闇の騎士は如何にして陽光の元にでることになったのか?

「ダークナイト・ライジング」鑑賞の感想。

いや先に雑感を書いたとおり、大筋で観てる間は時が経つのも忘れていたけど、
終わった後に反芻するといろいろ考えると?アレアレってのもあったし、
実のところ観て最初に?えっそうなの?というのもあった。


まあネタバレ全開なんでまだ気になる人は読まないでね。

ネタバレ禁止なら読んじゃダメですよ。


でももう公開から4週間近いし…

なわけで折りたたんでおきます。



冒頭のシークエンスはとりあえずいいんですけどね、アバンからゴッサムにフォーカスが移るといきなりブルース・ウェイン隠棲って。
ダークナイトのひきから考えるとですね、てっきり警察に追われながらも悪党を狩っている文字どおりのダークナイト「闇の騎士」としてゴッサムの闇を駆け抜けていたと思っていたわけですよ。
でもね…、膝の故障でリタイアしていたわけですよ…orz
だけどそれはデント法施行(このデント法は前作で亡くなったハービー・デント地方検事が推し進めていた法律で組織犯罪などを強力に取り締まり、仮釈放無しで重罪犯刑務所に拘置するような法律らしい?いや詳しいことは殆ど語られないので前作ダークナイトと映画評論家の町山さんのポッドキャストでの補完です。私自身は、これは「愛国者法」のメタファーだなと思ってました。この「愛国者法」はアメリカの刑事ドラマでも度々出てくるもので法執行機関からすれば非常に強力な法律でドラマ的には最後の手段かつ使うのをためらうような代物ですが実際にそれでアラブ系の移民が裁判無しで逮捕拘禁されたりとかで問題の多い法律だそうです。)でゴッサムには平穏が戻り、ダークナイトの立つ瀬が無いよみたいなことがカクテルパーティで語られた事もあって、まあそれならしゃーないかなとも。

で、ゴッサムの地下にいつのまにか根城を築いていたベインと対峙するため再びバットスーツを身に着けた(壊れた膝にはサーボ付ギプス)ブルース。
そのあたりもいいんですけどね、落とされた「奈落」あそこの壁とかもうちょっと上手く設計できなかったかなあと。いやマジであの程度の壁ならイーサン・ハントなら余裕でやっちゃいますよ。もっとつるつるのほとんど手掛り無しな感じでしかもオーバーハングとか。

そして警官閉じ込めは、あの時系列経過で考えるともうちょっとなんかこうしていたんですよってのを見せて欲しかったし服とかボロボロになってても良かったような。あ、副署長はピカピカでもいいですよ。あの人はびびって引きこもってた家から来たんだから。

まあ重要点が一度リタイアしたものの身体と心の両方に傷を負ったヒーローが気力を振り絞って敗北するがそれは復活のための試練という結構ベタなお話としてはよく分かるしだからどうなる?ってことで大筋OKだったし、正義のためにというよりは街を守る闇の騎士のノブレスオブリージュの物語としてはまとまってんですけどね、サイド部分が弱くて、前回も弱いんだけどもジョーカーという史上最高の悪役と選択という部分が彼のノブレスオブリージュをも凌駕しつつそこに最後にトゥーフェイスとの対決をもってきて締めくくった事がそれをかき消した。だからダークナイトっておいらの中ではこれはウォッチメンのある側面を補強してみせたなと思ったんだけど、今回はそこが残念。

とはいえブルースの再起、敗北そして復活という部分では筋が通っている、それ以外は全て脇であるということではまごうことなき筋が通っていることとゴッサムの街での混沌状態を映像として現出させたノーランの手腕はたいしたものだと思います。

個人的にバットマンという闇の騎士の再生の物語としてみればOKだし、ダークナイト後の話としてはちょっと粗が多かったかなという、映画でした。
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by tonbori-dr | 2012-08-22 20:00 | Movie