『高い砦』:デズモンド・ハグリイ
昨日本屋さんに行ってみるとハヤカワ文庫の『高い砦』が新装で再発売されてた。
この小説は冒険小説の白眉としてよく紹介されるが今では古典となった気がする。
それでも誇り高き男の矜持や生き残るためにサバイバルという事の意味を教えてくれる名著だと思う。
ハイジャックされた飛行機がアンデス山中に墜落。
アンデス山中に墜落した飛行機のサバイバルと言えばまた別の話を想起する人もいるかもしれないけれど生き残った搭乗者たちに襲い掛かるのは高山特有の過酷な環境。そして生存者を襲う謎の襲撃者たち。そんな状況をどうやって切り抜けるのか。というお話。
amazonのレビューにもあるが今ではもう古いのかもしれない。
が、『すんません、自分、古い男ですから』
こういう話をきっちりとけれんもなく書く人が今ではどのくらい居るのか?とさえ思うほどの骨太さ。
いや流行やキャラクターの造詣は既に今の主流ではないのかもしれない。
だがキャラクターの魅力とはそんな古風な生き方や考え方だけじゃないもっと本質的なモノ。
人間とはどんな状況におかれても生きるという事をあきらめなければタフになれる。それは何時の時代でも真理。そういうことが描かれている。
それはあるセリフに表されているのだがそれは是非読んで確かめて欲しい。
あなたに熱き血潮が流れているのなら
著者のデズモンド・バグリイの作品は他に『ゴールデン・キール』あたりしかしらないけれどこの作品が書かれたのが今から約40年以上前。だけど古典になっても古びないテーマがあるかぎり今後も読み継がれていく小説だと思う。
早川書房 (2006/01)
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by tonbori-dr | 2007-04-22 23:51 | book