「亡国のイージス」短評

ということで「亡国のイージス」である。
うまいぐあいにエキサイトニュース|芸能でも3回連続でイージス関連の
Excite エキサイト : 芸能ニュース|福井晴敏(原作)…イージス作った男たち(下) [ 08月19日 17時05分 ]夕刊フジ
が載っている。

全体的な印象は足りないである。
いや日本映画もココまできたか!とか俳優陣の演技がイイとかそういう枝葉は賞賛できる
また真田、中井、佐藤の3人に加え寺尾、原田氏の存在感もたいしたものだった。

ホンもイージス艦ハイジャックに絞っている。

けど「足りない」のである。なにが足りないというとキャラクター達の背景がである。
膨大な原作を絞り込んだのもいいしうまい役者をもってきたのもいい。
あと仙石、如月や宮津の背景を見せようとしてる・・・けれど他のキャラクターの背景がどうにも薄い。こういったジャンルの映画では多少ツッコミが入るくらい濃いかテンション高めの連中というか演技をさせてもいいのだが割りと淡々と描写されている。
「トカレフ」や「どついたるねん」「ビリケン」「王手」の監督なのか?と思ったくらいだ。
いやその瞬間はあったし会議室シーンなんかは「KT」の匂いもあった。
けどもなんだろう・・・・うまくいえない。



実は冒頭シーンはどうするのかなと思っていたけどかなりうまくやったと思った。
けれどその後ちょっとよく解らないシーンが続く。画面からの情報量が少ない気がする。
もちろんイージス艦『いそかぜ』のディテールはホンモノだしオープンセットも非常に良く出来ているのだがそれ以外に画面から得られる情報がそのまましか伝わらない。
福井氏なんかもそれは良くわかっているはずでだからこそ彼は背景の書き込みにアレだけの頁をさいている。にもかかわらず出来上がった映画からは今画面で起きていること以外の事しか伝わらない。役者陣は流石にベテラン&脂ののっている3人を起用しているだけあってそこだけは情報量が桁違いだけどもそれ以外の周りの情報が少なければこういう映画は成立しない。

なんでマイケル・ベイの映画があんだけ大作なのに皆から阿呆よばわりされるのか?
ジェリー・ブラッカイマー作品がぼろくそなのか?
それは上記のことからだ。それは「ザ・ロック」「コン・エアー」でも如実に出ている。
ショーン・コネリーやジョン・マルコビッチはすげえという人はいても
作品自体はありえねーしスカスカでつというのはそういうことだ。(それでも上の2作品は金をかけ方が尋常でないので取りあえずの画の凄さとそこまで考えさせないハリウッドシノプシスメソッドで気がつかせないようにしているけど)

阪本さんは元来こういうネタにぴったりだと思っていたけ私見を言わせてもらえれば会議室シーンをもっと増やしてイージス艦での仙石、行とヨンファ達の戦いを五分の構成に持っていったら傑作になったかもと観ていて思った。

そんなわけで非常に不満が残ったけれどやはりコレを観て原作も読んで欲しい。
ヤマトやガンダムでしか戦争を知らない世代がこういう作品を世に問うているということをもっと考えて欲しいし映画自体ももっと突き抜けてもかまわないと思う。

『ローレライ』は今でも問題アリだと思うけれどある一点ではそこを突破しかかっている。
だからこそなのだ。まず引き付ける画とドラマ部分の融合がうまくいけば充分おいらたちを熱狂させてくれる作品が出てくるはず。
舞台は整ったんだからあとは出てくる演目だけ。
ホントにそういう作品を待っている。
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by tonbori-dr | 2005-08-20 00:07 | Movie