人気ブログランキング | 話題のタグを見る

3本目にして既に職人の風合い。「アルゴ」

ということで新年始めの映画エントリは「アルゴ」から。
惜しくもオスカーノミニーは監督賞は逃してしまったがベン・アフレック。3作目にしてこれかいなと。
なんというか職人の技だよねという撮り口は既にベテラン。まあこの人最初にオスカー執ったのは脚本賞(マット・デイモンとともに)、もっともこの人割りと仕事選んでるようで選んでなかったりするからラジーもとってんだけどね(ヲイ

で、この映画、面白いといわれるのがよく分かった。CIA万歳な部分がある一定の人たちに反発買うかもしれないが、これは現場の人たちがでもやるんだよ!で成功確立の薄い作戦に臨むという冒険譚である。
それにアメリカだけが正義とはいっていない。まあ突入したイラン人の描き方がアレだという人もいるかもしんないけど、興奮状態の民兵はどこでも同じもの。日本でも、アメリカでも、さほど変わらない。
あとちょっと苦い部分もちゃんと見せたりとか。そういう背景もしっかり描き込んでいる。そして演出も盛り上げどころとオチもきちんと2時間半とかにせず120分に収めているのは立派。

この映画ですごくあっと思ったシーンはいくつもあるが、中でも主人公のトニーがこの困難な作戦を思いつくのが電話先で息子が観ていた「最後の猿の惑星」というのもすごく頷かせてくれる。(映画の内容を知らなくともその背景を観れば納得できる)そういう映画制作のディティールがすごく効いていてるし、またイラクではカナダ大使の私邸での生活を中心に描くことにより彼らの焦燥感を上手く積み重ねていっていた。そういう細部に気が届いていた。

よくCIAは成功例は永遠に隠される。知られてしまうのは失敗例だけというが、中にはこんな成功例もあるのだなと。いや面白い映画でした。

余談だけど、実際のトニー・メンデスはベン・アフとはちと違うおっちゃんでしたwだがベン・アフ、監督としてキャリア着実に積んでると思わせる1本だったね。(俳優としてもそろそろいいのにめぐり合うといいねとは…まあいいかw)

余談ついでに、軍による救出作戦イーグルクロウでこのアルゴ作戦が一時、あぼーんされそうになったけど、そのイーグルクロウが特殊部隊の作戦としては失敗事例として今でも語り草になってるのがまた色々深い。

by tonbori-dr | 2013-01-17 22:54 | Movie