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山猫は眠らない

原題は「SNIPER」(狙撃手)
主演トム・ベレンジャー 共演ビリー・ゼイン、J・Tウォルシュ(但しほんとのチョイ出です)
まあなんでコレを引っ張り出したというと予定しているスルー映画祭り「山猫は眠らない2」のためなんだけれど。
いややっぱり面白いわ。
狙撃兵の駆け引き、その任務の特殊性、全ては生還するため。「ワンショット、ワンキル」
マッチョな映画だけど好きな作品だ。
実際にはありえない事もそこかそこにあるけれどこういうのはどこにツボを置くか、それとどこまでをリアルにするか。全部リアルにすると多分映画になんない。
それだけ狙撃というのは映画的に魅力のある状況だけど画にしにくい。その上倫理的にもすんなり受け入れがたく(なんせスコープで相手を捉え一撃で倒す・・・殺すのだから)キャラ造形にはいきおい孤高にならざるを得ない。そしてもてる技術をフルにつかって任務を果たす。
主演のベレンジャーもこういう寡黙で職人的な扱いにくい軍人がぴたっとはまる。
ギリースーツ(狙撃兵が着用するカモフラージュスーツ)など考証も割合しっかりしているし撃った後に薬莢を受けて現場に残さないという描写をさりげなく挿入しているところがミリタリーオタクのツボを押す。大掛かりなビックバジェットの映画じゃないけれどよく出来た佳作として今もファンの多い作品だ。



物語はパナマのジャングルで特殊任務についている海兵隊のスナイパー(海兵隊のスナイパーというのは度々小説や映画のネタになる。実際ベトナム戦争で大きな戦果をあげているしその専門の訓練スクールをFBIのアカデミーがあるアメリカのバージニア州クォンティコ基地偵察狙撃兵専門のスクールがある)トーマス・ベケットが麻薬取引に関わる反政府ゲリラの指揮官を狙撃。首尾よく任務を達成するがピックアップのヘリが予定より早く来たため相棒の観測員がゲリラ側の狙撃兵に射殺されてしまうところから始まる。その頃国防省は南米の麻薬王と軍事政府の大物と手を組むことを阻止するためその大物の抹殺を計画、作戦指揮官兼観測手として情報幕僚で元オリンピックの射撃手、ミラー送り込む。
でこのミラーは確かにオリンピック級の腕前を持つのだが人を撃ったことがなくしかもジャングルでの作戦経験のない素人だった。
という筋立て。ビリー・ゼインの演じるミラーがエリート然としていていかにも叩き上げというベレンジャー演じるベケットとの対比がありがちではあるがテンポがいいし緊張感(なんせ味方は2人だけ!)を維持して最後まで観させてくれる。

あとこの手の映画では銃が大きな要素をもつがベケットは海兵隊が使用しているレミントンのM40A1ボルトアクション。ミラーはH&KのG3アサルトライフルを狙撃用に改修したSG-1(よくPSG-1と間違えられるが別モノ)敵のスナイパーが東側(最近ではこういう言い方はしないが)ドラグノフスナイパーライフルを使っている。

決して正義の味方じゃない男達がその誇りとプライドかける様はやはり理屈ぬきにしびれてしまう。
そんな映画である。

by tonbori-dr | 2005-04-20 01:00 | お気に入り