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2016年に観た映画『ローグ・ワン スターウォーズストーリー』の話。

年賀状には映画三昧とか書いてますけど去年の鑑賞作品割と少ないです。

覚えているのは『ボーダーライン』、『シン・ゴジラ』、『この世界の片隅に』の3本。そしてその3本ともが傑作だったなという。


それ以外には直近に観た『君の名は。』『ローグ・ワン』でしょうか。

特に『ローグ・ワン』はかなり、ぐいっと来ました。なんというか裏スターウォーズ、エピソードⅣというべきな感じが。

『スターウォーズ フォースの覚醒』より琴線に触れまくりで、こみ上げてくるものがありました。


そう考えると『ローグ・ワン』は『スターウォーズ・ストーリー』とつけられているのもまた意味深です。

と、言うのもスターウォーズはそれまで歴史を重ねてきたけれどディズニーの傘下に入ったことで新作がスタート。そこでフォースの覚醒に連なるように世界観を整理。いわば正統をカノンと呼び、それ以外のスピンオフ作品をレジェンズと呼ぶようにしたとか。同じディズニー傘下のマーベル、マーベルスタジオが製作する映画がコミックスとは違うバース(世界)、マーベル・シネマティック・ユニバースとして各作品の齟齬がそれほど生じないようにした事に通じますね。(って最近Twitterで知りました)


そんな中、初のスピンオフである『ローグ・ワン』は当然『フォースの覚醒』に連なるように作られたいわば正統に連なる話として最初の『スターウォーズ』(エピソードⅣ新たなる希望)の開始10分前までが描かれるとされています。でもお話としては完全に『スターウォーズ・EPⅣ新たなる希望』の鏡像のような構造を持っていると感じました。

















まず最初に鬱屈した主人公が登場。主人公は大きな秘密を担う系譜を持ち、途中で導師と呼べる存在を無くします。また猥雑な町で仲間を得たり、大きなピンチを切り抜けたり、最後には大きな戦闘などなど、EPⅣとの相似点が散見されます。なのでスターウォーズEPⅣの、あのオープニングロールでほんの少しだけ触れられた帝国軍の秘密兵器の奪取、それは数多くの犠牲を払ったものだったというのが、こういう形で現れるとは思ってもみませんでした。


リブートというか新世代のスターウォーズとしてのエピソードⅦ『フォースの覚醒』もスターウォーズEPⅣへのリスペクトや相似点が幾多もありましたが、旧3部作ととばれた最初のスターウォーズをリアルタイムで経験した自分にとっては『ローグ・ワン』は『フォースの覚醒』には無かった下の視点というのを強く感じるのです。


そもそも最初のスターウォーズもEPⅥ『ジェダイの帰還』でこれはスカイウォーカーの物語であるということが分かる仕掛けになっていたのですが、最初の1作目が熱狂を持って迎えられたのは思うに、辺境の何者でもない若い青年が、ある日君は重大な使命を担っているのだと告げられ自らその渦中に飛び込む。いわば立身出世物語でもあったからだと思うのです。ですが『フォースの覚醒』はすでにそういう大きなストリームがあってスカイウォーカーの一族とレイというこれまた神秘的なシャーマンの邂逅を描いたものでなんとも神話めいています。それがダメとは思いませんが自分の観たかったスターウォーズは若者(ヒロインでもヒーローでもどちらもかまわないけど)が己の未熟さを噛みしめ徒手空拳で戦う物語であってほしいと思うのです。だから新3部作も実は、うーんって感じでした。ただダースベーダー誕生ストーリーとして観ればむちゃくちゃ腑に落ちて好きな3部作ではあります。


いや『フォースの覚醒』もめちゃくちゃレイって徒手空拳やん!って方いらっしゃると思いますが、なんとなく彼女って冒頭から兆しを感じてて、ああこれは目覚めますよねーっていうね。カイロが最初から飛ばしまくってるのに、あーコイツ肝心なところでポカるなっていうのを感じたように。(ただサプライズはありましたが。あれはエブムラムスすげえなと思いました。TV出身らしいなと)


『ローグ・ワン』はそういう部分が少なかった。親子の情というか、そういう事情や生まれ育ちの事もあるけど、基本、愚連隊が自分たちの想いでそれぞれによって立つ部分に置いて死地に向かう。そういうアウトロー戦争映画にスターウォーズフォーマットを置いて見せた、そういう作品だったように思います。あまり多くを語らずロードムービーのようにシーンを重ねていくスタイルのギャレス監督ならではのアプローチも琴線に触れたといっていいでしょう。当然そういう部分に不満や前半の部部分のたるさがって引っ掛かる方もいるでしょうけど、それも含めての『ローグ・ワン』は紛れもないスターウォーズユニバースの一挿話だけれど、輝けるコードネームとしてその名を記憶したい映画となりました。



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by tonbori-dr | 2017-01-08 14:07 | column@Movie