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*『どろろ』を観てきたよ。

ということで有言実行(笑)(参照)
『どろろ』を観てきた。まあなんというか想像通りの作品でそれ以上でも以下でもないといいたいところだったがある映画たちとの既視感(いわゆるデジャ・ヴ)がぬぐえない作品でもあった。

今時の人にはこのぐらいが一番いいんだろうね(棒読み)
けどヒットするのかしないのかの境界線ってちょっとだけ見えたかなとか思った。
ようはキャストでどんだけ釣れるか?それとそんなに難しい話はNG。でも難しい香りはいる。
あと主人公たちの行動の源はベタなところにおかねばならぬ。
そんなトコかな。ただそれだけじゃ難しいけどお客に入ってもらうにはキャストは重要ポイント。

でも柴咲コウちゃんのどろろはその男装のなんとかというか性別を隠しきれてないけどもう勢いだけって感じだ。でもある意味見直した。照れがない。もう開き直っている。けど基本的にはポジションは『パイレーツ・オブ・カリビアン』のキーラたんとあまりかわんないねーと。
ほんでブッキーこと妻夫木くんの百鬼丸はそうやなあ。まあよく頑張ってましたよねと。
でこの2人、つきあってんの?(笑)

基本的にはそうやね『GARO』とそんなに変わらないレベルの特撮にお話。ただセットとロケにはかなりお金かかってますという感じだったよ。で、『GARO』にそれだけお金が投入されたらどうなるんだとちょっと思ったねー。
いや反対に限られた予算であれだけ見せてくれた『GARO』の方が凄い。

こっから余談的な捕捉。
ネタバレにつながる文言があるので気をつけてくだされ。

追記してます。




まあ前段でほととんど感想の肝を書いてるからこっからは捕捉説明。



冒頭いきなり合戦が終わったとおぼしき野原の戦場から始まる。
そこで繰り返されるシークエンスではなく状況がまずある映画の冒頭シーンを思い出す。
しかもかかっているフィルターまでその作品を思い出させる。
そして醍醐景光が付き従った側が金山勢に敗北し山寺に逃げ込みそこのお堂にある仏師が彫った48体の魔物どもと契約を成し自分の妻が宿した我が子を48体の魔物に捧げると誓約するシーンが出てくる。そしてまたどこかで観たようなシーンが出て時代が流れ20年となる。

この物語の時代設定は解らない時代、御馴染みのLong,LongTime a goである。いつかどこかはるか昔ってやつである。原典は室町時代なんであるがそもそもフィクションなんで主人公の父である大名醍醐景光なる人物は存在しないのだが。
そこで感じたのは多分冒頭の化け物退治シーンの舞台立てをいれるためになるほど『いつかどこかの』を導入したのねと思い至る。いわゆる『STAR WARS』のモス・アイズリーのカンティーナの酒場をイメージしたのだろうがそういう舞台のお膳立てをするために『いつかどこかを』を導入したんだよねみたいな。まあこれが演劇なら原典ままの室町でも『斬新』とか『新機軸』とかで済んだんだろうけど映画ではなんでも出来るけれど案外そう言う部分の許容度って低くてはったりをうまく利かせてやらないといけない、初手の見せ方で決まってしまう部分がある。だがそういう世界なんですというのはまあ禁じ手に近いけどありといえばありだと思う。でも普通はすげーテクのいる技なんだけどね。そういう点では偉大な原典ありきの作品では原典ファンには厳しいで出しではある。

しかし隣で見てたカップルは全然気にしてなかったけどねー(苦笑)
なんか昔のことなんでしょと。そんで百鬼丸の手がすとんと落ちて刃物が出てきたときも単純に驚いてたし、あのCGばりばりな化け物とブッキーのバトルシーンも(シウトン調な)もすごーとか(笑)微笑ましいもんであった。
で思ったのは割とゲームで言うところのライトユーザー的には簡単なお話、よくTVの2時間ドラマで先の展開読めるってことあるでしょ。アレ実際にハリウッド作品なんかでもタイムシートで分析すると盛り上げ方とその他共通点があるのはそっちが好きな人にはよく知られているけど(混浴露天風呂殺人事件では大体9時50分頃に入浴シーンがあるっていうアレね)そこまでしなくてとりあえずベタな展開を入れる。主人公ピンチ!けど巧い具合に助けが入る。とか『志村ー、うしろ、うしろ』がどんだけ入っているかということ(笑)いや笑い事じゃないか。そうやって作品をライトに仕上げないとやっぱりヒットしないのが現状なんだなあと思ったよ。だから『デビルマン』はアレだけ叩かれた。それは一重にホンの拙さが一番なんだけど『どろろ』のホンだって紙一重スレスレにも関わらずあとはキャストでなんとかしてますとかとりあえず迫力のある画をつくってごまかしますとかそーゆうとこなんだから。だから以前にも『CASSHERN』もソコソコヒットというのがあったけど、これも同じで多分キャストと架空の世界というのが良かったんじゃないかと思った。(キャストは脇は実力派で固めるのはもうお約束になっててあと劇団系かアクの強い1人を混ぜるとなおよし)そういやこの2本オイディプスコンプレックスを描いちゃってるとこも共通点(笑)やはり偉大なる先輩がいるとそうなってしまうのかそれとも子供時代になんかあったのか?で、ここでは『どろろ』の結末のほうが多くに受け入れられると判断してFA?ってことはやはり訳が解らないのはやはりNG、最後のオチはきちんと(ベタでも)落とすと、それが大事なようだ。

あとデジャブを感じるといったのは北村龍平監督の『VERSUS』と結構、感じと雰囲気が近いと思った。冒頭山谷初男さんの和尚がばっさり切られるシーンなんか『VERSUS』のタイトルロールで、榊英雄にばっさり切られるサムライと無茶苦茶既視感感じたよ。もしかしておいらデンゼル?とか思わなかったけど(笑)
『VERSUS』のアクションコーディネーター下村勇二が関わってたけど、それだけで同じ感じにはならんだろと思うんだが、激しいアクションのネタってうまくやらないと既に人がやってるということかもしれない。
けど普通の人は『VERSUS』観ている人は少ないので無問題かもしれないけど好き者は観てるのでこういうことになってしまうのねということか。
そういえば龍平ちゃんの『あずみ』からのキャスト瑛太くんとか原田芳雄とかあと『ALIVE』の菅田俊、杉本哲太がでているけどそれもあるのかも?
ちなみに原田さんの役どころは『あずみ』役と被るとこあります、というかもろ被り。
『あずみ』で確か興行成績は普通とか言われててたけど中身はそんなに差が無いぞ、多分。実在の人物相手に荒唐無稽ってのはやはり拒否る人が多いって事なんかな?そのあたりもちょっと気になる部分ですな。

他あとはキャストでいうと中井貴一はかなり立ち振る舞い勉強しているぞ。
立会いシーンでは一人空気違うし。しかもシウトン節にも耐えうるってのはやはり中国映画などにも地道に出演したりのキャリアあってのことなんだろうと感心した。
なんだかんだいっても佐藤、真田、中井ってのはかなりやる人たちってことだよなあ。
で、次ぎの敵が真田さんなら激ワロス。っていうかそれ同じTBSの関わってる『陰陽師』だから。でもやりそうで恐い(爆)

あとCGに関しては『GARO』と同じレベル。だから雨宮さんトコにお金がドーンと来て売れ線キャストならどうよ?みたいな気がしないでもなかった。ただこの辺りはまた書くとさらになげーので次の機会にでも。

ひとつ言っておくと、ようするにコンテとかそういう画作りのセンス。
ここはアクションコーディネーターにまかせる手もありなんだけど、全体的なバランスをまとめる意味でも監督のレイアウトセンスが大事。さきに挙げた『GARO』の雨宮監督はそーゆうとこは上手い。で、塩田監督はシウトンのアクションが先行するんだけれど、そこ、ちょっとどうでしょうということかな。
一ケ所でもう、『グアッ!』ってところがあればかなり評価ちがったかもしれないけれど、残念ながらそういうシーンは無し。
奇しくも『パイレーツ・オブ・カリビアン ザワールド・エンド』はそれがあって(具体的にいうとラストの大渦の激闘からフライングダッチマン号の再浮上、そして東インド会社のベケット卿の最後のシークェンス。他が下手をすると『どろろ』よりぐだってるのにココだけまったく別の映画というか空気を持っていた。だからこそ最強のアトラクションと言い切ったんだけども、そういうダイナミックな画があれば他の誰がボロクソに言ってもおいらはその映画を絶賛する(笑)だから『どろろ2、3』でそういうシーンがあったらもちろん絶賛。(このままだと多分、無理)
これは本当にお金だけじゃない(例えば『いつかギラギラする日』なんかはシーン全てがとんでもなく活き活きしている、そういう映画もある)ので一瞬で目を釘付けさせてくれれば。



まとめとして、日本のブロックバスター映画でこんだけ色々考えたのは他にも『踊る』とか『海猿』とか観たけどあんま考えてなかったところもあって今回いろいろ観てなんとなくあ、繋がったという部分があった。まあ観ないとわかんないこともあって劇場の雰囲気とか(結構満員だった)も含めてなるほどと思ったことも多い鑑賞だった。

いくつか文章を手直し及びアクションの部分(下線部)少し追加しています。
追記:08/09/20 さらにアクションシーンの文章を直しました。

by tonbori-dr | 2007-03-10 23:05 | Movie