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「約三十の嘘」短評

一つの大きな嘘をつくには30の小さな嘘をつかないといけない|志方の台詞より

なんか濃密な人間関係のようでその実希薄な空気が漂っている。
なにかが欠けているんだと僕達は!とは登場人物の一人の台詞だけど
おかしなキャラクター達のおかしな珍道中?いや列車の旅。
虚々実々よいうよりはヘンな仲間の話だなあ。

中谷美紀が出ていると言う事で借りなくてはと思っていたので急遽借りてきた。
で観たんだけどなんかすっぽりはまった感じの後口で美味しいございますという映画。


おいらの基本がボンクラ映画にあるといってもコレも立派なボンクラ映画だと思う。
なにもドンパチ、B級イズムだけがボンクラの定義じゃないよおと言っとく。
(基本的には「映画秘宝」に取上げられる上記のような映画を指す言葉だけど)

なんかこの映画前から知っててなにかあれこれ言っていた気もするけどそれもそのはず
エキブロで公式宣伝ブログをやってたから(笑)既に更新はしていないけれど。
公式サイト
さらにCKB(クレイジー・ケン・バンド)の音楽がいい感じにはまっている。



ある出来事から解散していた詐欺師のチームが3年ぶりに再結集。
大阪から出ているトワイライトエキスプレスで北海道へ向かい久しぶりの大仕事をすることに。
元チームのリーダーだった志方(椎名桔平)に佐々木(妻夫木聡)、久津内(田辺誠一)に宝田(中谷美紀)。久津内の呼びかけで久しぶりにあった四人。そこに宝田と組んでいる横山(八嶋智人)を含めた5人で仕事というところで京都で以前チームの解散のきっかけになった今井(伴杏里)を久津内が呼んでいた事から風向きが怪しくなる。が仕事は成功。もっとも久津内の仕切りがうまくいかず外様の横山に仕切られてのことだったのだがそしてチームの恒例となった5つの鍵と金を詰めたトランクから話がややこしくなってくる。

それだけの話で登場人物6名、状況も行きと帰りの列車の中で全てが進む。
舞台っぽいとおもったら同名戯曲の映画化だそうで。なるほど納得。
キャストも悪くないんじゃないかと。

ラストで出てくる徳井優さんがらしい演技を見せてくれる。

監督は大谷健太郎氏。前作のことは全く知らないけれどいいホンにあたったなあと思う。
と思ったら原作戯曲を書いた人が共同脚本で犬童一心監督の「ジョゼと虎と魚たち」の脚本を書いた渡辺あや女史との仕事だそうだ。

でも何故ボンクラスピリッツにあふれていると書いたのか?
それはこのキャラクター達がまさにそういう面子だからだ(笑)
いや演じている人たちじゃなくキャラがだよ。そういう人たちのスラップスティックほど弾けとんでもないけれどいい感じにぬるいこの感覚。そういうのは面白いと思った1本だった。

by tonbori-dr | 2005-08-16 20:25 | スルー映画祭り