16ブロック感想

ブルース・『ダイハード』・ウィリスは実は器用な人だけどあの面相なので結構タイプキャストと見られがち、それに実際今までもそういう役をこなしている。が今回は本当にヨレヨレのくたくたの刑事を演じていて、ああこの人案外懐広いやないのとまあそう思わせてくれる。
監督は名手、リチャード・ドナー。リーサル・ウェポンシリーズで御馴染み。
今回も手堅い演出で楽しませてくれるがネットの評判を見ると『ダイ・ハード』じゃないブルースはブルースじゃないって意見もちらほら。
つまりはタイプキャストでしか見られていない悲劇がココに(^^;
アメリカでの評判もきになるところであるがその前に出演した『ホステージ』の評判がイマイチ(未見)だったのでこの『16ブロック』はそれほど気にしていなかった。ちなみに全米公開時の成績は2位スタートだったようだ。あとIMDbの星は6.7。(参照)
だがえろぶろ at ExciteのGun0826さんのレビューエントリ(参照)を読んでああコレは良いかもなと思っててそのままになっていたのだが先日レンタルのTが半額サービスをやってたので借りた。



なるほどブルースのよれっぷりアル中ぶり、あとメイクが過剰なまでに病気チックだがこれが物語的に効いている。
そのくたくたの酔いどれ刑事のジャック・モーズリーが命じられたのは分署から16ブロック先への裁判所で行われる大陪審に証人として喚問され出廷する囚人エディ(モス・デフ)の護送。いやいや引き受けたその仕事が・・・

囚人とのバディモノとしては思い出すのは『48時間』がおいらのマストだけどこの『16ブロック』はどちらかと言えばクリント御大の『ガントレット』か。これも指摘がいくつかあったけどバスが出てくるし(笑)
ただバスも道具立てとしては『スピード』とかのようにとか『ガントレット』のように使うのでなくあくまでジャックとエディを中心に組み立てていく。この映画は大技でなく小技で見せるタイプでありそういう部分が心地良い。だけど派手アクションの求めてこの映画を観ると肩すかしをくらうんだろうなあ。
だが目的地が決まっているためにその逃走劇も緊迫感がありブルース演じるジャックもも追う側も街を知り尽くし追跡に関しては玄人。その駆け引きもよく出来ている。
携帯電話での位置確認は言うに及ばず逃走ルートのポイントに矢継ぎ早に指示を出し先回り。そのウラをかくジャック。だが不養生に以前の怪我で足を引きずる身体では限界があるという部分も映画的にしばりとしてよく考えているなと。

あと警察の初動とか仲間内の事情とかゴチャゴチャしやすいのにうまく背景としてさばいているのもいい感じ。そしてジャックの妹の職業が救急救命士でこれがまたうまく機能させており最後のピースまでピタっとはまる心地良さ。いや久々によいのを観たなあ。

キャストに目をやるとブルース・ウィリス、モス・デフ以外ではやはりこの人、ジャックの元相棒ニュージェント役デビット・モース。安心できる役者だ。悪党でも善人でもどちらもOKなこの男がまたまた良い味を出している。朴訥とした南部の農夫から、よき夫、粗暴な犯罪者、仲間を第1に考えるSWAT隊長から今回のよう腹黒刑事まで製作側から見れば本当に得がたいキャストだと思う。

で借りてきたDVD、別バージョンのラストが入ってて元のラストがよい余韻をもたらしてくれるんだけどもDVDのアナザーバージョン、多分ブラインドレビューで評判が悪かったのだろうが確かにアメリカ人にはコレ評判悪いなと思うラストが入っている。だがこれが香港映画でもっと暑苦しくてゴギゴリっと演出されていればおいらこのラストありだと思う。ただニュージェントとジャックのやり取りを最初から見ていると当初のラストがきっちり収まるんだけど(笑)

娯楽映画としてきっちりセオリーを踏んでいる映画としてオススメできる1本。
[PR]

by tonbori-dr | 2007-04-20 23:33 | スルー映画祭り