんだけど。それが惜しい。
中盤にちょっといらない部分もあったりとかで少し詰めてホテルの部分を膨らませれば最高にクールになったのに。残念だ。(ダーク・グランドホテル・ファンタジーとして完結出来れば多分歴史に残ったはず…だと思う)

けど基本的にボンクラさん的には楽しめる映画だと思う。

by tonbori-dr | 2007-05-21 22:08 | Movie