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跳べ、ロケットボーイズ「遠い空の向うに」

今回ブログ・DE・ロードショーにお誘いいただき、そういえば以前に観たなと思いエントリを探した。
web-tonbori堂ブログ : OCTOBER SKY「遠い空の向こうに」短評
その時はアレンタウンかーと思ったが、このストーリーが心に残るのは冷戦真っ只中の時代に、ソビエトがスプートニクを先に打ち上げ宇宙開発競争が過熱していく時代、地方都市に生きる少年が閉塞感の中、本当に打ち込めるものを探してというのが大きいように思う。そう青春モノの王道なんだなと改めて感じた。

初見時には個人的にはこの手の映画あまり観ないんだけど、ウチのブログの初期の頃からの常連さんたちイチオシの作品でそれに違わない作品だったなと。特に空に憧れたっていうのは子どもの頃に誰しもがもったものであり、そういう部分も琴線を刺激された。

ストーリーも王道で発端から山を昇りかけ壁が立ちはだかり、でもそれを克服していくという脚本のお手本のような展開を見せる。そういうところもこれが隠れた傑作として認識されている部分なんだろう。

特に賞をとったとかそういうのは無いけれどオスカー俳優のクリス・クーパーやノミネートされたこともある、ジェイク・ギレンホール、ローラ・ダーンの熱演もそうだけど、やはり他のキャストも良い演技を見せたのことも大きい。

とはいえ個人的にはクリス・クーパーが一番良かったなあ(笑)
彼の演技は深く心に残る。炭坑の責任者としての顔と、父としての顔、複雑な側面を上手く演じていた。

そういえばクーパーと主人公ホーマー役ジェイク・ギレンホールは「ジャーヘッド」でも共演していたっけ。全然違う感じで、湾岸上陸作戦の指揮官と、海兵隊の一兵卒で深い絡みはなかったけどww

この物語のある意味発端になったスプートニク、打ちあがったときはそうとうアメリカにはショックだったらしい。軌道上から発信されたビーコンはラジオで受信できるとか出来ないとかで大層ニュースになったというくらいで、先にも書いたけどこれが冷戦時の軍拡の一端にもなった。
スプートニク・ショック - Wikipedia

あとホーマーたちが参加したコンテストって今はインテル入ってるのインテルがお金をだしてるそーな。
インテル国際学生科学フェア - Wikipedia

多くの、出来れば青少年に観て欲しい。
それとこのストーリー、もう一つ大きいところはジョックとナード(アメリカのスクールカースト)の対立も潜んでいるんだよね。ジョックというのはいわゆる体育会系(ぶっちゃけアメフト部員)で彼等がヒエラルキーの頂点におりチアリーダーの女の子と明るい青春をおくり、そうでないものはナードに分類される。細かくいえばもっとあるのだけれど、それを取り上げているとかモチーフにしている作品は結構多い。例えば「スパイダーマン」とかもそう。
ジョック - Wikipedia
ナード - Wikipedia
で、ホーマーの兄貴、ジムはフットボールで奨学金を受けるほどなんだけど、ホーマーはどう考えても勉強も苦手でフットボールの練習で吹っ飛ばされるしこれはどう見てもナードです(笑)もっともいろいろ思うところがあって数式とか勉強して、コンテストで1位とっちゃうんだけど、そういう意味でも是非ともそういう境遇の少年たちに観て欲しいなあと切に思う。

最後に豆知識。原題、『OCTOBER SKY』はこのストーリーの元になったホーマ・ヒッカム自身の伝記のタイトルのアナグラムになってるそうな
>『Rocket Boys』

参考:
映画 遠い空の向こうに - allcinema

追記:ジョックとナードの解説文を足しました。

by tonbori-dr | 2010-11-08 22:08 | Movie