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武士 MUSA短評

スルー映画祭り第10弾は韓国、中国合作の「MUSA(武士)」
オフィシャルサイト
歴史アクションロマンというべきこの作品をようやっと観ました
ネタバレごめんですのでご了承を
物語は中国大陸の覇者が、明になったばかりのころ。それまで中国を支配していた元を追い払い明を建国した朱元璋。明の隣国、朝鮮半島の高麗はそれまで元の支配下にあったが明との友好関係を持つため使臣団(使節)を送った。が、明は敵国の間諜とみなし使節を投獄した。
チェ・ジョン将軍率いる龍虎軍らが護衛する使節団も南京城入城前に捕らえられ砂漠に流刑となってしまう。ところが過酷な砂漠への行軍中に元の騎馬部隊が現れ明の兵士を皆殺しにしてしまう。元は高麗の宗主国でもあったことから一行の命は救われたが砂漠に置き去りにされた。大使(使臣)は元の襲撃中、流れ矢にあたり死亡。チェ・ジョン将軍は年老いた副使臣らの懸念を押し切り砂漠を超えて高麗への帰還を決断する。厳しい砂漠越えは次々と脱落者をだし副使臣にも耐えられず命の灯火か消え尽きる前にチェ将軍に後事を託す。そして自らの奴隷兼護衛のヨソルを自由にするので人として扱って欲しいと頼む。しかし死んだ副使臣を馬に引かせて国元に連れ帰ろうとするヨソルに死んだ人間に馬は不要とチェ将軍は馬を徴発してしまう。馬が無く埋葬せよと言われても亡き主人を自ら引き続けるヨソル。先行したチェ将軍はキャラバンがいるオアシスに到着したがそこに蒙古軍(元の軍隊)が。蒙古軍は朱元璋の娘芙蓉(プヨン)姫を連行している途中だった。姫は自らの血で助けを求める布をそっと馬車の外に落す。それを拾うチェ将軍。そこに死体を連れたヨソルが現れる。キャラバンの頭領の一人が死体を持ってきたことに怒るがその頭領を槍の一閃の元に切り伏せるヨソル。その争いをみた蒙古軍の将軍ランブルファはヨソルの眼に獅子の輝きを観る。彼を配下に収めるべく生け捕りにするランブルファ。高麗のチェ将軍はプヨン姫の助けを見て彼女を助ければ明も態度を変えると考え姫の救出を決意。冷静沈着な鎮州軍(龍虎軍より格が下の日本でいえば足軽のようなもの?)の隊正(指揮官?軍曹みたいなものか?)も一緒に囚われたヨソルを見捨てて置けないと言い一行は二手に分かれ待ち伏せに。蒙古軍はランブルファ一人を残し全滅。傷を負ったランブルファは逃走してしまう。いずれ蒙古軍は追っ手を差し向けるに違いない。彼らは姫を護衛し南京に向かうため黄河を目指す。圧倒的に不利な状況の中、敵中を突破し姫を送り届けることは出来るのか?という筋立て。



「俺たちは、灰になってもまだ燃える・・・」これが公開時のキャッチ。
2時間を越える超大作ながらテンポ自体はそれほど悪くなかった。
騎馬軍団との闘いは迫力があり最後に撮影に使った馬達は負傷などはしていませんというぐらいの激しさを見せる。
また槍使いのヨソル。弓使いの隊正、斬馬刀のような武器を使う別将(チェ将軍に仕える龍虎軍の副将格)などがいて戦闘シーンもバラエティに富んでいる。
プヨン姫を演じるはチャン・ツィイー。ここでは格闘は行わず明の姫を演じているがあくまで守ってもらう対象として姫を演じているのでちょっと新鮮に見える。
しかし思いやりのあるところを見せるかと思えば高飛車だったりとすこし気分屋さん?なのか
まあこれはあくまでもお話なのでさほど気にならないが。
主演のヨソルとチェ将軍に若手のイケメンを揃えているが推したいのは隊正。
この人すごくカッコいい。弓使いでありながら危険なところに部下の先頭にたって切り込むという活躍を見せる。レゴラスも真っ青な弓使いだ。
そして蒙古軍のランブルファ将軍。敵は全く容赦しない苛烈な人物ながら敵の力量を見抜き自分の配下にいれようとする度量の大きさや時勢を読むことにも長けた人物。非常にこの物語に深みを与えている敵役だと思う。
あと物語の流れやストーリーは全く違うが「七人の侍」とだぶるところがある。
圧倒的に不利な中非戦闘員(老人、女子供)まで抱えしかも崩れ落ちた砦に籠って闘う。
高麗の兵士の彼らが「守るべきもの」のために命をかけるという部分がである。
若い2人の身分やプヨン姫に対する葛藤も見所ではあるが命をかけて守るべきもののために闘う彼らの姿には圧倒された1本でした。

追記・santapapaさんのかたすみの映画館でのエントリでも取上げられているけれど音楽はあの!「新世紀エヴァンゲリオン」の鷺巣詩郎氏です

by tonbori-dr | 2005-01-16 17:08 | スルー映画祭り